米マサチューセッツ州でアンドロイド携帯電話が「コロナ追跡アプリ」を強制インストール
米マサチューセッツ州で、Android(アンドロイド)スマホを使っているユーザたちが、同意していないにもかかわらず、コロナ追跡アプリを強制的にインストールされたと訴えている。Ars Technicaなど複数メディアが6月21日(月曜)に報じた。
多くの人たちが、同意していないにもかかわらず、マサチューセッツ州公衆衛生当局のコロナ追跡アプリ『MassNotify』が彼らのスマートフォンにインストールされていると訴えている。その名前の一部「Mass」には、「マサチューセッツ州」という意味と「大衆」という意味がある。
このアプリは、人々の移動を追跡し、新型コロナウイルス(武漢ウイルス)に曝露した可能性がある場合、ユーザに通知する。
グ−グル・プレイ・ストアで、ユーザたちはこのアプリの評価ページに次のように投稿している:
承諾なしに自動的にインストールされた。これにはアイコンがなく、それを開く方法も、それが何をしているのかを確認する方法もない。そのこと自体、大きなレッド・フラッグ(危険信号)です・・・これはスパイウェアであり、公衆衛生局のフィッシング(詐欺)だと私は思う。
別のユーザは次のように投稿している:
承認なしに強制的にインストールされた。アンインストールできないようにアプリを端末の中に隠している。政府の越権行為と企業による共犯関係は決して許されるものではない。
(太字強調はBonaFidr)
また別のユーザは次のように投稿している:
・・・倫理違反のプライバシー侵害と個人の財産に対する強引な横領行為・・・私のデータがどの程度収集されているのか、またどのように配布されているのかは、アクティブな形でも非アクティブな形でも開示されていません・・・私が結論づけられるのは、これ(このアプリ)はあなたの居場所や連絡先を許可なく開示しているということであり、他の人にそう注意を促すことしかできません。
(太字強調はBonaFidr)
またとあるユーザは、Hacker Newsに次のように語っている:
(グ−グル)プレイ・サービスがこのような種類のバックドアを備えているというのは完全な狂気。これは明らかに意図的な・・・脆弱性だと私はみなす。
ネット掲示板Redditや、Hacker News、そしてアプリの評価ページで、数多くのユーザがこのアプリは知らない間にインストールされていたと声を上げたことを受け、グ−グルはメディア各社に次の声明を発表している。しかし、「自動配信」されたこのアプリがユーザの同意なくインストールされたのかについては肯定も否定もしていない:
ユーザーがAndroid端末の設定から直接、曝露通知システムを起動できるようにするため、当社はマサチューセッツ州公衆衛生局と協力しています。この機能は端末の設定に組み込まれており、グ−グル・プレイ・ストアによって自動的に配信されるため、ユーザは別途アプリをダウンロードする必要はありません。COVID-19曝露通知は、ユーザが能動的にオンにした場合にのみ有効となります。この機能を有効にするかどうか、また、曝露の可能性を他人に警告するためにシステムを通じて情報を共有するかどうかは、ユーザーが決定します。
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コロナ・パンデミックを言い訳にして、国民を監視しようとするアプリやITシステムが各国、各地方政府によって進められている。
例えば、英国政府はコロナ・ワクチンの接種をしたことを証明する「ワクチン・パスポート」のシステム開発を、将来的に「国民ID」として転用することを提案しているIT開発業者Entrustに、25万ポンド(約3800万円)で発注したと報じられている。
バイデン政権もまた、「チャイナの監視システムに不気味なほど似たコロナ追跡アプリ」を検討していると今年3月に報じられている。
ニューヨーク州のクオモ知事(民主党)が試験運用しているワクチン・パスポートは「プライバシー問題だらけ」であり、氏名、生年月日、郵便番号さえ入力すれば誰でもその人のワクチン接種履歴を閲覧できる状態であると指摘されている。
一方、フロリダ州のデサンティス州知事(共和党)は、ワクチン・パスポートを導入することを禁止する行政命令を今年4月に発令している。
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