YouTubeの最高製品責任者が権威のないコンテンツへは「シャドーバン」を行っていることを明かす
YouTubeの最高製品責任者であるニール・モーハン氏は、YouTubeに動画を投稿する一般ユーザたちを「地下室に住む住人」と侮辱し、「権威ある」主流の情報源を優先表示させるアルゴリズムによって一般ユーザのコンテンツが低く表示されるのは当然だと発言した。Summit Newsがこれを報じた。
Protocolの編集長であるデービッド・ピアース氏とのインタビューの中で、モーハン氏はこの発言を行った。ピアース氏は、様々な衛生当局がコロナウイルスに関するアドバイスを頻繁に変更している状況にあって、YouTubeはコンテンツを管理(モデレート)するためのアプローチを変更する必要に迫られているかと質問し、モーハン氏はこのように発言した。
モーハン氏は、これこそがYouTubeが「権威ある声(の音量を)を高めている」理由だと語った。「権威ある声を高める」とは、すなわち主流メディアや権威ある組織に属さない人々の声を抑圧しているということの裏返しである。しかし、コロナ・パンデミックが発生し、主流メディアに対する一般大衆の信用は以前よりもさらにいっそうガタ落ちとなっている。
そしてモーハン氏はこのインタビューの中で、YouTubeのユーザを「地下に住む住人」と侮辱する発言を行っている:
例えば、マスクについて自分が信奉する意見を自宅の地下室で語る人とは対照的に・・・これ(YouTubeの上位に表示されるコンテンツ)は権威あるチャンネル、ニュース源、プロの医療従事者から発信されている。こうした場合、我々は、マスクに関する質問に関連したなんらかの文脈が提供されているだろうと考える。そしてたとえ(マスクに関する)ガイダンスが変更されたとしても、権威ある声もしくはチャンネルの発言には、その変更が同様に反映されるだろう(と我々は考えている)。
さらに、モーハン氏は、主流のメディアや組織ではないチャンネルのコンテンツが、アルゴリズムによっていかに「シャドーバン」されているかを明らかにしており、「(主流チャンネルと)同じレベルの権威付けが行われていない動画は、削除もしくは再生回数を減少させている」と語った。
こうしたコンテンツの「シャドーバン」を行っているYouTubeに対して、Summit Newsは次のように批判している:
もちろん、彼らが言う「権威ある」情報源のコンテンツがYouTubeでよく視聴されている唯一の理由は、YouTubeがそのアルゴリズムを不正操作することで、そうした「権威ある」チャンネルの動画を極端に有利に上位表示する一方で、YouTubeを(大企業に)成長させてきたまさにそのユーザたちをごみの山に捨てているからだ。
先月、YouTubeのスーザン・ウォジスキー社長は、武漢ウイルスについて国際保健機関(WHO)の見解と対立する動画は全て削除すると語っている。
インターネット上での言論規制に反対する活動『Reclaim The Net(ネットを取り戻そう)』を主導しているトム・パーカー氏は次のように述べている:
モーハンの発言は、コロナウイルスやニュース報道に関してYouTubeがどのような変更を行ってきたかの典型的な例を示している。そしてそれは、たとえYouTubeが(裏で密かに)声の音量を上げている主流メディアの報道機関が誤報を繰り返しているという履歴があるにもかかわらず、個人のクリエイターたちが最新のニュースを扱うことをほぼ不可能にしている。
先月、米国では長年感染症の治療にあたってきたカリフォルニア州の2人の医師が、現在行われている自宅待機命令がいかに非科学的であるか説明し、こうした自宅待機命令は不要であると主張する動画をYouTubeに投稿した。その動画は500万回以上再生されたが、YouTubeは「サービス規約違反」という理由でこの動画を削除している。
Is it just me or did @YouTube take down Dr. Erickson's viral video with 5 million views? https://t.co/eNjJ0e7K34
— Daniel Horowitz (@RMConservative) April 28, 2020
【訳】これは僕にだけ起きてる?それとも、YouTubeはエリクソン医師の口コミで広がった500万回再生された動画を削除した?
削除された動画の一部は、YouTubeに再アップされている:
https://twitter.com/carblessness/status/1254955703275606016
そしてYouTubeがこの動画を削除した翌日、この二人の医師はFOX Newsに出演してインタビューに答えている。
YouTubeの最高製品責任者であるモーハン氏は、「これ(YouTubeの上位に表示されるコンテンツ)は権威あるチャンネル、ニュース源、プロの医療従事者から発信されている」と語っている。カリフォルニア州のプロの医療従事者が発信した動画を削除した行為とこの発言は矛盾している。結局、YouTubeは「権威ある情報」を優先表示させると言いながら、誰にその「権威」があるかはYouTube自身が恣意的に判断しているということだ。
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