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「米国政府の諜報機関や治安当局は自国民に対して“情報戦”を仕掛けている」=独立系ジャーナリストたちが議会公聴会で証言——「ツイッター・ファイル」の公開に関わるタイビ氏、シェレンバーガー氏らが暴露

議会で証言を行うマイケル・シェレンバーガー氏(Screenshot via House Committee on the Judiciary)

マイケル・シェレンバーガー筆|3月9日掲載|Public掲載

(太字強調はBonaFidr)

 

【記事タイトル】暴露:米国の秘密の検閲産業複合体

米国政府関係者、政府機関、そして(政府の)請負業者が憲法修正第1条(「言論の自由」条項)を侵害している

 

友よー

 

この3ヶ月間、レイトンと私を含む独立系ジャーナリストの小さなグループは、「ツイッター・ファイル」のおかげで、米国政府機関の圧力を受けた複数のソーシャルメディア・プラットフォームがいかに一般のアメリカ人を検閲し、偽情報を拡散してきたかを暴露しました。

 

本日午前10時(米国東部時間)、ジャーナリストのマット・タイビと私は議会で証言し、米国における秘密の検閲産業複合体の存在を明らかにします

 

私たちが発見した内容はショッキングなものです。米国政府機関と政府の請負業者たちから成る高度に組織化されたネットワークは、ブラックリストを作成し、複数のソーシャルメディア企業にアメリカ国民を検閲するよう圧力をかけています。多くの場合、アメリカ国民が知らないところでその検閲を行っています。

 

私たちや他の人々は、この複合体の行動(偽情報キャンペーンを含む)の一部についてすでに報告してきました。しかし、その検閲の度合いは、ごく最近まで私たちには知られていませんでした。そして、同じくらい重要なことは、この複合体が偽情報の拡散と検閲の要求を同時に行う方法を、私たちが今ようやく理解しているということです。

 

68ページに及ぶ私の議会での証言が示すのは、アメリカ政府の諜報機関や治安当局が、アメリカ国民に対して「情報戦」を仕掛けているということです。

 

私たちが書類で立証した行動(検閲行為)を、正当化しようとする人たちがいることを私は疑いません。彼らは、このような検閲は「偽情報と戦う」ために必要だと言うでしょう。

 

しかし、私たちが書類で立証した国家主導の検閲行為には、道徳的な正当性も、法的な正当性もなく、ましてや、このように根本的に非アメリカ的な検閲産業複合体には、正当性はありません。

 

私たちの報告書を読んだ理性的な人なら誰しも、その政治信条がどうであれ、今起こっていることに恐怖を感じ、それを終結させることを求めるでしょう。

 

私たちが行う証言で、私たちは議会に対し、検閲産複合体への資金提供を直ちに打ち切り、それを直ちに解体するよう求めています。

 

民主主義は言論の自由に懸かっています。その両方が、攻撃を受けているのです。

 

マイケル

 

PS:私たちの発見事項をまとめた、私の口頭での証言の原稿は以下の通りです。みなさんがこの68ページ全文を読んでいただけることを期待します。この全文は以下の「ダウンロード」ボタンをクリックすればダウンロード可能です。

 

「検閲産複合体に関するシェレンバーガーの証言」ダウンロード

 

検閲産複合体

議会に対する私の口頭での証言

byマイケル・シェレンバーガー

 

ドワイト・アイゼンハワー大統領は、1961年の退任演説で、「軍産複合体により影響力が根拠なく不当に奪われてしまうこと」を警告しました。アイゼンハワーは、政府の請負業者と国防総省からなるこの「複合体」(または集団)の規模とパワーが、「我々の自由や民主主義のプロセスを危険にさらす」ことを恐れていました。それはどのようにでしょうか?「連邦政府が雇用することによって国の学者を支配し、(研究)プロジェクトを割り当て、そしてお金の力」によってです。彼は、公共政策が「科学技術エリートによって囚われの身になる」ことを恐れていました。

 

アイゼンハワーが懸念したことは十分に根拠のあるものでした。今日、アメリカの納税者たちは、知らず知らずのうちに、アメリカの科学技術エリートが運営する検閲産業複合体の成長とパワーに資金を供給しており、それは私たちの自由と民主主義を危険にさらしているのです。私は、この証言を行う機会が与えられたことに感謝し、そしてアメリカ合衆国における国家主導の検閲という、衝撃的で不穏な事態が出現していることに警鐘を鳴らす機会を与えられたことに感謝しています。

 

「ツイッター・ファイル」、州司法長官たちによる訴訟、そして調査報道によって、アメリカ国民を積極的に検閲している政府機関、学術機関、非政府組織の大規模かつ拡大を続けるネットワークが明らかになりました。こうした検閲は、しばしばアメリカ国民が知らないところで行われています。そして検閲される争点は、コロナウイルスの起源、コロナワクチン、ハンター・バイデンのビジネス取引に関する電子メール、気候変動、再生可能エネルギー、化石燃料、その他多くの争点など多岐に渡ります。

 

私からいくつかの注意点をあげます。私たちが書類で立証できた範囲を超えて、どれほどの検閲が連携されているかはわかりませんし、私は推測することもしません。法律は、FacebookTwitter、その他の民間企業が、自社のプラットフォーム上でのコンテンツを管理(モデレート)することを認めていることを私は認識しています。そして、不正確で誤解を招くような情報に異議を唱えることを含め、政府が国民とコミュニケーションをとる権利を支持します。

 

しかし、政府関係者は、好ましくないユーザーやコンテンツを検閲するよう、ソーシャルメディア・プラットフォームに繰り返し働きかけていることが発覚しています。しばしば、こうした検閲行為は、ソーシャルメディア企業が存在するために必要な法的保護である「セクション230(通信品位法230条)」を脅かします。

 

ジョージ・ワシントン大学法学部のジョナサン・ターリー教授は次のように記しています――「もし政府関係者がこのような検閲を指示または促進しているとすれば、それは憲法修正第1条に関わる重大な問題を提起することになる」。政府が直接行うことを禁じられていることを、間接的にも行うことはできないというのは自明です。

 

さらに、米国政府は、次のようなニュースメディア組織やソーシャルメディア・プラットフォームをボイコットするよう、広告主に圧力をかける組織に資金提供を行っていることも分かっています――a)検閲を拒否する、尚且つ/または、b)陰謀説と根拠なく言われるものを含む偽情報を広めるニュースメディア組織やソーシャルメディア・プラットフォーム。

 

スタンフォード大学インターネット観測所、ワシントン大学(UW)、大西洋評議会のデジタル・フォレンジック・リサーチ・ラボ、そしてグラフィカ(Graphika)はいずれも、国防総省、CIA、その他の諜報機関との関係を十分に開示していません。彼らは複数の米国政府機関と協力して、他の数十の大学やシンクタンクの中に検閲の研究やその提唱活動を組織化しています。

 

これらのグループがどのように機能しているかを理解することは重要です。彼らは、オープンな意見交換の場で、自分たちに反対する人々と公に意見交換交していません。憲法修正第1条に制限を設けることについて、彼らは国民的な議論を求めているわけでもありません。むしろ、彼らは好ましくない人々のブラックリストを作成し、そしてソーシャルメディア・プラットフォームに圧力をかけ、甘言で丸め込み、そしてSNSプラットフォームがこれらブラックリストに載っている人々を検閲し、そうした人々の投稿が拡散されないよう操作し、さらにはバン(禁止)するよう要求しているのです。

 

こうした検閲者とは誰なのでしょうか?彼らはよくいるタイプです。真実と虚偽、善意と悪意を見分ける能力に過大な自信を持っているため、こうした「告げ口」タイプの人たちの本能とは、教師に文句を言うことであり、そしてもし教師がそれに従わない場合は、その上にいる校長に文句を言うことです。このようなやり方は、中学校や多くのエリート大学では有効かもしれませんが、自由とは相容れないものであり、それは権力の乱用です。

 

これらの組織や他のところもまた、しばしば「ファクトチェック」と見せかけて、独自の影響力を行使する工作を行っています。検閲複合体の知的指導者たちは、ジャーナリストやソーシャルメディアの幹部たちに、正確な情報は偽情報であり、有効な仮説は陰謀論であり、自己検閲を強めればより正確な報道ができると信じ込ませています。多くの場合、ソーシャルメディアの投稿に“レッテル貼り”をするなどの検閲は、事実情報の信用を落とすことを目的とした影響工作(印象操作)の一部です

 

検閲産業複合体は、確立された心理操作手法(その一部は米軍が対テロ世界戦争中に開発した)と、人工知能を含むコンピュータサイエンスの高度なツールとを組み合わせています。検閲産業複合体の指導者たちは、インターネットやSNSプラットフォームがポピュリスト、主流派に取って代わるオルタナティブ、そして(社会・政治の)過激派に属する人物や意見に力を与えてしまうという恐怖に突き動かされています。彼らは、そうした人物や意見は不安定化させるものと考えています。連邦政府の役人、政府機関、政府の請負業者たちは、ISISの勧誘者やロシアの『ボット』との戦いから、一般のアメリカ国民や好ましくない公人を検閲しSNSプラットフォームから追放することに(その戦うべき対象を)移行しました。

 

重要なのは、軍用レベルの政府監視や発言否定テクニックを導入するための基準が、これまでの「テロ対策」から、「過激派対策」へ、そして単なる「誤情報対策」へと移行して(ハードルが下がって)いるということです。政府はもはや、みなさんの政治活動に反撃するために政府資源を投入するのに、みなさんをテロリストや過激派と呼ばないといけないという前提条件を必要としなくなりました。前提条件として必要なのは、あなたがソーシャルメディア上で表明した意見が間違っていると断言すればいいだけです。

 

こうした取り組みは、従来の報道機関への影響力行使や指示にまで及んでいます。1971年に、ベトナム戦争に関する機密の「ペンタゴン・ペーパーズ」を公開するためワシントンポストとニューヨークタイムズが選ばれて以来、ジャーナリストたちは、たとえそれが盗まれたものであっても、その内容が公共の利益になるのであれば、リーク文書について報道するのが職業上の義務であることを理解していました。しかし2020年、アスペン研究所とスタンフォード大学のサイバーポリシーセンターは、ジャーナリストたちに「ペンタゴン・ペーパーズの原則を破れ」とせき立て、「偽情報」の拡散を防ぐためにリーク情報を報道しないよう強く要求しました。

 

政府から出資を受けた検閲者たちは、彼らが検閲を要求することを正当化するため、実世界に危害が及ぶことを防止するためだと頻繁に口にしますが、検閲者たちは、最高裁が定義するよりもはるかに広く「危害」を拡大解釈しています。事実、検閲者たちは実に広範に「危害」を定義したため、例えば(人々が)「ワクチン接種をためらう」のを防ぐために、コロナワクチンに関する正確な情報をFacebookが検閲することを彼らは正当化しました明らかに彼らの目的は、真実を守ることではなくむしろ大衆を説得することです。開かれた議論と自由な意見交換を行う目的は、まさにそれです。

 

そして、ますます検閲者たちは、政府、産業、ニュースメディア組織を「正当化しない」情報を制限することが彼らの目的だと言います。この指令は、選挙で選ばれた議員から、制度、法律にいたるまで、体制のいかなる部分に対する批判でも簡単に検閲してしまうほど広範囲に及んでいます。この極端で反動的な態度は、はっきり言って、非アメリカ的です。

 

議会は、検閲者たちへの資金提供を直ちに打ち切り、その活動を調査すべきです。第2に、議会は、(SNS上の)コンテンツ・モデレーションに関して、ソーシャルメディア幹部、政府職員、そして政府の請負業者間で行われたすべての会話を、即時報告するよう義務付けるべきです。第3に、議会は、ソーシャルメディアプラットフォームが検閲、(ユーザの)排除、プロパガンダの拡散を行うために与えられた幅広い許可を制限すべきです。

 

議会が何をしようと、アメリカ国民は政府の検閲という脅威に目を覚ますことがその責務です。アイゼンハワーは次のように述べています――「警戒心と知識のある市民だけが、巨大な防衛産業・軍事機構と、我々の平和的方法と目標とが適切に結びつくよう強制することができる。安全保障と自由とが共に繁栄できるように」。

 

(シェレンバーガー氏の証言はここまで)

一方、マット・タイビ氏とマイケル・シェレンバーガー氏の議会証言を受けて、民主党の有力議員、ステイシー・E・プラスケット議員は、両氏のことを「いわゆるジャーナリスト」と三流記者扱いし、また彼らの証言は危険であり脅威」と猛烈に批判している。

 

プラスケット議員は、共和党が「イーロン・マスクの二人の『公的書記官』」を連れてきて、「政治的利益のために、彼(イーロン・マスク)が選んだストーリーを宣伝するために作られた、脈絡のないメールとスクリーンショット画像を公開した」と主張した。

【訳】ステイシー・プラスケット下院議員(民主党-バージン諸島)は、マット・タイビとマイケル・シェレンバーガーを「いわゆるジャーナリスト」と呼んだ。

この動画の直後、さらにプラスケット議員は次のように発言した:

この2人の証人は、彼らに反対する人々にとって直接的な脅威を与える。そんな証人をあなた方(共和党)は呼んだと私は言っている。私はそれを誇張で言っているのではない。

下院司法委員会の委員長である共和党のジム・ジョーダン議員(オハイオ州)は、彼女が行った非難に対して次のようにコメントしている:

あなたがさきほどおっしゃったことはクレイジーですよ。

あなたは、何が起こったかを人々に見られたくないんですね。

完全な画像、透明性。あなたはそれを望んでいないんだ。そして、バイデン政権の連邦取引委員会(FTC)がその書簡で個人的に名前を挙げている2人のジャーナリストを、あなたは望んでいない。彼らは、自分たちは役に立つため、そして自分たちの話をするためにここに来たと言っています。率直に言って、バイデンのFTCからの書簡で名指しされても彼らが進んでここに来たということは、彼らは勇敢な人物だと思います。

そしてタイビ氏は「いわゆるジャーナリスト」と呼ばれたことに次のように反論している。

【訳】タイビが反撃:「私は、いわゆるジャーナリスト、ではありません。私は『全米雑誌賞』や『I.F.ストーン賞』で独立ジャーナリズム賞を受賞し、10冊の本を書いています」。

同じく独立系ジャーナリストのグレン・グリーンウォルド氏は、この公聴会での火花散るやりとりに次のようにコメントしている:

【訳】民主党にとって「ジャーナリスト」の定義:民主党全国委員会(DNC)の主張を無批判にそして忠実に宣伝する人という意味。

 

マット・タイビのことを「いわゆるジャーナリスト」と呼んだ出任せの議員メンバーに対する彼の反応:

この公聴会の動画はここで全編視聴できる。

 

【動画タイトル】連邦政府の武器化に関する公聴会

 

アイゼンハワー大統領による退任演説:

 

 

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