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香港政府が大学内に立てこもる学生たちから大学施設を奪回したい本当の理由

香港政府が大学内に立て籠る民主活動家の学生たちから大学施設を奪回したい本当の理由

ここ数日、香港政府は中国人民解放軍による支援を受けて、複数の大学敷地内に立てこもっている学生たちと戦争のような衝突を繰り返している。その様子を撮影した写真や動画がソーシャルメディア上にあふれている。

しかし、香港市内にある複数の大学の中で、香港警察は特に香港中文大学に明らかな狙いを定めており、最大の主戦場となっている。

香港中文大学が香港政府に狙われる理由はなぜか?

The Epoch Timesのタン・ジンギュアン記者は、答えは比較的簡単に推測できると指摘する多くの香港中文大学の学生たちは、香港警察の真の目的は、インターネットを掌握するためであると疑っている。香港で利用されているインターネット通信の99%が、香港中文大学のキャンパス内にあるインターネット・センターで処理されているからだ

11月12日、香港中文大学では香港警察が催涙弾とゴム弾を複数回発射し、放水銃で大量の水を学生たちに浴びせた。その報復として、学生たちはレンガや火炎瓶を警察官に投げつけている。この衝突で少なくとも60名の学生が負傷し、数名の学生は頭部を負傷している。現場にいた記者の1人もゴム弾を頭部に受け、意識を失ったと地元メディアが報じている。

香港中文大学の副総長であるロッキー・トゥアン氏は、平和協定を結ぶために警察と交渉しようと試みた。しかしトゥアン副総長も催涙ガスを浴びせられている。

香港警察が香港中文大学にこだわる理由について、多くの人々が疑問に思っている。香港にある大学のほぼ全てで、反政府のデモ活動が行われているからだ。香港警察は、香港中文大学のキャンパスを完全に統制下に置くことに非常にこだわっているように見える。

香港中文大学が特別な存在である理由は何か?それは、香港中文大学が、香港のインターネット相互接続センターである「香港インターネット・エクスチェンジ(Hong Kong Internet eXchange:HKIX)」のホスティングを行なっている大学であるということだ

HKIXは、香港中文大学のITサービスセンターが立ち上げた共同プロジェクトであり、このサービスを無料で提供している。現在は、香港中文大学財団による100%子会社のHKIX Limitedが運営している。

HKIXの役割は、香港域内で完結するインターネット通信を、米国やその他の国を経由しなくても地元でデータのやり取りができるようにするために、香港にあるISP(インターネット・サービス・プロバイダー)を相互接続することである。香港のインターネット通信の約99%が、同センターを経由している。Cloudflareによると、HKIXは、アジアの中で最大のインターネット相互接続点となっている。

香港中文大学の学生の多くは、警察がHKIXを狙っていると疑っている。なぜなら、HKIXを統制下におさめるということは、北京政府が香港のインターネットを閉鎖、もしくはインターネット通信を監視することを可能にすることを意味しているからだ。

現在の状況から考えると、香港政府は、インターネットを閉鎖するよりも統制する可能性が高い。もし警察がHKIXセンターを掌握してしまえば、理論上、HKIXセンターを経由する全てのメッセージは、途中で傍受され監視されてしまうことが可能となる。

すでに中国本土ではインターネットの監視と閲覧制限が厳しく行われていることを考えると、香港にも同様のインターネット監視体制を早急に導入しようと北京政府が考えていることは容易に想像がつく。北京政府にとって、香港での「内戦状態」を鎮静化することが、米中貿易戦争に合意するよりも喫緊の課題となっているようだ。

ここ数日、香港の大学キャンパスや市街地で繰り広げられている警察とデモ参加者との抗争の様子を、インターネット上で世界に発信している動画や写真の一部を以下に掲載する:

https://twitter.com/ThomasVLinge/status/1196188552612200451

https://twitter.com/lokinhei/status/1196054014481195010

https://twitter.com/ray_slowbeat/status/1196127479615782912

Screenshot via Twitter

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