欧州医薬品庁はアストラゼネカ製ワクチンの安全性を確認——しかしノルウェーの公衆衛生部門トップは同ワクチンが引き金となって稀な血栓ができたと調査結果を明かす
欧州医薬品庁(EMA)は、3月18日(木曜)、アストラゼネカ製ワクチンの安全審査の結果を発表し、同社製ワクチンはいかなる副反応をも上回るメリットがあることを確認したと発表した。
稀な血栓が発生した事例を調べた結果、欧州医薬品庁はアストラゼネカ製ワクチンが「安全かつ効果があり」、「いかなる血栓とも関連していない」と結論付けている。
欧州医薬品庁の事務局長であるサビーン・ストラウス(Sabine Strauss)博士は、先週、1人目の血栓の事例が報告されてから、同庁は懸命に対応してきたと語った。科学者たちは、疑われている出荷分のワクチンを検査し、さらに副反応が疑われるケースと1100万回以上のワクチン接種母集団とを比較調査した。その結果、彼らはアストラゼネカ製ワクチンは十分安全であると結論付けている。
ただし、ストラウス博士は、「いくつかのケース」で血栓が発生しており、中には脳に血栓が発生したケースも欧州医薬品庁は目にしていることを認めている。こうした症状は、血小板の減少と関係していた。しかし、同庁は、決定的な関連性を立証するための十分な証拠を持っていない。この日、記者会見を行ったストラウス博士たちは、こうした血栓が発生した事例は非常に稀であると強調した。
欧州医薬品庁による安全審査の結果発表を受けて、アストラゼネカ製ワクチンを一時中断していた欧州の国々のほとんどが、即刻ワクチン接種を再開することにゴーサインを出している。
欧州医薬品庁による記者会見の動画:
一方、オランダの規制当局は、ワクチンと血栓の間に関連性があるかどうかを確認するには十分な時間がないとし、より慎重な対応を示している。
さらに、この日の欧州医薬品庁による記者発表が行われるわずか数時間前、ノルウェーの公衆衛生部門トップを務める医師で教授のポール・アンドレ・ホーム(Pål Andre Holme)医長が、ノルウェーの全国紙VGに独自の調査結果を語った。
ポール・アンドレ・ホーム医長は、アストラゼネカ製ワクチンの接種を受けた医療従事者3名(いずれも50歳以下)に、同様の稀な血栓が発生したケースを調べる任務を負っていた。ホーム医長は、調査の結果、これら医療従事者に副反応を引き起こした原因は、アストラゼネカ製ワクチンが引き金となって作用したという新仮説を導き出している。
「我々の患者の症状を引き起こした原因を発見した」と、医長で教授のポール・アンドレ・ホームは、本日、ノルウェーの全国紙VGに発表した。
彼は、50歳以下の3人の医療従事者が、アストラゼネカ製ワクチンの接種を受けた後に、なぜ血小板が減少して深刻な血栓を発症し、入院することになったのか、その原因を突き止める作業を主導した。その医療従事者のうち1名は、月曜に死亡した。
彼ら専門家チームは、予想外の強力な免疫反応を引き起こしたのは、実はこのワクチンだったのではないかという仮説について作業を行ったが、今回、その仮説が裏付けられたと彼らは確信している。
ホーム医長は次のようにVG紙に説明している。
「これは、ワクチンによって引き起こされた可能性が最も高い強力な免疫反応であるという私たちの仮説が見出された。北ノルウェー大学病院のこの分野の専門家との共同研究により、このような反応を引き起こす可能性のある血小板に対する特定の抗体を発見した。そして、他の医学分野ではわかっていることだが、その後、医療用医薬品がその副反応の原因であることがわかった」。
ホーム医長は、この説はまだ仮説に過ぎないことを認めているが、3人の患者全てにこのような激しい免疫反応を引き起こす可能性があるものは他になく、ワクチンだけが3人の共通因子だったと断言している:
我々には根拠がある。ワクチン以外の何も、なぜ彼ら3人がこの免疫反応を引き起こしたのか説明できない。・・・
このような強力な免疫反応を起こす病歴は、彼らには一切ない。我々が発見した抗体が原因であると私は確信している。また、この引き金となったのはワクチンであるという以外に説明できるものはないと私は考えている。
一方、大西洋を隔てた反対側の米国では、新たに感染が確認された患者数が再び増加に転じており、大体1日に平均5万5000人の新規感染者が確認されている(ただし死者数は減少傾向にある)。しかも、ワクチン接種率が高い13州で、先週、新規感染者数が急増している。
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