デンマークはアストラゼネカ製ワクチンを永久に利用停止 米国はジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチン接種を一時中断
デンマークは、安全性の審査を行った結果、アストラゼネカ製のコロナワクチンを永久に利用停止にすると発表した。地元紙のBerlingskeが4月14日(水曜)に報じた。
デンマークは、欧州の中でワクチンの安全性に関して最も危機感を持っている国の一つ。Berlingskeによると、今回の利用停止の判断は、血小板の数値が低い患者の間で珍しい血栓や出血といった深刻な反応が数ケース発生し、それが同社製ワクチンと関係していると報じられたため。
一方、米国では、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンを接種した6人の女性に、同様の珍しい血栓ができる副反応が発生し、内1名が死亡した。これを受けて、4月13日(火曜)、米食品医薬品局(FDA)は全米の各州に対して同社製ワクチンを一時利用停止する勧告を行っている。FDAによるこの勧告を受けて、アデノウイルスベクターの技術に基づいて開発されているすべての種類のコロナワクチンに対して、改めて精密な調査を求める声が高まっている。
FDAによる公式ツイート:
Today FDA and @CDCgov issued a statement regarding the Johnson & Johnson #COVID19 vaccine. We are recommending a pause in the use of this vaccine out of an abundance of caution.
— U.S. FDA (@US_FDA) April 13, 2021
【訳】本日、FDAとCDCは、ジョンソン・エンド・ジョンソン社のCOVID-19ワクチンに関する声明を発表した。我々は、慎重を期してこのワクチンの利用を一時停止することを勧告する。
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アストラゼネカ製ワクチンは、3月11日に60歳のデンマーク人女性がワクチンを接種した直後に死亡したため、同国では利用が保留となっていた。この女性は、内出血、血小板数の激減、そして血栓に冒されるという、非常に珍しい症状を発症し死亡した。同様の症例がEU全域で約30数件報告されている。
少なくとも昨日までは、医師たちは脳血栓が非常に稀な副作用であり、アデノウイルス・ワクチンに対する免疫系のランダムな反応の結果であると説明していた。
WHOと欧州医薬品庁(EMA)は、コロナワクチンを使用することのメリットはリスクを上回ると繰り返し主張しているが、EMAもまたワクチンと稀な副反応との間に関連性がある可能性を認めていた。これまでに、アストラゼネカ製ワクチンとJ&J製ワクチンの接種を受けた患者たちの間で、この珍しい副反応が確認されている。
13日(火曜)、ピーター・マークス博士は、米国の規制当局が、アストラゼネカ社、J&J社、およびロシアの「スプートニクV」のワクチンで使用されたアデノウイルス・プラットフォームをより詳細に調査していると述べている。
これまで、デンマークとノルウェーは、アストラゼネカ製ワクチンをさらに調べるために一時停止措置を続けていた。しかし今回、デンマーク当局は、自国でのワクチンの使用を永久に停止するに足る十分な証拠があると判断した。
この決定は、デンマークにおけるワクチン供給スケジュールに大きな影響を与えることは必至であり、デンマーク政府当局は、水曜、全人口へワクチンを供給するにはさらに追加で3ヶ月かかるだろうと見積もっている。
一方、これと同じ日、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は、欧州大陸で1億回のワクチン接種を達成したと高らかに発表している。
Today we have reached 100 million vaccinations in the EU. A milestone we can be proud of!
— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) April 14, 2021
We are also accelerating the delivery of vaccines.
We spare no effort to ensure that Europeans can be vaccinated as fast as possible. #StrongerTogether
https://t.co/eK09vYhcnG
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