「コロナパンデミックの発生源は研究所からの漏洩だった可能性が最も高い」米エネルギー省が機密情報を基に結論づける=WSJ紙が報道——ロシア・ウクライナ戦争の影響で米中間の緊張が高まるそぶり?
米エネルギー省は、ホワイトハウスと連邦議会の上層部に提供された機密報告書を引用して、新型コロナウイルスは研究所から漏洩した可能性が最も高いと結論づけた――ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が2月26日(日曜)にスクープ報道した。(有料記事)
WSJの記事タイトル:
Covid-19パンデミックの起源は実験室からの漏出である可能性が最も高い、とエネルギー省が述べる
米政府機関によるこの改定評価は新たな諜報に基づいている
情報源の人物は、WSJに対して次のように語ったと伝えられている:
エネルギー省は、コロナパンデミックは実験室の漏洩から発生した可能性が最も高いと結論付けました。
エネルギー省はこれまで、新型コロナウイルスの起源について断定することを避けていた。今回報じられた結論は、新しい諜報に基づいて改定された評価となる。しかし、エネルギー省の機密報告書を読んだ人々によれば、同省はこの最新の見解について「低い信頼性」と表示することで、自ら「保険」をかけヘッジしているという。
新型コロナウイルスがチャイナにある武漢ウイルス研究所(BSL-4研究施設)から漏洩したものであるという疑惑については、ビッグ・テック企業と米国政府による検閲工作を受けながらもその見方はますます支持を得るようになっている。
昨年夏、チャイナ政府をずっと擁護してきたWHOですら、その態度を一変し、実験室からの漏洩の可能性を認めている。昨年秋、米議会の上院健康教育労働年金委員会は、「新型コロナのパンデミックは武漢にある研究所と関係した研究関連の事故による結果であることを、相当の証拠が示している」と指摘した。そしてFBIやその他の諜報機関が武漢ウイルス研究所について捜査している。
エネルギー省はFBIと同様に、コロナパンデミックの起源がチャイナの研究所での漏洩に起因するとの見解を表明している。他の4つの政府機関と国家諜報委員会は、このウイルスが自然感染の結果である可能性が高いとまだ考えており、他の2つの政府機関は結論未定であるとWSJは伝えている。
エネルギー省のこの報告書が特に重要視される理由は、同省が米国にある複数の国立研究所を監督する機関であり、その中にはBSL-4の研究施設が含まれるためである。
■ 研究所漏洩説は「間違いであることが証明された陰謀論」と言い続けた主流メディア
アメリカでは、主流メディアは政府や諜報機関のプロパガンダ機関という本性があらわになって久しい。しかし研究所漏洩説を「陰謀論」とバッシングし否定し続けた主流メディアに対して、改めて批判が起きている。
「ツイッターファイル」を公表している一人、マイケル・シェレンバーガー氏のツイート:
【訳】米国エネルギー省がFBIと同様に、コロナウイルスは研究所から漏れた可能性が高いと結論づけた今、メディアが一斉に研究所からの漏出説を「論破された陰謀説」として非難し、それを恐れずに示唆する人々をフェイスブックが検閲したことを思い出す価値がある。
【訳】(保守系メディア)デイリー・コーラーズのダイアナ・グレボワは、ファウチ博士にコロナの起源を調査するために何をしたのか尋ねようとしたが、ジャン=ピエール(当時ホワイトハウス副報道官)は彼女の質問を中断した。
別の記者は、ダイアナにその質問をさせないよう彼女を怒鳴る。
当初から研究所漏洩説の可能性を主張してきたトム・コットン議員を、ニューヨークタイムズやワシントンポストは、2020年2月の記事で「非主流派/過激派の説」とこき下ろしていた。
元FOXニュースのカイル・ベッカー記者が、当時の記事の画像を投稿している。
【訳】NYタイムズとワシントンポストさん、おはようございます。
これってあなたたちですよね?👇
ジョージワシントン大学ロースクールのジョナサン・ターリー教授(弁護士)は、コロナの研究所起源説の問題は、科学ではなくメディアと政府が共謀して情報検閲を行なったことがスキャンダルの本質だと指摘している。
FOXニュースのタッカー・カールソン氏は、これまで真実を隠蔽し、それに加担してきた人間たちを辛辣に批判した。
タッカー・カールソン:コロナウイルスの起源は決して秘密ではなかった。それを知っている人たちが、真実を嘘で塗り固めていたのです・・・
もしあなたがコメディアンだったとして、突然、あなたのカンペに政治家や外国政府から指示されたあらゆる話題が書かれていると想像してみてください…あなたは自分を貶め、歴史上最大の犯罪に加担したことになります。
■ 共和党議員たちの反応
下院司法委員会委員長のジム・ジョーダン下院議員:
【訳】つまり、本当のアメリカ(アメリカ国民)がずっと知っていたことに、政府が追いついたというわけだ。
強力な権力を持つ下院司法委員会を手中に収めた共和党議員たちは、新型コロナウイルスの出所や、政府とハイテク企業による検閲について調査を加速させている。
エリック・シュミット上院議員:
【訳】ファウチはこのことをすぐさま知っていたが、武漢の研究所に資金を提供していたため、これ(研究所漏洩説)をはねつけた。
次に何が起こったのか私たちは知っている――ファウチが(ビッグ・テックに)話をした後、ビッグ・テックが検閲を行った。
私は(ミズーリ州の)司法長官としてこの共謀を暴露した。そして私はこの種の検閲が二度と起こらないようにするつもりだ。
アンディ・ビッグス下院議員:
【訳】アメリカ国民は初日からこのことを知っていた。
残念ながら、ビッグ・テックとビッグ・ガバメント(大きな政府)が彼らを黙らせたのだ。
ケン・バック下院議員:
【訳】エリートや学者たちは、コロナウイルスの起源について正当な疑問や懸念を抱いていたすべての人に謝罪する義務がある。
アメリカ国民は、チャイナの研究所の漏洩とコロナウイルスの起源に関するすべての情報を見る資格がある。このことは忘れ去られることはないだろう。
トム・コットン上院議員:
【訳】チャイナの実験室漏洩について、(その意見が)正しいことが証明されることは重要ではない。
重要なのは、チャイナ共産党に責任を取らせ、このようなことが二度と起こらないようにすることだ。
議会の公聴会でDr.ファウチを舌鋒鋭く追及したランド・ポール上院議員:
【訳】エネルギー省の科学者たちは武漢の研究所からコロナウイルスが流出したと考えていることを示す機密文書が流出(この文書は機密解除されるべきだ!)。
一方、WSJの報道を受けて、ホワイトハウスの国家安全保障顧問ジェイク・サリバンは26日(日曜)、CNNに対し、諜報機関は現時点でこの件に関して「決定的な答え」を持っていないと語っている。
■ なぜこのタイミングでエネルギー省の機密報告書の内容がリークされたのか?
元テキサス州選出の下院議員で、トランプ政権で国家情報長官を務めた弁護士のジョン・ラトクリフ氏は、今週月曜、FOXニュースに出演した際、次のように語っている。
キャスター:この(WSJの)報道が昨日の朝行われたというタイミングについて、質問してもいいでしょうか?通常だったら、こういうタイミングは戦略というより偶然と私は思う方なのですが、でも質問させてください。先週、(バイデン)政権は、チャイナがロシアに武器を売却しようとしている、その武器は対ウクライナに使われる、と報道陣に発表しました。
そしてこの報道が日曜朝に行われました。しかし、彼ら(エネルギー省)はこの情報(実験室起源説を示す証拠)をずっと以前から持っていたという印象を私は受けます。あなたもこのタイミングで情報がリークされたことについて、(それは政治的意図による対抗措置だと)うすうす感づいていらっしゃいますか?
ラトクリフ氏:あー(言葉に詰まりながら)、私も・・・あなたと同じ考えが最初に浮かびました。このタイミングは偶然ではないと思います。これは、チャイナを抑制する戦略の一部だと私は信じたいです。(だとすれば)これは良い兆候です。
しかし、人気ネット番組War Roomの共同司会者でジャーナリストのナタリー・ウィンターズ氏は、「これはバイデン政権による単なるパフォーマンス」と厳しい見方を示している。
BonaFidrをフォローウィンターズ氏:私がひねくれているのかわかりませんが、(アメリカの)支配者層やグローバリストとチャイナ共産党(CCP)との親和性に関してとなると、私は単なる現実主義者だと思います。
残念ながら、彼ら(CCP)は大罪を犯してしまいました。それはもちろん、ウクライナに対抗し、ロシアと潜在的に提携するということです。ですから、このタイミングでウクライナに関する報道にぴったりはまってこの(WSJの)記事が出たことは、興味深いことです。
しかし、これはバイデン政権からこれまでずっと見られてきた習慣でもあると思います。つまり、CCPが何かをするとき、ジョー・バイデンがいかにチャイナに甘いかということです。なぜなら、明らかに、バイデン政権だけでなく、ジョー・バイデンの家族が、金銭的、そして人間的に広範にわたって懐柔されているからです。ですよね?偵察気球はその典型的な例です。
そして今回、彼らは、左派が好んで使う「パフォーマティブ・アクティヴィズム」、つまり既に知られていることをリークさせるという行為に及んだのです。ですよね?新型コロナウイルスが武漢ウイルス研究所からもたらされたことは、アメリカ人にとって驚くことではありません。
つまり、これはバイデン政権がCCPに厳しい態度をとっているように見せかけようとするちょっとした方法なのです。実際には、ジョー・バイデンがこのために制裁を発動し、賠償金を得ようとする姿は見えません。
率直に言って、WSJの記事は、私たちがここWar Roomで以前から述べてきたことを肯定していますが、新型コロナウイルスを生物兵器と完全に呼ぶには至っていないことも明言しておきましょう。WSJの記事は、ただ、実験室から流出した結果である可能性が高いとだけ述べています。ジョー・バイデンとその取り巻き連中、今回はエネルギー省が前に出てきて、CCPを非難しているわけです。実際はそうではないのに、チャイナに対して厳しい態度をとっているように彼らは見せかけているだけなのです。