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オールドメディアが伝えない海外のニュース

米国はゼレンスキーに対してスパイ活動を実施している——米国防総省からリークされた大量の機密文書でこれまでに明らかになった16のこと

Photo courtesy of David Guttenfelder via The New York Times

数週間前からネット上に流出していたペンタゴンの極秘文書が、ここ数日になってニューヨークタイムズ紙などによって本物であることが確認され、米国政府にとって恥ずべき新事実が次々と明らかになっている。

 

オンラインに投稿された1件の文書に基づき、CNNは4月10日(月曜)、米国がウクライナのゼレンスキー大統領をスパイしていると報じた。この情報漏洩により、ウクライナ当局者は「深い不満」を感じているという:

ある1件の文書は、米国がゼレンスキーをスパイしていることを明らかにしている。ゼレンスキーに近い情報筋によれば、それは驚きではないが、ウクライナ当局はこのリークに深い不満を抱いている。

リークされた米国のインテリジェンス文書によると、米国の当局者たちは、ゼレンスキーがロシア領土の奥深くまで攻撃する意思決定をする可能性があり、それが戦争をエスカレートさせ、ロシアとNATOを直接衝突させる可能性があることを心配してきたという(太字強調はBonaFidr):

『シグナルズ・インテリジェンス(SIGINT)』を情報源とする米国のインテリジェンス報告書によると、ゼレンスキーは2月下旬、「ロシアのロストフ州にあるロシア配備拠点を叩くことを提案」し、ウクライナにはそこまで届く長距離兵器がないため無人航空機を使って行うことを提案したという。

さらなる可能性としては、ウクライナに送られた数百億ドルの援助資金がどのように活用されているかを監督し説明責任を果たす一環として、米国の諜報機関はウクライナ大統領府を監視している可能性がある。

 

ワシントン・ポスト紙は、「(流出した)文書の多くは、統合参謀本部議長のマーク・A・ミリー将軍や他の軍高官のために冬に作成されたようだが、必要なセキュリティクリアランスを持つ他の米国人職員や契約社員も入手可能だった」と詳細を報じている。

 

【訳】流出した文書には、ウクライナに駐留する米国/NATO特殊部隊のキャプション(写真などに添えられる説明文)がある

以下は、様々なメディアソースに基づき、リークされたインテリジェンス文書に含まれる他15件の主要事実:

  • 流出したNATOの公式文書から、ウクライナ人の戦死者は71,500人で、ロシア人の戦死者は16,00017,500人と、米国防総省が以前発表した「推定」とはかけ離れた数字になっていることが元CIA職員のレイ・マクガバーン氏によって指摘されている。「殺傷率を捏造?・・・まるでベトナム戦争のデジャヴュ(既視感)!」。
  • CIAによる人材募集活動の場所は、世界の指導者たちの非公開の会話にアクセスできる人間を工作員として勧誘することに焦点を当てている。
  • ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループは、NATO加盟国であるトルコから武器を入手しようとした。また、ワグネル内部の将来計画の一部は、米国諜報機関に知られているようだ。
  • ロシア軍を追跡するために使用される機密衛星技術、すなわち「LAPIS時系列ビデオ」(高度な衛星システムと説明されている)の詳細は、これまで極秘にされてきた。
  • ウクライナの戦場評価書は米国防総省が作成
  • ガーディアン紙:「1件のスライドでは、NATO加盟国のフランス、米国、英国、ラトビアの100人弱の特殊作戦要員が、すでにウクライナで活動していることが示唆された」。
  • CIANSA、国防情報局、法執行機関、および国家偵察局(NRO)によるインテリジェンス収集活動についての説明。
  • ウクライナのドンバスにおける戦況に関する223日付けの評価では、ロシアによる「消耗戦」を予想しており、それは「膠着状態に向かう可能性が高く、2023年にこの地域全体を占領するというロシアの目標を阻止することになりそうだ」と予想している。
  • ワシントン・ポスト紙:「米国の諜報機関は、ロシア軍とその指揮官に深く浸透しているため、ウクライナに(ロシアからの)攻撃を事前に警告できるほどであり、ロシア軍の強さと弱さを確実に評価することができる」。
  • ワシントン・ポスト紙:「リークされた資料の1ページから、ロシア国防省が2月のある日にウクライナ軍の拠点2か所を攻撃する計画を伝達していたこと、そしてロシア軍の計画立案者たちがウクライナのエネルギー施設12か所と同数の橋への攻撃を準備していたことを、米国諜報機関が把握していたことを明らかにしている」。
  • ワシントン・ポスト紙:上級政策立案者向けに毎日発行されているCIAの“World Intelligence Review”の分析サマリーによると、チャイナ政府はウクライナによるロシア領内深部への攻撃を「NATOを侵略者とする機会」と見ている可能性が高いと記しており、その攻撃が「重大なもの」であると感じればチャイナはロシアへの支援を強化できると感じる可能性があると記している。
  • ウクライナのソ連時代の強固な防空網(これまでロシア軍の航空機の侵入を最小限に抑えてきた)は、今後数週間のうちに弾薬を使い果たす可能性がある。
  • CIAのインテリジェンス最新情報とされるものは、イスラエルのモサドが、ネタニヤフ首相の最高裁改革案に反対するデモ活動を支援したと主張している。
  • 韓国政府関係者は、アメリカの備蓄を補充するために砲弾をアメリカに渡すよう要請された際、それがウクライナに渡ることを懸念して警戒していることが内部協議で明らかになったと、1件のレポートは記している。
  • ウクライナの防空は西側同盟国による強化が得られなければ危機的状況にある、と別のレポートは記している。

 

一方、今回流出した文書の対象が広範囲に及んでいることから、米国内の情報源が関与しているとの指摘が多い。今回の機密情報流出は「ファイブ・アイズにとって悪夢」と言われ、米国とパートナー国との情報共有関係にダメージを与える可能性がある。

【訳】(ロシアの)国営テレビで議論されていない、ペンタゴンからの情報リークの1つの側面は、ロシアの安全保障と諜報サービスが米国によってどれだけ深く浸透されているかを(これら文書が)示していることだ。

 

しかし、元スパイのレオニード・レシェトニコフが今日この話を持ち出したため、オルガ・スカベーエワが非常にあからさまに話題を変えるよう促した。

今回の情報漏洩により、米国政府のみならずロシア政府も恥をかく結果となっている。漏洩した機密文書は、ロシア国防省など政府の重要な分野に米国の諜報機関が深く入り込んでいることを示しており、ロシア政府にとっても認めたくない失態を露呈させている。

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