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米フィデリティ投信が、ベビーブーマー世代にこれ以上株式へ投資をしないようアドバイス

米フィデリティ投信が、ベビーブーマー世代にこれ以上株式へ投資をしないようアドバイス

アメリカの投資信託会社であるフィデリティ投信(Fidelity Investments)が第3四半期の退職者向けレポートを発表した。その中で、ベビーブーマー世代(*)のクライアントに対して彼らの投資ポートフォリオに深刻なリスクがあると注意喚起を行なっている。ブルームバーグが報じている

フィデリティは、退職者たちが株式に過多に投資しているため、彼らのポートフォリオ・リスクがかつてないほど高まっており、そのため次に株式市場が暴落する際に退職者たちの投資資金が一斉に消えて無くなる深刻なリスクを孕んでいるとレポートの中で警鐘を鳴らしている。

(*)アメリカにおける「ベビーブーマー」の範囲については揺れがあるものの、概ね1946年から1964年頃までに生まれた世代を指す事が多い。これは、第二次世界大戦終結後からケネディ政権の時代に生まれた世代に当たる。(引用元:『ベビーブーマー

つまり、アメリカのベビーブーマーは、現在、55歳〜73歳頃の年齢層を指す。一方、アメリカの社会保障年金を全額受け取れる年齢は、徐々に上昇してきているが、現在は66歳2ヶ月となっている。満額の70%に割引かれた早期退職年金を受け取れる年齢は現在62歳。

フィデリティのレポートは、同社のベビーブーマー世代のクライアントの33%が、同社が推薦する投資配分の比率以上を株式に投資していると記している。

最近、各国中央銀行による量的緩和や株式の大量購入、企業による大量の自社株買い、そしてトランプ政権による米中貿易交渉が合意に至りそうだというニュース(ただし中国側は否定)により、株価が史上最高値を更新し続けている。そのため、フィデリティの年金世代のクライアントたちも、プロによるアドバイスを無視して株式投資の比重を高めてしまっているようだ。

フィデリティは、次の不況は遠くない将来に起き、株式市場は重大な株価の修正が行われることになりうるという危機意識を感じて警鐘を鳴らしている。高齢世代のクライアントたちが行なっている現在の投資配分比率は、その危険性に大きくさらされている。しかも、若者世代であれば、老後のために投資している資産が下落しても、実際に引き出すのは数十年後になるため、それまでに株価が十分回復し投資リターンも得られる可能性が非常に高い。しかし、すでに退職している高齢世代は、彼らの老後資金が株価の下落とともに目減りしてしまうと、株価が回復するまで待つ時間的余裕が残されていない。

しかしそれでもなお、高い投資リターンが期待できるのは株式だけと主張する人たちがいる。そのため、個人口座での資産運用に老後の生活を頼る高齢者たちは、安全資産とされる国債市場の利回りが十分ではないと感じている。

驚くべきは、フィデリティ信託のベビーブーマー世代のうち10%が、彼らの貯蓄の100%を株式市場に投資しているということだ。

トランプ大統領が言う「かつてない最高の経済(the greatest economy ever)」を信じて高い利回りを欲深く追い求めているとしたら、フィデリティのベビーブーマー世代たちは投資の鉄則を見失っている。彼らは次に株式市場が大幅に下落する可能性にまったく準備できていない。今週ここでも報じたように、世界で最も金持ちの超富裕層たちは、既に市場の混乱に備えて投資先をリスク資産からキャッシュへと避難させている。

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