2020年有力大統領候補の一人ピート・ブテジェッジ氏、不法移民に対して連邦政府はIDを発行するべきと発言
民主党から出馬している有力大統領候補の一人、ピート・ブテジェッジ氏は先週金曜、不法移民に対して連邦政府は身分証を発行し、彼らに政府サービスを受けさせることを許可することを支持すると発言した。
先週金曜、ブテジェッジ氏は「National Association of Latino Elected and Appointed Officials(公職に就いているラティーノのための全米協会)」のイベントに参加し、そこで次のように述べている:
私は、法律上の移民的地位に関わらず、ここに住んでいるいかなる人であっても、彼らが確実に本人確認できる手段を持てるようにすることは、連邦政府にとっての責任であると信じている。
ブテジェッジ氏は、インディアナ州サウスベント市の市長として、不法移民に対して同市内で通用するID(コミュニティ住人カード)を発行することを決定した。その政策を、全米レベル(連邦政府)でも行うことを支持するかについて質問を受け、それに対する答えとしてこの発言を行った。
さらにブテジェッジ氏は、「市として、私の市長としての責任は、単に米国籍市民に対してだけではなく住民たちに対してでもある」と述べた。これは選挙によって選ばれた公職者たちは、国民に対してだけでなく、不法滞在者や密入国者に対しても福祉を提供する責任があると言っているとも取れる発言である。ブテジェッジ氏は慎重に言葉を選んで発言しているため、「不法滞在者や密入国者(undocumented residentsやillegal aliens)」という単語は避け、「米国民を含んだ全ての住人(residents)」という言い方をしている。
今月、民主党議員団は、「アメリカ人は外国人に対して恩赦を与える「義務」がある」と発表して議論を巻き起こしている。ブテジェッジ氏は、民主党の国会議員たちが強く推し進める移民政策と呼応し、民主党支持者たちのサポートを取り付けようとしているのかもしれない。
短期間に大量の移民を受け入れて問題になっているヨーロッパだが、全米でも不法移民をどう扱うかについて大きな問題になっている。一度入国してしまった不法移民に対して、彼らが犯罪に手を染めないよう、ある一定以上の福祉を提供し、教育、医療、その他の公共サービスを提供するべきという意見がある一方、そうした福祉サービスを不法入国者に提供することはさらなる不法入国者を増やすことにつながり悪循環を招くという議論もある。大統領や国会議員が大切にするべきは、国民か、それとも移民か。米国民の間で意見が大きく分かれている。