米株式市場が急落——バイデン政権による高額所得者に対するキャピタルゲイン増税案がメディアにリークされる
米国時間の4月22日(木曜)午後、ニューヨーク株式市場が急落した。きっかけは、2020年の大統領選挙戦の時からバイデンが公約に掲げていた、高額所得者に対する増税案の詳細がメディアにリークされたため。特に今回、高額所得者に対するキャピタルゲイン増税計画の詳細がメディアにリークされた。
キャピタルゲインとは?
キャピタル・ゲイン(英: capital gain)とは、債券や株式、不動産など資産価値の上昇による利益のことを言う。
(出典:WikiPedia)
ブルームバーグ通信の報道によると、ジョー・バイデンは高額所得者に対するキャピタルゲイン税率を現在のほぼ2倍となる39.6%に増税することを提案する予定。これは、投資収益に対する既存の付加税と併せると、投資家の連邦税率は最高43.4%にもなる。バイデン政権による提案内容を知る複数の人物からの話として次のように報じられている:
この計画では、100万ドル以上の所得がある人たちへのキャピタルゲイン税率を、現在の基準率である20%から39.6%に引き上げるとしている。この計画はまだ公開されていないため、匿名を条件にこれらの人物は語った。
また、オバマケアの財源となっている投資収益に対する3.8%の課税は維持され、金融資産の収益に対する税率は、給与所得(就労所得)に対する最高税率よりも高くなると彼らは語った。
この提案は、投資収益に対する課税が就労所得に対する課税よりも低いという、長年にわたる税法の規定を覆す可能性がある。バイデンは、高額所得者に対するキャピタルゲイン課税と所得税の税率を等しくすることを選挙戦で訴え、富裕層の多くが中流階級の労働者よりも低い税率なのは不公平だと語っていた。
税率の高い州に居住する人が100万ドルの所得がある場合、キャピタルゲインに対する税率は50%を超える可能性がある。
ニューヨーク州民の場合、州と連邦を合わせたキャピタルゲインの税率は最高52.22%にもなる。カリフォルニア州では56.7%にもなる可能性がある。
(太字強調はBonaFidr)
この報道を受けて多くの投資家たちが一斉に株式を売却しようとしたため、この日の株価の急落につながっている。しかし増税を回避するのはすでに手遅れである可能性がある。というのも、バイデンが提案する増税案は、2021年の所得分に遡って適用される可能性があるためだ。(今年1月時点の報道では、バイデン政権は増税を事後法にすることは積極的には検討していないと報じられている。一方、先週、ワシントンポスト紙は、バイデン政権と連邦議会が増税を遡って適用することはあり得ると報じている。)
しかし超富裕層にはちゃんと法の抜け穴が用意されている。バイデン政権の増税案は、タックスヘイブンとして知られるケイマン諸島など、オフショアにある租税主体であるヘッジファンドを通して行われる投資活動には適用されない。
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