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ニューワーク空港が大パニックに:原因はアラスカ航空社員によるアジア人への人種差別

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アラスカ航空の女性社員が突然「避難!」とNY市近郊の大規模空港ニューワーク空港で叫び、旅行者が逃げ惑うパニック状態に陥った。この日9月2日はレイバーデイの休日で、全米で空港が混雑する最も忙しい日の一つだった。最近、全米では各地で無差別銃撃事件が起きているため、人々はその恐怖から大パニックに陥り200名ほどの旅行者が空港内を逃げまどった。

事件のきっかけは、突然アラスカ航空の女性社員が避難するよう叫び、警報装置を作動させたことにある。その日の夜8時30分頃、数十人の警察官がニューワーク空港に到着した。

 

当初のCNNなどの報道では、この女性社員は2人の男性搭乗者が疑わしい動きをしており、彼女が彼らに近づくとこの二人は走って逃げたと報じていた。

 

しかしこの二人の中国生まれの男性が後にメディアに語った内容によると、全ては人種を元に選別されたこと(レイシャル・プロファイリング)が原因で起きたという。この二人は互いに面識がなく、また走って逃げてもいないと語った。むしろ、このアラスカ航空社員こそが常軌を逸した行動をとったと語っている。

 

人種差別的な扱いを受けた一人、ハン・ハン・シュエ氏(Han Han Xue)は、「あれはとてもショッキングな経験だった」と語っている。

ハン・ハン・シュエ氏(Courtesy of Han Han Xue)

 

シュエ氏(29歳)は、連休中、ニューヨーク市の知人たちを訪問し自宅に戻るために空港を利用していた。自宅があるサンフランシスコ行きのアラスカ航空の便が遅延していたため、30番ゲートで待っていた。待合場所に一人でいたところ、アラスカ航空の制服を着た社員が背後から彼に歩いてきて、彼にぶつかって立ち去っていった。彼は軽く無視していたところ、彼女はまた彼の方に戻ってきて彼が立っている周りを歩き始めた。

 

そしてこの社員は、シュエ氏のそばに立っていたチュニ・ルオ氏(20歳)に近づき、「あなたは怖いと思っていますか?あなたはイライラしていますか?(Are you scared? Are you nervous?)」と聞いてきたとルオ氏は語っている。

 

ルオ氏は2年前にサンフランシスコにある大学で金融学を学ぶために上海から留学している。ルオ氏は、この航空会社社員に対してフライトが遅延しているのでイライラしていると返事をした。彼女はアメリカ国内で飛行機はよく遅延すると言ったとルオ氏は語った。しかしこの女性社員は彼に「あまりに近すぎる」ところに立ち、そのため彼は数歩後ろに下がったという。

 

それからこの社員はシュエ氏に質問をし始めた。彼女は、シュエ氏に対して、ルオ氏と知り合いか質問し、彼の旅程についても質問した。それから、この社員は「なぜあなたは不審な動きをするのか?(Why are you acting suspiciously?)」と聞いてきた。

 

シュエ氏は、この社員から投げかけられる質問がますます奇妙なものになってきたため、どのように返事するべきか迷ったと語っている。この社員は彼に次々と以下のような質問をしてきた:

 

「彼らはいくらあなたにお金を払っているのか?」(「彼ら」が誰を意味するのか説明はなかった。)

「彼らがあなたに査証を発行したのか?」

「彼らがあなたの家族にも査証を出したのか?」

「あなたは高い給料をもらっているのか?」

「あなたはウォール街で働いているのか?」

「あなたはアメリカ政府発行の査証のステータスで滞在しているのか?」

 

シュエ氏は中国生まれだが幼少期からカナダで育ちカナダ国籍を持っている。そして現在はカリフォルニアにある配車サービスのLyftで製品デザイナーとして勤務している。

 

ルオ氏も、この社員がシュエ氏になぜ彼が不審な動きをしているのか質問するのを聞き、また彼女が「アジア人(Asian)」という単語を発したのも聞いたと語っている。

 

この時点で、シュエ氏は彼が人種が理由でターゲットになり嫌がらせを受けていると感じたと語っている。そこで彼は2メートルほど彼女から離れ、他の搭乗する旅行者たちに合流した。彼女が諦めてくれるだろうと期待していた。

 

しかし彼女はしつこく彼に付きまとい、「私はあなた達を監視している。すでに警察官を呼んだわ」と言ってきた。

 

「これが現実に起きていることとは信じられなかった」とシュエ氏は語った。

 

それからこの社員は30番ゲートのブリッジに歩いていくのが見えた。それからゲートにいる他の社員達に何か話しているのが見えたとシュエ氏は言う。するとゲート担当者の社員が、問題が発生したため搭乗手続きは一時中断するとアナウンスした。その直後、シュエ氏とルオ氏にしつこく質問してきたアラスカ航空の社員が、「避難、避難!」と突然叫び始め、緊急警告ボタンを押したとシュエ氏は証言している。

 

「この事態が発生した瞬間をどう説明したらいいかわからない。全員が走り始めた。今まで経験したことがないほど正気を失った現場だった」とシュエ氏は語った。

 

数百人の旅行者が一斉に逃げようとし、ドミノ倒しになりながら、泣き、叫んでいたとシュエ氏は振り返る。ある男性は、同伴の女性に対して早く逃げるためにスーツケースを置いていくよう怒鳴っていた。シュエ氏も他の乗客と一緒に隣のゲートまで走り、ターマックまで逃げたという。

 

この時の現場の様子が動画に撮影されツイッターに投稿されている:

 

 

 

 

 

旅行者の一人、マイケル・ウルフモラー氏(38歳)は、サンフランシスコの自宅に戻るため搭乗ゲートに向かっていたが、その時、「避難」という言葉を聞き、彼の方に向かって人々が叫びながら走ってきた。彼は一緒に走る最中、「銃撃者」という言葉を聞いたと言う。ガラスが割れる音も聞こえた。

 

テキサス州エルパソやオハイオ州デイトンでの無差別事件の直後であるため、彼は自分が次の犠牲者だと思ったという。「私は自分が背中から撃たれると思った」と語っている。

 

一方、ルオ氏は自分がこの状況の原因であるとは気がつかなかった。実際、本当に銃撃者がいるものだと信じ込んでいた。「誰か銃を持った人がいるのだと思った。みんな走っていた。私は彼らについて逃げた」と語った。

 

しかし数分後に警察官が現場に到着し、一人一人乗客の確認を始めたため、シュエ氏は自分が名乗り出るべき必要があると感じた。「多分90%の確率で、自分がこのパニック状態に関与したと思った。しかし事態はあまりに急速に悪化した」と語っている。

 

「冷静に考えると、私は何も誤ったことはしていないのを知っているし、この状況に自分は責任がないことを説明できる。ただ、警察官が最初に登場したとき、本当に不安になった」とも語った。

 

シュエ氏は一人の警察官に近づき、アラスカ航空のとある社員が彼に「警察を呼んだ」と語ったと告げた。この警察官は、シュエ氏の頭からつま先まで眺めると、「OK、男を確保した」とトランジスタ・ラジオを通して報告した。

 

警察官達はさっと彼を取り囲み、彼を他の旅行者達から遠ざけた。そして一人の警察官が、「君の友人はどこだ?」と聞いてきた。シュエ氏は、一人で旅行していると説明したが、彼に質問してきた航空会社の社員は彼の隣に立っていた若い男性と彼が知り合いだと考えているようだった。

 

警察官は旅行者達の中にルオ氏を発見し、彼にも質問を始めた。ルオ氏もシュエ氏も、警察官は落ち着いており、彼らに対して礼儀正しかったと語っている。「なぜ彼女は君たちを怪しいと思ったと思うか?」と一人の警察官が質問してきた。

 

シュエ氏は、「私たちが二人とも東アジア人であるという事実以外」、理由はわからないと返事した。

 

この間、このアラスカ航空の社員はゲートのブリッジまで出てきて、シュエ氏とルオ氏が警察官と話をしている状況を上から眺めていた。そして、「クソ野郎たちを捕まえたわ(We got them motherfxxckrs)」と怒鳴ってきたとシュエ氏は証言している。

 

ウルフモラー氏は、その時、ターマックにいて娘達を探す母親を助けている最中だったが、その社員が戻ってきたのを目撃し、「Fワード(侮蔑的で汚い言葉)を聞いたし、確実に彼らに向かって叫んでいた」と証言している。

 

危険がなく、全てが誤解であることが判明すると、警察官はルオ氏とシュエ氏を解放した。影響を受けた全ての旅行者達は再度、安全検査を受けなければいけなかった。

 

さらに数時間、待たされた後、結局、その日のサンフランシスコ行きのフライトはキャンセルされ、次の日に振替えられた。旅行者達は空港近くのホテルが手配され、そこで一晩を過ごした。

 

シュエ氏とルオ氏はそのホテルで初めて話をし、自分たちが体験したことを共有したという。他の旅行者達とも話をし、彼らが見て経験したことをつなぎ合わせた。彼らはホテルで記念の集合写真を撮っている:

 

Courtesy of Han Han Xue

 

 

アラスカ航空の広報担当者オリアナ・ブラノン氏は、BuzzFeed Newsに対してeメールで声明を返信し、何が起きたのか調査中であると発表している。

 

ニューワーク空港での問題は、我が社の顧客およびその他の旅行者にとって憂慮すべきことで悩ましいことだったことを理解しています。それに対して、我々は深く謝罪します。この出来事に対して十分な捜査を行っており、正確に何が起こったのか、そしてなぜ起こったのかを理解するために目撃情報を収集しています。

 

BuzzFeed Newsが昨日木曜、アラスカ航空にコメントを求めるまで、航空会社は一切、ルオ氏にもシュエ氏にも直接連絡を取っていなかった。しかし記者がアラスカ航空にコメントを求めた数時間後、アラスカ航空の顧客擁護部門ディレクターがシュエ氏にeメールを送信し、「私は今日、あなたが誰かわかりました。あなたの所在を確認したかったのと、私が何かお助けできることがあるか知りたくご連絡しました」と連絡してきた。シュエ氏は、空港でこの事態が発生した後、空港ゲートにいたアラスカ航空の管理者に説明を求め、この管理者に彼の氏名と連絡先を残していた。

 

アラスカ航空は、このパニックを引き起こした社員に関する質問に一切、回答しなかった。社員についてはノー・コメントと回答している。CBS2が報じた内容によると、この女性社員はそううつ病を患っており、当日、処方された薬を飲み忘れていたと情報源である人物が語っている。

 

警察署のレニス・ロドリゲス氏は、この社員は警察による職務質問を受けた後、解放されたと発表している。しかし彼女の健康問題についてはコメントしていない。ニューワーク空港があるユニオン郡検事局は、この出来事を認識しており、地元当局と連携していると語っているが、違法行為があったと告発するかはまだ決定していない。

 

シュエ氏は、病気だからという理由で、彼が受けた人種差別をする言い訳にはならないと語る。「彼女に問題があるなら、他人の安全性に責任ある立場に彼女を配置しないようにするのがアラスカ航空の責任だ」と彼は語っている。

 

銃撃事件やテロ事件に対して、通常、東アジア人は犯人と疑うプロファイリングの対象にはならないが、「トランプ大統領の下でのアメリカでは、中国との貿易戦争の状態にあるため事情が変わってきているのかもしれない」とシュエ氏は不安な気持ちを語っている。

 

シュエ氏にとってもルオ氏にとっても、この出来事は恐ろしくトラウマになるような体験であったが、アラスカ航空のその後の対応がこの悪夢にさらに輪をかけている。メディアがこの二人が挙動不審であり走って逃げたと大々的に報じる中、アラスカ航空は、二人に対して何が起きたのか一切、説明をしていない。

 

ルオ氏は、「私は怒っています。同時に、恐ろしく感じます。酷すぎます」と語っている。

 

シュエ氏は、「メディアにこのように名前を出して発言するのは私の性格ではありません。不安になります」と語っている。

 

しかしアラスカ航空の対応があまりにひどく責任逃れのものであるため、シュエ氏はメディアに発言する以外の選択肢が残されていないと言う。「現時点で私が知る限り、この社員はアラスカ航空の同じ配属先で勤務しています。そのこと自体、とても不安にさせます。こう考えたくはありませんが、このことを絨毯の下に隠して見えなくしたからといって終わりになるとは考えたくありません」。

 

 

今回の事件でターゲットになったのは中国生まれのアジア人男性二人であったが、アメリカを旅行する日本人が犠牲者になっていてもおかしくない出来事である。

 

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