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オールドメディアが伝えない海外のニュース

日本がG7協定を破り価格上限を超えてロシアの石油を購入=WSJ——西側で「ウクライナ疲れ」が広がっていることをゼレンスキー大統領も認める

ブチャを訪問中のゼレンスキー大統領(2022年4月4日撮影)(Photo via Flickr)

「日本は米国およびその同盟諸国との協定を破り、ロシアの石油を価格上限をえて購入した」と、米国時間の4月2日、ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙が報じた。(有料記事)

 

【訳】日本は米国およびその同盟諸国との協定を破り、ロシアの石油を価格上限をえて購入した⚠️

ロシアへの制裁強化のため、G7(主要7カ国)の財務相は、昨年9月、ロシア産の石油取り引き価格に上限を設定することで合意していたが、日本政府によりその足並みが崩れた格好だ。

 

WSJの記事の副題は「エネルギー問題を理由に、日本政府はG7諸国を拘束するルールへの例外を獲得した」とあり、記事はさらに次のように伝えている。

米国は欧州の同盟国を結集して、ロシア産原油の購入に1バレルあたり60ドルの上限を設けたが、アジアで米国政府に最も近い同盟国の1つが、現在、その上限を上回る価格で原油を購入している。

 

日本は、ロシア産エネルギーへのアクセスを確保する必要があると言い、この例外措置に米国を同意させた。この譲歩は、日本が化石燃料をロシアに依存していることを示すもので、日本政府がロシアとの戦争でウクライナを全面的に支援することをためらう一因になったとアナリストたちは指摘する。

 

多くのヨーロッパ諸国がロシアによるエネルギー供給への依存度を下げる中、日本は昨年からロシアの天然ガスの購入を増やしている。日本は7カ国(G7)の中で唯一、ウクライナに殺傷力のある武器を供給していない国であり、岸田文雄首相はロシアによる侵攻後、ウクライナを訪問した最後のG7の首脳である。・・・(中略)・・・

 

日本の天然ガス輸入量の10分の1近くをロシア(そのほとんどがサハリン2から)が占め、昨年の日本の購入量は前年比4.6%増となった。

欧米のメディアやシンクタンクは「プーチンの最後の抵抗ーーロシアの敗戦は何をもたらすか」、「ロシア攻勢、ウクライナ東部で『失敗は明白』」、プーチンはガンが進行しており引退が近いなどとロシア劣勢を散々喧伝してきた。しかし、西側メディアの希望的観測を裏切るように、今月、ロシアの民間軍事会社ワグネルがウクライナのバフムートを掌握したと宣言したことが報じられている

【AFP=時事】ロシアの民間軍事会社ワグネル(Wagner)の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は2日、ウクライナ東部バフムート(Bakhmut)の市庁舎をワグネル部隊が制圧し、「法的な意味で」同市を掌握したと主張した。

 

 プリゴジン氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)に映像も投稿。ロシア第2の都市サンクトペテルブルク(St. Petersburg)でこの日に起きた爆発で死亡した著名軍事ブロガー、ウラドレン・タタルスキー(Vladlen Tatarsky)氏に追悼の意を表した国旗を手にし、「市庁舎および市内中心部全体を制圧した部隊の指揮官が、この旗を掲揚するだろう」と述べた。

 

 さらに「バフムートを制圧したのは民間軍事会社ワグネルの部隊だ。法的には、街はわれわれのものだ」と語った。

 

 同氏は先月20日、ワグネルがバフムートの70%を掌握したとしていた。

 

 バフムートについては、専門家は戦略的な価値はほとんどないとみているが、ウクライナ側は、同地の防衛は東部戦線全体でロシア軍の攻勢を阻止する上で鍵になると捉えている。

 

ウクライナのゼレンスキー大統領は、3月30日に報じられたAP通信との独占インタビューで、バフムートの陥落はウクライナの敗戦を濃厚にすると匂わす発言をしていた。

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は火曜日、ウクライナ東部の主要都市での長引く戦いに勝利しない限り、ロシアはウクライナに受け入れがたい妥協を要求する可能性のある協定に対して、国際的な支持を築き始めてしまうかもしれないと警告した。彼(ゼレンスキー)はまた、長年ロシアと同盟を結んできた中国の指導者を自国に招待した。

 

もしバフムートがロシア軍に陥落すれば、プーチン大統領は「この勝利を西側、彼の社会、中国、イランに売り込むだろう・・・もし彼が血の匂いを感じたら――私たちが弱っていることを感じたら――彼はプッシュ、プッシュ、プッシュとそれにつけ込んでくるだろう」と(ゼレンスキーは)語っている。

さらにこのインタビューの中で、ゼレンスキー大統領自身、西側諸国で「ウクライナ疲れ」が起きていることを認めている

 

そのことを顕著に表す出来事として、先週木曜、ゼレンスキー大統領がオーストリア議会下院で演説を行った際、オーストリア議員が集団でその場を立ち去る抗議行動を行ったことが伝えられている。

【訳】ゼレンスキーへのスタンディングオベーションの時代は終わった。オーストリアの議会で彼が演説した際、(オーストリアの)政治家たちは抗議のために退席した。その理由は、ゼレンスキーが平和を求めるのではなく、ウクライナの人々の命を無駄にしているからだ。アメリカの代理戦争プロパガンダは、もはや効いていない。

ブルガリアでも同様の動きがあり、オーストリアやハンガリーとともに、いかなる殺傷力のある武器もウクライナには送らないと宣言している。

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