世界で最もワクチン接種率が高い国で新型コロナ感染者数が急増——新たなロックダウンを全国に発令
現在、世界で最も新型コロナワクチンの接種率が高い国は?と聞かれ、多くの人はイスラエルや英国と答えるだろう。しかし正解は、インド洋にある小さな島国のセーシェル共和国が世界で最もワクチン接種率が高い国である。5月5日(水曜)付けのBBCの報道によると、同国における成人人口の62%以上が「完全にワクチン接種済み」であるという。
しかし、セーシェルは集団免疫の基準値に近づいているにもかかわらず、同国の公衆衛生当局は今週、新型コロナ(武漢ウイルス)の感染者数が急増しているため、再びロックダウンを発令した。
同国の全ての学校とスポーツ活動が2週間、閉鎖されている。また、異なる世帯間の交流や、数種類の人の集まりが禁止されている。店舗、バー(飲み屋)、そしてカジノは時短営業となっている。生活に必須な業務ではない人たちは自宅で働くよう奨励されており、また午後11時以降の外出禁止令が再び発動されている。
現在、セーシェルにおける新型コロナの感染者数は1070人と報じられており、このうちの3分の1はアストラゼネカまたはシノファーム(中国医薬集団)のワクチンを2回受けた人たちである。
感染者数が急増している原因は不明であるが、検査により、南アフリカ型の変異株がセーシェル諸島で広がっていることが検知されているという。しかしセーシェルでは検査により陽性結果が出た人たちを大量に分析することを実施していないため、同国でどのウイルス株の感染が広がっているかを正確に特定することは困難となっている。
セーシェルで確認された、新型コロナ(武漢ウイルス)の1日毎の新規感染者数(人口100万人あたり)の推移
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