SoftBankがWeWorkと追加投資の増額を交渉中とFTが報道
SoftBankは、赤字続きのWeWorkに対してこれまでに既に数十億ドルもの投資資金をつぎ込んできた。WeWorkの粉飾決算が報じられ、IPOが延期となり、企業バリュエーションが下落を続け、CEOのノイマン氏が退任してもなお、SoftBankはWeWorkへのベット(賭け)を続けると決めたようだ。
SoftBankは、来年4月、WeWorkに対して15億ドルの追加投資を行うことを既に合意しているが、その投資金額を増額するために両社間で交渉中であるとフィナンシャル・タイムズ(FT)紙が報じた。本案件についてブリーフィングを受けた複数の人物の話として報じている。
新たに交渉している投資金額は25億ドル。しかし、SoftBankが購入するWeWorkの一株あたりの価格は値引きする。これにより、SoftBankによるWeWork株の保有率は高まることになる、と情報源である複数の人物は語っている。
WeWorkは2019年前半だけで25億ドル以上のキャッシュを消費してしまっている。IPOも延期となり、WeWorkに残された資金調達の選択肢は残されていないため、SoftBankが同社株に投資することは最後に残された資金調達の手段であるとも言える。
来年行われる追加投資は、WeWorkに対して行われた10億ドル以上の規模のものとして4度目:
- 2017年4月 13億ドル
- 2018年1月 10億ドル
- 2019年1月 50億ドル
- 2020年4月 25億ドル(現在、交渉中)
WeWorkの昨年の売上高をざっくり計算すると、1ドルの売上を出すために2ドル支出している。つまり1ドルの売上があっても、実際は1ドルの赤字が発生し着実に運転資金を食いつぶしている。
WeWorkへの投資は、Softbankにとって「Too big to fail(失敗するには巨大すぎる)」案件であるため、損切りできず後には引けないのだろう。
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