米政府の徴兵登録サイトが訪問者の急増によりダウン:第3次世界大戦が起き徴兵制が復活するとの不安が米国民の間で広がる
先週金曜、イラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたカセム・ソレイマニ司令官が、アメリカ軍のドローン攻撃によりバグダッドの空港で殺害された。このニュースを聞いたアメリカ国民の中には、アメリカとイランの間で軍事衝突が起きるのではないかとの不安から、アメリカ政府が徴兵制を復活させるのではないかという憶測が広がった。
カセム・ソレイマニ司令官が殺害されたニュースが報じられると、連邦選抜徴兵登録庁(Selective Service System)のサイトは先週金曜、訪問者数が急増したためダウンする事態となっている。
https://twitter.com/Hipster_Trader/status/1213312685766520832
【訳】非現実的な見出し
召集令は発令されるだろうか?イランへの攻撃を受けて第3次世界大戦への恐怖(が高まる)
一方、グーグル上では、米国東海岸時間で金曜の午前10時頃、「軍の召集年齢(military draft age)」や「イラン(iran)」、「第3次世界大戦(world war 3)」、「米国 召集(us draft)」、「召集免除(draft exemption)」、「召集要件(draft requirements)」、「第3次世界大戦は起きているのか(is there a ww3)」という検索キーワードが急増し、それ以降、増えた状態が続いている。
ツイッター上でも、#WWIII、#WorldWarThree、#WW3Memes、#WorldWarThreeDraftといったハッシュタグがトレンド入りした。
米軍が、イラン周辺の米軍基地へ最大3500人の兵士を追加派遣する発表を行ったことも、アメリカ国民の間での不安を高める原因となった。
連邦選抜徴兵登録庁(Selective Service System)のサイトには、先週金曜から多くの訪問者が集中したため、同サイトはダウンしたとブルームバーグは報じている。これを受けて同庁は次のようにツイッターで声明を発表している:
Due to the spread of misinformation, our website is experiencing high traffic volumes at this time. If you are attempting to register or verify registration, please check back later today as we are working to resolve this issue. We appreciate your patience.
— Selective Service (@SSS_gov) January 3, 2020
【訳】誤った情報が拡散したことにより、現在、我々のウェブサイトには多くのアクセスが集中している。(兵役の)登録を試みている、もしくは登録内容を確認したい場合、今日もうしばらくしてから再度サイトへアクセスするように。この問題を解決するために我々は現在、作業を行っているところである。理解いただけることに感謝する。
さらに連邦選抜徴兵登録庁は次のツイートを発信している:
The Selective Service System is conducting business as usual. In the event that a national emergency necessitates a draft, Congress and the President would need to pass official legislation to authorize a draft. pic.twitter.com/M4tY2dLoX1
— Selective Service (@SSS_gov) January 3, 2020
【訳】連邦選抜徴兵登録庁は、通常通りの運営を行っている。国家的な緊急事態により(兵の)徴兵が必要となる場合、連邦議会および大統領は招集令(の発令)を許可するために正式な法令を可決する必要がある。
アメリカにおける徴兵制は1973年に廃止された。しかし現在でも、12歳〜25歳であるアメリカ人男性は、自らの最新情報を連邦選抜徴兵登録庁に通知することが義務付けられている。
現時点ではアメリカ政府が徴兵制を復活させる可能性は低い。しかし中東において米国とイランの間の緊張が高まれば、連邦議会および大統領が、次の大戦を見越して徴兵制を復活させる可能性はゼロとは言えない。
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