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【全文翻訳】ペンス副大統領がウィルソン・センターで行ったスピーチ:フレデリック・V・マレク記念講演

Mike Pence

ワシントンDCにあるコンラッド・ホテルで2019年10月24日、マイク・ペンス副大統領が行ったスピーチをBonaFidrが以下に翻訳し掲載する。

 

ペンス副大統領のスピーチ動画はここで視聴できる。

 

スピーチ内容を文字起こししたものはホワイトハウスの公式サイトに掲載されている

 

* * *

 

ペンス副大統領によるフレデリック・V・マレク記念講演

 

2019年10月24日発表

 

コンラッド・ホテル

ワシントンDC

 

東海岸時間11:51 a.m. 

 

副大統領:暖かい歓迎をありがとうございます。新議長、スコット・ウォーカー知事、ジェーン・ハーマン議員、そしてこの歴史的な機関の全役員、そして全ての優秀な研究者の皆さん、ウィルソン・センターに招いて頂いたことを光栄に思います。ウィルソン・センターは、アメリカのリーダーシップと全世界における自由のための偉大な擁護者であった大統領の名前に因んで命名されています。

 

それにちなんで、もう一人の大統領による挨拶を紹介することから今朝の講演を始めさせてください。その大統領は、ここホームと広い世界において自由の擁護者であります。第45代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプからの挨拶をお伝えします。(拍手)

 

本日、私は極めて重要な一週間の終わりに皆さんの前にいます。トルコ軍がシリアに侵攻した結果、アメリカ合衆国大統領による強力な経済および外交努力のおかげで、また、我らのトルコおよびクルドにおける同盟関係者による協力のおかげで、シリア国防軍は安全に国境地帯から撤退することができました。現在、この国境地帯はトルコ軍の支配下にあります。

 

そして昨日、トルコ国防省は、無期限の停戦とあらゆる攻撃的軍事行動の停止を確認しました。(拍手)

 

我らが軍隊はホームへ戻ってきます。この停戦を通して、次のことをご報告できることを私は嬉しく思います。それは、トルコと我らのクルドの同盟関係者らは、国際社会が安全地帯を策定することができる絶好の機会を生み出したということです。我々は、この安全地帯がこの戦争で引き裂かれた地域における全ての民族にとって平和と安全を回復すると信じています。

 

改めて、本日はここに招待されるという名誉を頂き感謝します。フレデリック・V・マレク記念講演という就任講演の機会を頂くというのは特に名誉なことです。

 

フレッド(フレデリックの愛称)を知る人は誰もが、彼はウェスト・ポイント出身の自慢の息子であったと言うでしょう。そして彼は「義務、名誉、母国」という言葉に則って彼の人生を生きたと言うでしょう。彼が他の人たちへ助言を行う際、彼はよく頻繁に出身母校の「士官候補生の祈り(Cadet Prayer)」を引用し、「より簡単だが間違った方ではなく、より困難だが正しい方を選びなさい」と彼は言い、人々を促したという話を私は聞いています。

 

フレッドは、誰も——そしていかなる国家も——その価値観を見捨ててまで利益を守ることはできないことを理解していました。フレッドの記憶に敬意を表し、私は本日、21世紀の運命の多くを決めることになる課題について議論するために参りました。それはアメリカ合衆国が持つ中国との関係です。

 

この政権のごく初期の頃から、トランプ大統領は、誠実さ、公平性、そして互いに尊敬しあうことを礎に、中国との関係を構築する決意を固めてきました。これは彼の言葉で言うと「より公正で、安全で、平和な世界」を達成するためです。

 

1年前の同じ月、私は北京政府の政策の多くについて、それらがアメリカの国益と価値観にとってかつてなく有害であることを語りました。中国の借金外交や軍事的拡張主義から、信仰を持つ人たちへの抑圧、監視国家の構築、そして当然、自由かつ公正な貿易と反する、中国に有利な政策についてまで語りました。その政策には、関税、割当量、通貨操作、技術移転の強要、そして産業界への助成金が含まれています。

 

これまでの政権は現れては消えていきました。その過去における全ての政権は、これらの乱用に気がついていました。しかしどの政権も確立されたワシントン(米国政府)の受益者たちを壊す意思はなかった。こうした受益者たちは、これら乱用を許しただけでなく、しばしばそれらから利益を得ていました。政治的既成勢力は、中国の経済侵略と人権侵害を目の前にして沈黙しただけではなく、彼らは頻繁に中国がそうすることができるよう可能にしてきました。一年が過ぎるたびに、アメリカの中部地域で一つの工場が閉鎖されるたびに、新しい高層ビルが北京に建てられるたびに、アメリカの労働者たちはただ益々落胆し、そして中国は益々意気盛んとなった。

 

20年も経たずして、トランプ大統領が言ったように「世界の歴史上、最大の富の移転」を我々は目撃しています。過去17年間にわたって、中国のGDPは9倍以上に増大し、世界で2番目に巨大な経済になりました。その成功の多くは、アメリカによる中国への投資によって引き起こされたものであります。

 

北京政府の行動は、アメリカ合衆国の対中国貿易赤字の一因となっており、昨年は4000億ドル以上でした。それは我が国の国際貿易赤字の半分近くを占めます。トランプ大統領が何度も言ったように、我々は過去25年間にわたって中国を立て直しました。これ以上、真実を語った言葉はありません。しかしそうした日々は終わりました。

 

歴史が確かに記すように、3年もたたず、ドナルド・トランプ大統領はその物語を永遠に変えました。アメリカとその指導者たちは、もはや経済的関わり合いだけで、中国共産党による独裁主義国家を、私有財産、法の支配、そして国際貿易ルールを尊重する自由で開かれた社会へと変革できるという希望を抱いていません。

 

その代わり、大統領による2017年国家安全保障戦略が明確に示しているように、アメリカ合衆国は、現在、中国を戦略的かつ経済的なライバルとして認識しています。そして私が直接体験したこととして、都市部そして農村部における非常に大多数のアメリカ国民たちが、トランプ大統領の米中関係に関する明瞭なビジョンを支援していることを証言できます。さらに、大統領が取る態度は、議会においても超党派の支援を受けています。

 

過去1年この支援を受けて、トランプ大統領は、かつて行われてきた失敗した政策を修正し、アメリカを強化し、北京政府に責任を取らせ、そして我ら両国および世界にとって有益となるよう、我らの関係をより公平で安定的かつ建設的なものにするために、大胆で決定的な行動を取ってきました。

 

我らの政権が発足した際、中国は順調に世界最大の経済になる方向へ向かっていました。専門家たちは中国の経済がアメリカの経済をたった数年で追い越すだろうと予言していました。しかし、トランプ大統領が推進した大胆な経済政策のおかげで、全てが変わりました。

 

この政権の初期の頃から、大統領は全米史上で最大の減税と税制改革に署名しました。我々は、世界中の法人税率に合わせてアメリカの法人税率を引き下げました。我々は、連邦政府による規制を記録的なレベルにまで引き下げました。我々はアメリカのエネルギーを束縛から解放しました。そしてトランプ大統領は、自由で公平な貿易に対して断固とした態度を貫いています。

 

その結果どうなったでしょうか?アメリカは世界の歴史上、最も強力な経済になりました。(拍手)そして我々自身の歴史上、最も強力な経済となりました。

 

現在の失業率は、50年ぶりの低さです。かつてないほど多くのアメリカ人が、今日、働いています。過去2年半で、平均世帯収入は5000ドル以上上昇しました。そしてそれには、大統領による減税、または勤労世帯に対するエネルギー改革によってもたらされた節約分は含まれていません。

 

大統領による政策のおかげで、アメリカは何兆ドルもの富を我らの経済に加えました。その一方で、中国の経済は後れを取り続けています。

 

非倫理的な取引慣行に対抗し、アメリカの労働者らにとって条件を公平なものにするために、トランプ大統領は2018年、2500億ドルの中国製品に対して関税を課しました。そして今年初旬、今年12月までに我らの貿易関係における重大な課題が解決されなければ、大統領はさらに3000億ドルの中国製品に対して関税を課すと発表しました。

 

知的財産権や我らの国民のプライバシー、そして我が国の安全保障を守るために、我々はファーウェイやZTEなどの中国企業による違法行為を抑制するために強力な対策を講じてきました。さらに我々は、北京政府に対して我々に関する最も機密性の高いインフラやデータに対する支配能力を与えないよう、安全な5Gネットワークを構築するよう世界の同盟国を促してきました。

 

そして我々が経済的により強力になるに伴い、トランプ大統領はまた、この一時代において最大となる国防費の増大に署名し、直近のわずか3年という間に、我が国の国防に対して新たに2兆5000億ドルにのぼる投資を行いました。我々は、世界の歴史上最強の軍隊を、さらに強化しました。

 

そして北京政府に対して、公海を領海と主張する権利を有する国などないということを明確に示すために、昨年末以来、米国は我が国による航行の自由作戦の頻度と範囲を拡大し、インド太平洋地域全体にわたって我が軍のプレゼンスを強化しています。

 

あらゆる場所における自由を愛する人々の価値観を擁護するために、我々はまた、中国共産党が中国の人々に対する信教の自由を抑圧していることを非難してきました。中国国内における何百万人にものぼる民族的そして宗教的少数派の人々は、彼らの宗教的そして文化的なアイデンティティを根絶やしにしようとする共産党による取り組みと闘っています。

 

中国における共産党は、キリスト教の牧師たちを逮捕し、聖書を販売することを禁止し、教会を破壊し、そして100万人以上のイスラム教ウィグル人を投獄しています。

 

先月、トランプ大統領は中国共産党当局者たちに対するビザの制限を課し、そしてウィグル人およびその他の中国人イスラム教徒への迫害の共犯者であるという理由で中国公安省の20の機関と8社の中国企業へ制裁を課したことで、我々は、北京政府に対して、彼らによる新疆におけるイスラム教少数派の処遇について責任を取らせました。(拍手)

 

そして我々は、台湾が苦労してやっと手に入れた自由を守るために台湾と共にあります。現政権下において、我々はさらなる武器の売却を承認し、世界の中の偉大な貿易経済地域の一つであり尚且つ中国文化と民主主義の案内役として台湾の立場を認めています。

 

そして数百万人もの人々が平和的な抗議を行うために街頭でデモ行進を行っていることを受けて、我々は香港の人々を代表して声高に遠慮なく非難してきました。そして当初からトランプ大統領が明瞭に語っていたように、1984年英中共同声明で概略が説明されている通りに香港の人々の権利を尊重した平和的な解決が行われなければいけません。

 

これらは全て歴史的な行動です。そしてこれまでどの大統領も、我が国の対中関係においてこれほど精力的にアメリカの国益を前面に押し出したことはありませんでした。

 

アメリカの行動と決意に反応して、多国籍企業の中には我々の経済政策が厳し過ぎるであるとか、我々の国益や価値観を前面に押し出すことは、中国とのより良い関係に反すると語るところがあります。

 

しかし言うまでもなく、我々の見方は非常に異なります。大きな権力闘争が起きているわけですが、アメリカの力強さは高まっており、我々は中国にもより良い状態を望みます。まさにこうした理由で、ここ数十年間において初めて、ドナルド・トランプ大統領のリーダーシップの下、アメリカ合衆国は、いかなる世界の大国の指導者たちが扱われるべきように、中国の指導者たちを敬意を持って、しかし当然、一貫性と公正さをもって扱っています。

 

そして公正さの精神において、私がハドソン研究所で行ったスピーチ以来この1年、北京政府は我々の経済関係を改善するための意味ある行動をいまだに取っていないということを、私は皆さんに語らなければいけません。それどころか、我々が挙げた他の多くの課題において、北京政府の行動はより攻撃的でかく乱的になってきています。

 

貿易分野では、何ヶ月にもわたるつらい交渉の末に、この5月、多くの主要な課題について双方の合意という結論に達したにもかかわらず、最後の瞬間に中国が撤回しました。中国は、150ページにのぼる合意文書を取下げ、双方を振り出しに戻しました。

 

現在、トランプ大統領は、北京政府が取引を行いたいといまだに考えていると信じています。そして我々は、新たな第1段階(フェーズ1)の合意の中で示されたアメリカの農業に対する支援を歓迎し、それが今週チリで開かれるAPECサミットと同じくらい早急に締結できることを望んでいます。しかし、中国は、我ら二カ国間には対処しなければいけないあらゆる種類の構造的で重要な課題が存在していることを知っています。

 

例えば、2015年にローズガーデンで中国の指導者が行った停戦の約束にもかかわらず、中国は我々の知的財産を盗む行為を幇助し続けています。

 

今年7月、FBI長官は議会に対して、FBIが現在活発に進めている1000件にのぼる知的財産の窃盗に関する捜査は、その大多数が中国の関与があると証言しました。アメリカの企業は、毎年、知的財産の窃盗により何千億ドルも失い続けています。

 

これら数字の背後にあるのは企業だけではなく、人、家族、そして夢が、彼らの権利が侵害され彼らの才能が盗まれることによって脅かされています。自由企業体制は、野心を追いかけ、彼らが払う犠牲から得られる報酬を享受しようと、リスクを取る市民の能力にかかっています。彼らの仕事の成果が盗まれる時、彼らが額にかいた汗が無に帰される時、自由企業体制という我々の制度全体は弱体化してしまいます。

 

昨年だけでも、中国が関わっている知的財産の窃盗に関する事案が次々と起きています。3月、テスラは同社の元エンジニアに対して訴訟を起こしました。このエンジニアは、同社が独自にアメリカで開発した自動運転システムに関係する30万件のファイルを盗んだ罪に問われています。

 

そして昨年12月、アメリカ司法省は、中国の国家安全保障省内部に存在する悪名高いハッキング集団が、4年近くにわたって行ってきた作戦をアメリカ司法省が終結させたことを公表しました。これら中国政府当局者たちは、米国海軍の職員10万人分の名前やデータだけでなく、軍艦のメンテナンス情報をも盗みました。これは我らの国家安全保障にとって重大な意味合いがあります。

 

中国製のフェンタニルおよびその他の合成オピオイド製品を厳重に取り締まると中国は約束したにもかかわらず、実際は、これら人を死に至らす薬物が、我々の国境を超えて大量に流入し続けており、毎月何千人ものアメリカ人の命を奪っています。

 

そして今日、中国共産党は、世界がいまだかつて目にしたことがないような監視国家を建設中です。何億台にものぼる監視カメラがあらゆる見晴らしの良い角度からにらみつけています。少数民族は、専制的に設置された検問所を通過しなければならず、そこでは警察が血液サンプル、指紋、声の録音、そして複数の角度からの頭部撮影、そして虹彩のスキャンまで要求しています。

 

中国は現在、彼らがその独裁主義体制下で使っているまさにこれと同じ科学技術ツールを、アフリカ、ラテン・アメリカ、そして中東の国々へ輸出しています。そしてこれらツールは、往々にしてアメリカ企業の支援を受けて中国は導入しています。

 

そして北京政府はまた、民間と軍事の技術的領域の間にある垣根を取り去りました。中国が「軍民融合」と呼ぶ政策です。法律および主席による命令により、中国における企業は、それが民間であれ国有であれ、または外国のものであれ、彼らの技術を中国軍と共有しなければいけません。

 

また、近隣における中国の軍事行動と、過去1年間における近隣諸国に対するその取り組みは、ますます挑発的になってきています。

 

2015年に中国の指導者たちがローズガーデンに立ち、彼らの言葉をそのまま引用すると、彼らの国は南シナ海を「軍事化する意図はない」と発言しました。その一方で、北京政府は、高度な対艦および対空ミサイルを、人工島の上に建設した軍事基地の頂上に配備しました。

 

北京政府は、フィリピンとマレーシアの海軍軍人や漁師たちを常に脅すために、彼らが「海上民兵組織」と呼ぶ大型船舶の利用を進歩させてきています。そして中国の沿岸警備隊は、ベトナムがその沖合で掘削している原油や天然ガスをベトナムから強奪しようとしています。

 

2019年、東シナ海において、我が国の友好同盟国である日本は、中国による挑発に対処するために、戦闘機による出撃作戦をスクランブルする件数が、歴史上、過去のどの年より多く、ますます増える勢いです。そして中国の沿岸警備隊は、日本が管轄している尖閣諸島周辺の海域に60日以上連続して警備艇を派遣しています。

 

中国はまた、世界中における港湾に足掛かりを築こうと「一帯一路」政策を活用しています。これは表面的にはビジネス目的ですが、しかしこれら目的はいつしか軍事的なものになります。現在、我々は中国による所有を示す旗が、スリランカからパキスタン、ギリシャに至るまで今日も港湾ではためいているのを目撃しています。

 

そして今年初旬、北京政府はカンボジアで海軍基地を建設するための秘密協定に署名したと報じられました。さらに、北京政府は海軍施設としての機能を果たすことができるような、大西洋における各地を注目していることが報じられています。

 

我々の政権は、—— 3回の米中共同声明(three joint communiqués)と台湾関係法に反映されている通り——「一つの中国政策」を尊重し続けるつもりです。しかしその一方で、中国は過去1年間、札束外交を通してさらに2カ国を勧誘し、台北政府から北京政府へと外交的承認を変更させています。これにより、台湾における民主主義に対する圧力を強めています。

 

国際社会は、台湾政府と関係を持つことは平和を脅かすものではないということを決して忘れてはいけません。それは台湾およびその周辺地域における平和を守ることになります。台湾が民主主義を受け入れていることが、全ての中国人にとってより良い道筋を示しているとアメリカは常に信じています。(拍手)

 

しかしこの1年間、香港における騒動ほど、中国共産党による自由への反感を示しているものはありません。

 

香港は、中国とより広い世界の間の重要なゲートウェイとして150年間にわたってその役割を果たしてきました。香港は、世界で最も自由な経済の一つであり、強力で独立した法的制度や、活発で自由な報道を備えています。そして何十万人という外国人居住者にとってホームとなっています。

 

香港は、中国が自由を受け入れた場合にどうなりうるかを示した生きた手本です。しかし過去数年、北京政府は香港に対する介入を強化し、そこに住む人々の権利や自由を奪う行為に従事しています。その権利や自由というのは、「一国二制度」という拘束力がある国際協定により保証されていたものです。

 

しかしトランプ大統領は常に明瞭であり、彼自身の言葉でこう言ったように、「アメリカ合衆国は自由と共にある(The United States stands for liberty)」。(拍手)我々は各国の主権を尊重します。しかし、アメリカは北京政府がその約束を守ることを期待します。そしてトランプ大統領が繰り返し表明したように、当局が香港のデモ参加者たちに対して暴力を用いるならば、我々は貿易協定を締結することがより困難になります。(拍手)

 

それから、私は香港当局が、そもそも抗議デモの火付け役となった引き渡し条例を撤回したこと、そして北京政府がある程度の自制を示したことを目にして嬉しく思います。

 

今後、アメリカ合衆国は中国に自制を示すよう、約束を果たすよう、そして香港の人々に敬意を払うよう促し続けるということを私はみなさんに断言できます。そしてここ数ヶ月にわたってあなた方の権利を守るために平和に抗議活動を行ってきた何百万人にものぼる香港の人々に対して、我々はあなた方と共にあります。(拍手)我々はあなた達によって刺激を受けました。そして私たちは、非暴力的な抗議活動の方向にとどまることを強く促します。(拍手)しかし、あなた達には何百万人というアメリカ人の祈りそして称賛が送られていることを知ってください。

 

中国がその影響力を近隣地域そして世界中において発揮してきている中、私が昨年語ったように、中国共産党は、ここアメリカにおける国民的議論に影響をおよぼすために、アメリカ企業、映画スタジオ、大学、シンクタンク、学者、ジャーナリスト、地方、州、連邦政府職員たちに謝礼を渡し強要し続けています。

 

今日、中国は何千億ドルもの不公平な貿易製品をアメリカに輸出しているだけでなく、最近中国は、その政権の特徴とも言える検閲をも輸出しようとしています。企業の欲につけこむことで、北京政府はアメリカの世論に影響をおよぼそうと試みており、アメリカのビジネス界を強要しようとしています。

 

あまりに多くのアメリカの多国籍企業は、中国共産党に対する批判に口を閉じてきただけではなく、アメリカの価値観を肯定する表現にさえも口を閉じることで、中国マネーとその市場の誘惑にこびへつらってきました。

 

ナイキは、いわゆる「社会正義の擁護者」として自社をプロモーションしていますが、香港の話になると、同社はその社会的良心を置き去りにする方を好んで選びます。ヒューストン・ロケッツのゼネラル・マネジャーが発信した7つの言葉から成るツイートに抗議している中国政府に同調して、中国におけるナイキの店舗は、実際、ヒューストン・ロケッツの商品を棚から撤去しました。そのツイートには、「自由のために戦え。香港と共にある(Fight for freedom. Stand with Hong Kong.)」と書かれていました。

 

そしてNBAで最も有名な選手やオーナーたちの何人かは、この国を批判する自由を日常的に行使しているにもかかわらず、中国における人々の自由や権利の話になると彼らは声が出なくなります。中国共産党の味方をし、言論の自由を沈黙させることで、NBAは独裁主義政権の完全所有子会社のように振る舞っています。

 

進歩的な企業文化でも、人権侵害を故意に無視するようなものは、進歩的ではありません。それは弾圧的です。(拍手)

 

アメリカ企業、プロスポーツ、プロ選手が検閲を受け入れる時、それは間違っているだけではなく、非アメリカ的です。アメリカの企業はここホームそして全世界中においてアメリカの価値観のために立ち上がるべきです。(拍手)

 

北京政府による経済的そして戦略的行動、そしてアメリカの世論を形成しようとする試みは、私が1年前に語ったことを証明しており、今日でも真実です。中国は異なるアメリカ大統領を欲しています。そのことは、トランプ大統領のリーダーシップが功を奏していることを示す究極の証です。

 

アメリカの経済は日々強まっており、中国の経済はその代償を払い続けています。大統領の戦略は正しい。彼はアメリカの人々のために、アメリカの仕事のために、そしてアメリカの労働者達のために過去の誰にもまして闘っています。そしてこの政権は身を引かないことを私は約束します。(拍手)

 

そうは言うものの、大統領は、アメリカ合衆国は中国との対立を求めてはいないと明確に語っています。我々は、公平な条件、開放された市場、公平な貿易、そして我々の価値観に対する敬意を求めています。

 

我々は中国の発展を封じ込めようとしているのではありません。我々は、何世代にもわたって中国の人々と享受してきたような建設的な関係を中国の指導者たちと持ちたいのです。そしてもし中国が、アメリカの人々をあまりに長期間にわたって巧みに利用してきたその取引慣行をやめて新たに出直すために、一歩前進し、歴史的にも珍しいこの機会をつかむならば、ドナルド・トランプ大統領は新しい未来を始める準備と意思があることを私は承知している。(拍手)アメリカが過去に行ってきたように。

 

鄧小平による「改革・解放」政策が外の世界との積極的な関与とやりとりを行うことを奨励した時、アメリカ合衆国は両手を広げて応じました。我々は中国の隆盛を喜んで受け入れました。我々は、6億人もの人々が貧困から脱するという並外れた偉業を達成したことを祝いました。そしてアメリカは、他のどの国よりも、中国経済の復活に投資を行いました。

 

アメリカの人々は、中国の人々にとってより良いことを望んでいます。しかし、その目的を得るために、我々は、我々が想像するようなものや、いつかはなるかもしれないと希望するものではなく、現在あるがままの中国を受け入れなければいけません。

 

人々は、時にトランプ政権が中国からの「デ・カップリング」を求めているのかと尋ねます。その答えは、断固とした「ノー」です。アメリカ合衆国は、中国と関わり合いになることを求めており、中国がより広い世界と関わることを求めています。しかし、その関係性は、公平性、相互尊重、そして国際的なビジネス・ルールと調和するやり方です。

 

しかし今までのところ、中国共産党は真に解放することや、世界基準に収斂することに抵抗し続けているように見えます。

 

北京政府が今日行なっていることは全て、共産党によるサイバー空間におけるグレート・ファイヤー・ウォールから、南シナ海における砂のグレート・ウォールまで、そして香港の自治権に対して彼らが抱いている不信感や、信仰を持った人々に対する彼らの抑圧行為に至るまで、全てが、何十年にもわたってより広い世界から「デ・カップリング」をしてきたのは中国共産党であることを実証しています。

 

習主席は、彼自身、共産党総書記として彼が頭角を表してきた直後、かつて秘密にされていたスピーチの中で、中国は「良心に従って、長期的な連携のあらゆる局面に準備し、2つの社会システムの間で悪戦苦闘しながらも奮闘しなければいけない」と語ったということを私は聞かされています。彼はまた、当時、彼の同胞に対して、西側による回復力(レジリエンス)を侮るなと語りました。これら言葉には良識があった。

 

中国は、自由を愛するアメリカ国民による回復力(レジリエンス)や、アメリカ合衆国大統領の決意を決して侮るべきではありません。(拍手)中国は、アメリカ合衆国の価値観が根強く、これら価値観に対する我々のコミットメントは、我らが建国の父が抱いていたものと同じく依然として強力であるということ、そしてアメリカに、民主主義と自由という眩い光が消える日は決して訪れないということを知るべきです。(拍手)

 

アメリカは、抑圧と専制政治に対する抵抗の中から生まれました。我々の国家は、類稀な勇敢さ、断固たる決意、信念、燃えるような独立心、そして鋼のように強固な意思を持った男女によって建国、定住、開拓されました。そして数世紀が過ぎた今でも、ほとんど何も変わっていません。

 

アメリカ人は、全ての男女が平等に作られ、我らが創造主により、明白で奪うことができない権利を生まれながらに授かっていると信じています。その権利とは、生命、自由及び幸福追求です。これら信念は何ら変わることはありません。(拍手)これらは、我々そのものです。これらは、我々が常にある存在そのものです。

 

そして我々は、民主主義の価値観、つまり個人の自由、信仰や道義心の自由、そして法の支配が、アメリカと世界の利益に貢献すると信じ続けています。その理由は、これらが、人が抱く強い願望を解き放ち、世界の全ての国や民族の間の関係を導くために、政府が持てる最善の形態であり、また将来にわたってどんな時もそうあり続けるためです。

 

米中関係において我々は多くの課題に直面していますが、ドナルド・トランプ大統領のリーダーシップの下において、アメリカ合衆国はこれら課題のせいで中国との実務的な連携が排除されることは許さないということを私は断言できます。

 

我々は、大幅に遅れているが、我々の経済関係を構造的に変革するために、中国と誠意を持って交渉を継続していきます。そして今朝、私はトランプ大統領から再び聞かされたのだけれども、彼は合意に至ることができると依然として楽観的です。

 

我ら両国の人々の間で、教育、旅行、そして文化交流を通して我々は絆を築き続けるでしょう。

 

中国とアメリカ合衆国はまた、北朝鮮の完全で最終的かつ検証可能な非核化を確実に手に入れるために、積極的な関与の精神で協力し続けるでしょう。

 

そして我々は、ペルシャ湾における軍備管理とアメリカによる制裁の実施に関してさらなる協力関係を求めていきます。

 

アメリカは、中国とのより良い関係を引き続き求めていきます。そして我々はそうするために、我々は率直に発言します。なぜなら、これはアメリカ合衆国と中国の両方ともがきちんと決着をつけなければいけない関係だからです。

 

アメリカは、中国との我々の関係を、根本的に再構築することを求め続けます。そしてドナルド・トランプ大統領のリーダーシップの下、アメリカはこの方針を堅持します。アメリカの国民および彼らが選出した両党の議員は、そう決意し続けます。我々は、我々の利益を守ります。我々は、我々の価値観を守ります。そして我々は、全ての人々に対する慈悲と善意の精神でそれを行います。

 

トランプ大統領は、習主席と強力な個人的関係を構築しています。それを基礎に、我ら両国の人々により良い暮らしをもたらすために、我々は我々の関係を強固にするための様々な方法を模索し続けます。

 

アメリカ合衆国と中国が平和で繁栄した未来を共に共有するために協力できるし、協力しなければいけないと我々は強く信じています。しかし、正直な対話と誠実な交渉だけが、その将来を現実のものにすることができるのです。

 

そのため、私が1年前のスピーチを締めくくったように、今日も私は同じように締めくくります。アメリカは、中国に我らの手を差し伸べています。そして我々はこう希望します。北京政府は、今回は言葉ではなく行動を伴って、そしてアメリカへの敬意を新たにして、その手を伸ばし返すことを。

 

中国の古い諺にこういうものがあります。「人々は今しか見ないが、天は未来を見ている」。我々が前進するために、決意と信頼を持って、平和で繁栄した未来を追求しようではありませんか。我々の経済と世界の中で我々が置かれた環境に対するトランプ大統領のリーダーシップとビジョンを信頼しましょう。彼が中国の習主席と築いている関係を信頼しましょう。そしてアメリカ国民と中国国民の間で培われてきた永続的な友人関係を信頼しましょう。そして天は未来を見ているということを信頼しましょう。そして神の恵により、アメリカと中国はそのような未来に共に出会えるだろうということを信頼しましょう。

 

ありがとう。みなさんに神の御加護を。そしてアメリカ合衆国に神の御加護を。(拍手)

 

終了

 

東海岸時間12:28 p.m. 

 

Photo via C-SPAN

 

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