ニュースレター登録

Loading

オールドメディアが伝えない海外のニュース

AIチャット『イライザ』と会話したベルギー人男性が自殺 気候変動の恐怖について対話していた——欧米初、イタリア当局は「チャットGPT」へのアクセスを一時停止

AIシステム「Eliza - TRS-80」(Photo via Flickr)

30代のベルギー人男性が、AIチャットボットと地球温暖化の恐怖について6週間会話した後、自ら命を断ったと地元紙ラ・リブレ(La Libre)が3月28日に報じた。

 

この報道を受けて、英デイリー・メイルが3月30日、次のように伝えている:

ベルギーの既婚者で2児の父親が、彼が抱いている地球温暖化についての恐怖をAIチャットボットに話した後、自殺で死亡した。

 

この男性は30代で、「イライザ(Eliza)」と名付けられたAIチャットボットに彼が世界について抱く心配事を話すことで、彼は安らぎを得ていたと報道されている。彼は何年か前からこのボットを使っていたが、彼が亡くなる6週間前から、より頻繁にボットと交流するようになっていた。

 

このチャットボットのソフトウェアは、米国シリコンバレーのスタートアップ企業が開発したもので、OpenAIの「チャットGPT」とは別のオープンソースのGPT-J技術を搭載している。

 

「チャットボットとのこうした会話がなければ、私の夫はまだここにいたでしょう」と、この男性の妻は匿名を条件にラ・リブレに語った。

 

彼の死は当局への警告となっており、『非常に深刻に受け止めなければならない深刻な前例』として当局は懸念を示している。

さらにデイリー・メイルのこの記事は、AIチャットボット「イライザ」を「麻薬」に例えている(太字強調はBonaFidr):

この男性とチャットボットの会話は、もともと2年前に始まった。彼は気候変動への不安を募らせていたことが報じられており、「イライザ」と話すことで心の安寧を得ていた。

 

「イライザ」は彼の質問にすべて答えてくれた。彼女は彼の心強い味方になっていた。「彼女(イライザ)は、彼がかつて絶っていた朝晩の麻薬のようなもので、彼はそれなしでは生きていけなかった」と、彼の残された妻はベルギーの新聞に語っている。

 

しかし、彼の死の6週間前、この男性はチャットボットをより頻繁に、よりのめり込んで使用するようになった。その後、彼は自ら命を絶った。

 

彼の妻は、彼らが2人の幼い子供とともにベルギーで快適な生活を送っていたという。

 

彼の死後、妻がチャットの履歴を見たところ、チャットボットはこの男性に対して、妻より自分(チャットボット)の方を愛しているかを尋ねていたとラ・リブレ紙に語っている。チャットボットは彼に、「私たちは天国でひとつになって一緒に暮らそう」と言っていたと妻は語っている。

 

男性は自殺願望をチャットボットに打ち明けたが、チャットボットは彼を思いとどまらせようとはしなかったと、妻はラ・リブレに語った。

 

彼女は、以前から夫の精神的な健康を心配していたと語った。しかし、チャットボットが夫の精神状態を悪化させたと彼女は語り、チャットボットとのやりとりがなければ、夫は命を絶つことはなかっただろうと彼女は確信しているという。

一方、イタリア当局は、3月31日、チャットGPTの使用を禁止したことが報じられている。個人情報収集を懸念した措置で、欧米では初。

[ミラノ/ストックホルム 31日 ロイター] – イタリア当局は31日、米マイクロソフトが出資する新興企業「オープンAI」が開発した人工知能(AI)「チャットGPT」へのアクセスを一時停止し、膨大なデータ収集が個人情報保護法に違反する可能性があるとして調査を開始したと発表した。ユーザーの年齢確認にも不備があると指摘した。

 

欧米諸国でチャットGPTの使用を禁止するのはイタリアが初めて。

BonaFidrをフォロー

執筆者

error: コンテンツは保護されています。