米消費者の間でクレジットカード負債が急増
全米の消費者が抱えるクレジットカード負債が急増している。米連邦準備制度理事会が発表した最新の統計データで明らかとなった。
今年3月の1ヶ月間に、アメリカ人消費者が新たにクレジットカードを使って消費した金額は、リボルビング払いと一括払いを合わせて103億ドルと、予想を下回る数字だった。米連邦準備制度理事会は、5月になり個人負債は通常レベルに戻り、5月の1ヶ月間に利用されたクレジットカード負債総額は、171億ドル(その前月の4月は175億ドル)に回復したと発表していた。これは昨年11月の216億ドル以来の高い数字となっている。これによりアメリカ人消費者が抱える個人負債総額は、過去最大の4兆880億ドルに膨れ上がっており、1年前に比べて5.2%の上昇となっている。これは同時期の全米GDPの成長率の約2倍の増加率である。
アメリカの個人消費者の借金が急増している原因は、ひとえにリボルビング払いにある。3月の1ヶ月間でリボルビング払いの負債は20億ドル減っていたが、5月には70億ドルのプラスとなった。毎年アメリカ人は、感謝祭がある11月に向けて大量消費を行うため、10月にクレジットカード負債が増える傾向にあるが、特に大きなイベントのない5月に、昨年10月以来の高いクレジットカード負債額となっている。
一方、クレジットカード負債が急増する中、非リボルビング払いの負債である自動車ローンと学生ローンは、驚くほど低い伸び率を示している。5月に新規に借入された自動車ローンおよび学生ローンは総額99億ドルと、前月より6億ドルも低く、2018年6月以来の低い数字となっている。
しかし、学生ローンと自動車ローンを合わせた未払いの負債総額は過去最大を記録している。学生ローンの未払い負債総額は1兆6000億ドル(前四半期から300億ドルの急増)、そして自動車ローンの未払い負債総額は1兆1600億ドル(前四半期から80億ドルの増加)と、ともに過去最大となっている。
全米の消費者が抱える借金の伸び率
黒線:自動車ローン、灰線:クレジットカード負債、青線:学生ローン
(Graph from NBCNews.com)
これはつまり、学校を卒業して就職しても、給料が低く学生ローンや自動車ローンを返済できず滞納しているアメリカ人消費者が増えていることを示している。全米の株価が史上最高を記録していると同時に、アメリカ人消費者が抱える個人負債の総額も過去最大を記録している。
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