ロシア最大の石油企業がドル決済からユーロ決済へ移行:揺れるドル覇権
ロシア最大の国営石油企業Rosneftが、新たに輸出される全ての原油および原油精製品の決済通貨をユーロへと変更することにしたと、今週木曜ロイター紙が報じた。
9月時点で、Rosneftは原油および原油精製品の決済手段としてユーロをデフォルト選択していることが、同社が発表した入札書類で明らかになっているとロイター紙が報じている。
「Rosneftは、最近、全ての新規輸出契約をユーロ建てに変更している」と、Rosneftから定期的に原油を購入している企業のトレーダーがロイター紙に語った。このトレーダーによると、バイヤーたちにはすでにこの変更の通知が行われている。
ロイターが行なった見積もりによると、Rosneftはロシア最大の原油輸出事業者であり、1日で約240万バレルの原油を販売している。
Rosneftはベネズエラからの原油買取を行なっており、米国政府はRosneftへの経済制裁を排除していない。
Rosneftは、ベネズエラから購入した原油を、中国やインドなどへ再販している。このため、米国政府による制裁を恐れてベネズエラから直接原油を購入することに二の足を踏んでいる国々は、ロシアから購入している。
今年8月、Rosneftはすでに顧客企業に対して将来の入札書類はドル建てではなくユーロ建てで価格設定されることを伝えていた、とロイター紙が報じていた。
ロシアは、米国からのさらなる経済制裁の回避措置として、ドル決済からユーロ決済へ戦略的に移行していると、原油トレーダーやアナリストたちは見ている。
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