イーロン・マスク氏がリベラルに偏らないAIボット “TruthGPT”を開発する計画であることを明かす——グーグルの共同創業者ラリー・ペイジ氏はかつて「デジタルの神」を開発したいとマスク氏に語る
イーロン・マスク氏は、米国時間の4月17日(月曜)夜に放送されたFoxニュースの司会者タッカー・カールソン氏とのインタビューで、人工知能が人類にもたらす潜在的な脅威について語った。彼は、開発段階でリベラルなバイアスを植え付けられるAIチャットボットについて懸念していると語り、Microsoft/OpenAIの『ChatGPT』、Googleの『Bard』に続く第3極となる、リベラルに偏らないAIチャットボット“TruthGPT”を開発する計画であることを明かした。
マスク氏はOpenAIのチャットボット『ChatGPT』の初期の資金提供者だった。彼はカールソン氏に、生成AIの基盤技術である大規模言語モデルは 『政治的に正しい(politically correct)』ように訓練されていると語った。
▶︎『政治的に正しい(politically correct)』とは、特定の社会政治的イデオロギーや物の考え方に迎合することであり、特に人種、階級、性別、性的指向の問題において寛容さを促進し、他人が不快に感じる言動を避けるためにリベラルな物の考え方に迎合すること。(出典:Wordnik)
マスク氏は次のように語っている:
私がTruthGPTと呼ぶものをこれから始めるつもりです。つまり、宇宙の本質を理解しようとする、最大限に真実を追求するAIです。
【訳】速報:イーロン・マスクは、OpenAIに代わるものとしてTruthGPTを開発することについて語る。その理由は、OpenAIが『政治的に正しく』、人々に嘘をつくように訓練されているため。(太字強調はBonaFidr)
マスク氏は、先月、AIを規制することは必要であると呼びかける公開書簡に署名している。この日のFOXニュースでのインタビューでも、マスク氏は次のようにAIの危険性について語っている:
AIは、例えば、管理の不手際があった航空機の設計や、生産保守の不手際、不良自動車の生産よりも危険です。それ(AI)は、文明を破壊する可能性を秘めている。
今年2月、マスク氏はすでに“TruthGPT”についてツイッターに投稿していた。
【訳】私たちに必要なのはTruthGPTだ。
さらにインタビューの中で、マスク氏は、グーグルの共同創業者であるラリー・ペイジ氏から、「デジタルの神(digital God)」を作る計画について聞いたことがあると語っている。「ラリー・ペイジはAIセーフティについて十分といえるほど真剣には考えていなかった」とマスク氏は語っている。
【訳】イーロン・マスクは、グーグルの共同創業者であるラリー・ペイジから、彼はAIを使って「デジタル・ゴッド」を作りたいとかつて言われたことがあると語った。
先月ネバダ州に提出された書類によると、マスク氏はX.AI Corpという新しいAI会社を設立している。4月14日(金曜)にウォールストリート・ジャーナルやフィナンシャルタイムズが報じている。
マスク氏はTwitter社を新たなペーパーカンパニーXに吸収させており、いわゆる万能アプリ“X”を作るという計画がまもなく現実のものとなる可能性が出てきている。今回のFOXニュースとのインタビューは、マスク氏が1万個近いGPU(AI開発のための重要なインフラ)を購入したという報道があった直後に行われた。
マスク氏は、Twitter社の企業価値を半分以下に再評価したことについても今回のインタビュー中に明かしている。マスク氏は昨年Twitter社を440億ドルで買収し非公開企業にした。The Informationは、最近マスク氏が約200億ドルという評価額で同社の従業員に新株の付与(インセンティブ報酬)を提案したと伝えている。
さらにこのインタビューで、アメリカ連邦政府がどれほど深くTwitterのデータにアクセス可能であるかを知ってショックを受けたとマスク氏は語っている。
マスク氏:政府機関が事実上、Twitterで起こっているすべてのことに完全にアクセスできていたというその度合いに、私はひどく驚かされました。
カールソン氏:それにはダイレクトメッセージ(DM)も含まれますか?
マスク氏:はい。
インタビューの一部はYouTubeで配信されている。
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