米国内の反政権勢力が再びトランプ大統領を引きずり落とそうと画策:WSJの記者が批判
アメリカの民主党議員による「クーデター未遂」がまた起きている。アメリカ版「もりかけ問題」であるロシアゲート疑惑は、根も葉もない「スティール・レポート」を元にアメリカの主流メディアは2年間も報じ続けた。それが不発に終わると、次はトランプ大統領がウクライナ大統領に政治的圧力をかけたという「ウクライナゲート疑惑」を元に大統領を弾劾する正式な手続きを、昨日、民主党の下院議長ナンシー・ペロシが始めた。
その根拠としたのが、今年7月、トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー新大統領(冒頭の写真)と行なった電話会談の内容である。そこで、トランプ大統領がウクライナの大統領に、政敵であるバイデン元副大統領とその息子に対する汚職疑惑の捜査をするよう政治的圧力をかけたとする疑惑である。
しかし、国連の会議に参加していたトランプ大統領は、ペロシ下院議長の正式な弾劾手続き開始の一報を受け、ウクライナ大統領との電話会談の内容を文字起こしした文書を一般公開した。
トランプ大統領が1期目の任期中、弾劾裁判で訴えられる可能性を予想するサイト(以下の画像)では、ペロシ下院議員の正式発表を受けて急上昇していたが、トランプ大統領による電話会談の記録公開を受けて弾劾の可能性は急落した。しかし翌日(今日)になって再び、弾劾裁判の予想は上昇している。
Source: PredictIt.org
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙のキンバリー・ストラッセル記者は、このウクライナ疑惑について、「大統領を再び引きずり降ろそうとする内部勢力の試み」と批判するツイートを発信している。
1) Having read DOJ’s Trump-Ukraine release, here’s the real story: This is another internal attempt to take out a president, on the basis of another non-smoking-gun.
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】1)司法省が発表したトランプとウクライナの電話会議記録を読んだ。これが真実:根も葉もない疑いにより、大統領を再び引きずり降ろそうとする内部勢力の試み。
2)As to call transcript itself: Trump’s actual “favor” is that Ukraine look backward, to what happened in the 2016 election. This is a legitimate ask, since election meddling looks to have come from both Russia and Ukraine.
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】2)通話記録そのものについて:トランプによる実際の「依頼」は、ウクライナに対して過去を調査して欲しいというものであり、2016年の大統領選挙で何が起きたのかを調べて欲しいというもの。これは正当な依頼である。というのも、選挙介入は、ロシアとウクライナの両方から起こされていたように見えるため。
3)(Indeed, this is a big enough issue that we find out this morning that U.S. Attorney John Durham is looking at what role the Ukraine played in the FBI investigation.)
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】3)(実際、これは私たちが今朝発見した大きな問題だ。米連邦検察のジョン・デュラム検事は、FBIによる捜査においてウクライナが果たした役割について調べている。)
4)It is actually Zelensky who brings up Rudy Giuliani—saying they can’t wait to “meet him.” And it is Zelensky who references “that investigation,” as he goes on to promise that “all investigations will be done openly and candidly.”
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】4)ルーディ・ジュリアーニ弁護士(*)について話題を振ったのはゼレンスキー大統領自身である。彼は「彼に会う」のが楽しみだと言った。そして、「あの捜査」について言及したのもゼレンスキー大統領自身であり、さらに彼は「すべての捜査は公開で率直に行われる」ことを約束すると語った。
*ルーディ・ジュリアーニ弁護士(元NY市長)は、現在、トランプ大統領の個人的な弁護士で、バイデン元副大統領父子が絡んだウクライナ政府との汚職疑惑に関する調査を行なっている。
5)Trump says “good” and expresses worries that a “good” prosecutor was “shut down.” Mentions “Biden’s son” and that Biden bragged he “stopped the prosecution.” Ends that bit with “It sounds horrible to me.”
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】5)トランプは「よし(good)」と言い、「素晴らしい」検事が「引きずり下ろされた」ことに対して懸念を表明している。そして「バイデンの息子」について言及し、バイデンは彼が「検察の捜査を阻止した」ことを自慢していたことにも言及した。「これは私には最低なことに聞こえる」と言ってこの話題を切り上げた。
6)Trump's several references to Giuliani are mostly to say what a great guy he is. He says he will have Giuliani and AG Barr call. He asks Zelensky to speak/work with both.
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】6)トランプがジュリアーニについて何度か言及しているが、それはほとんどのケースでいかに彼が優れた人物であるかを語っている。彼は、ジュリアーニとバー司法長官に電話をかけさせると語った。彼は、ゼレンスキー大統領に、彼ら両方と話し協力するよう依頼した。
7)And, never mind, because: DOJ in statement says the President has not spoken to AG about investigating Biden and has not asked the AG to contact the Ukraine. Also, Barr has not communicated with Ukraine—“on this or any subject.”
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】7)しかし、司法省はその声明の中で、大統領は司法長官とバイデンに関する捜査については話していないと発表し、大統領は司法長官にウクライナ政府と連絡を取るように依頼してもいないと発表している。また、バー司法長官はウクライナ政府とは「この案件やそれ以外のいかなる案件について」連絡を取っていない。
8)Meanwhile, the IG back in August referred this to DOJ as potential violation of campaign finance law, based on whistleblower complaint. Criminal Division evaluated and determined no violation: “All relevant components of the Department agreed with this legal conclusion.”
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】8)一方、監察長官(IG)は、今年8月、内部通報者による主張を元に、この案件は選挙資金法違反の可能性があると司法省に言及した。犯罪部門はこの案件を評価し違反はなかったと判断した:「司法省内の関係部署は全員、この法的判断に合意した」
9) Whistleblower? Look at this nugget, referenced in the OLC opinion. The IG’s review found "some indicia of an arguable political bias on the part of the Complainant in favor of a rival political candidate.”
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】9)内部通報者?司法省法律顧問局(OLC)の見解の中で言及されているこの貴重な情報に注目。監察長官(IG)の調査では、「告訴人側の方に、ライバルの政治家候補を支持していたとする論拠のある政治バイアスがあったことを示すいくつかの兆候」を発見していた。
10)Media got all this so wrong. And Democrats look all the more partisan and radical to have moved toward impeachment.
— Kimberley Strassel (@KimStrassel) September 25, 2019
【訳】10)メディアはこれら全てにおいて相当間違ってしまっている。そして、民主党はますます党派心をあらわにしたパルチザン的で急進的になってきており、弾劾に向けて動き出している。
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