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トランプ政権が香港デモへの支援を弱体化:中国政府と貿易交渉を再開するため

大阪で開かれたG20会議で、トランプ政権は香港デモへの支援を軟化させる意向を習近平に伝えたとファイナンシャルタイムズ紙が伝えた。  中国政府との貿易交渉を再開するため、交渉の障害にならないようトランプ政権側が配慮したようだ。

ファイナンシャルタイムズ紙はトランプ政権の複数の高官の証言を引用。中国政府を貿易交渉の席に戻らせるために、香港で広まっている民主化を求める大規模デモに対して米国は支援を縮小し、中国政府の対香港政策への批判の度合いを弱めると、トランプ大統領が習近平主席に明確に約束したと報じた。

中国人ジャーナリストで中国共産党の機関紙Global Timesの編集者であるフー・シージン氏(胡锡进)は、水曜朝、米中の貿易交渉担当者が交渉を再開させたことを確認し、米国側の交渉代理人であるムニューシン氏とライトハイザー氏がまもなく北京に到着するだろうとツイートした。

 

(訳)米中の交渉役らが電話会談を行った。中国側は電話会談のみ行なった事実を認め、会談の内容が、米国側が説明したほど「建設的」であったかについては言及を避けた。中国側は、前回の変更から教訓を学び慎重になっているようだ。

 

さらにファイナンシャルタイムズ紙は次のように報じている:

米中のトップが大阪で開かれたG20サミットで会談した際、トランプ大統領は(貿易交渉を再開させることに)コミットした、とその会談に精通した複数の人物は証言している。トランプ大統領は、G20サミットに参加する前にも習主席と電話会談を行い、その中でも同様の約束を行なったと一人のトランプ政権高官は語っている。

 

トランプ政権が行った具体的な行動として、退官することが決まっていたカート・トング米総領事が、その退官スピーチの中で行う予定であった中国政府への批判を削除するよう圧力をかけたことが報じられている。ワシントンDCのシンクタンクも、トング米総領事が行う予定であった批判的なスピーチを延期させた。これもホワイトハウスの圧力の影響だと思われる。

ここ数週間、トランプ政権が対中批判を行うアメリカ側の人物に圧力をかけ発言を封じたのは、トング米総領事だけではないと複数の人物が批判している。

 

トランプ大統領と習首席との会談の後、米国務省は香港の米総領事の役職から退官する予定であったカート・トング氏に対し、アジアの金融ハブである香港で行う退官スピーチの中から、中国政府に批判的なコメントを削除するよう伝えた。トング氏は、香港地域の自由は中国政府に侵食されていると言及するつもりだと国務省内部の人々に伝えていたが、結局、彼は7月2日に行ったスピーチから中国政府に批判的な内容を薄めざるをえなかった。(・・・)

 金曜日に退職する予定のトング氏は、今週水曜にもワシントンDCのシンクタンク、戦略・国際問題研究所(CSIS)でスピーチを行う予定であった。しかし、直前になってスピーチは延期された。これは国務省が彼に対してスピーチを行うのを延期するよう指示したと人々は噂している。CSIS内部の事情に詳しい人物は、トランプ政権がこれまでの政権よりも政府職員を監視することに積極的だと語っている。「CSISで講演を行う国務省や国防総省の政府職員たちは、最近、講演自体が直前になってキャンセルになったり、講演を行っても質問を受けられなかったりオフレコでなければいけないということが半分近くある」とこの人物は語っている。

 

これまで、トランプ政権は、香港で逃亡犯条例が可決されれば香港の独立行政地区としての特別的地位を剥奪し、正式に大陸中国の一部となったものとして扱う可能性を警告していた。もしそれが実施されれば、香港は世界の金融センターとしての発展を下支えした特別的地位を奪われることを意味する。

トランプ大統領は、対中貿易戦争で「ディール」を勝ち取るためには、なんでも犠牲にするという姿勢のようだ。

香港デモは2ヶ月目に突入しているが、香港市民は米国の支援が得られるという考えを捨てなければいけない。

Photo: US President Donald Trump and China’s President Xi Jinping attend a bilateral meeting on the sidelines of the G20 summit in Osaka, Japan, on June 29. Photo: AFP

 
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