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ウクライナ疑惑の内部告発者エリック・シアラメラが突然、議会証言することを拒否:自身に関する不都合な新事実が報じられる中、代理人弁護士が交渉を中断

エリック・シアラメラ(Eric Ciaramella)

トランプ大統領が今年7月25日、ウクライナ大統領と電話会議を行なった際、政敵であるバイデン元副大統領と彼の息子が関わる汚職について捜査するよう政治的圧力をかけたと、現職のCIA職員が第3者からの伝聞情報を元に内部告発を行った。いわゆる「ウクライナ疑惑である。この内部告発者は、33歳のエリック・シアラメラ(Eric Ciaramella)(冒頭の写真)であると独立系報道メディアのRealClearInvestigationsが今週スクープ記事を報じている

この内部告発者は、CIAのキャリア職員であり、ウクライナ政策が専門である。オバマ政権時代にホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)で勤務しており、当時、2020年の民主党大統領候補であるジョー・バイデンがウクライナ問題について政権内部で「交渉の窓口」であった。彼はトランプ政権の初期数ヶ月まで、国家安全保障会議(NSC)で勤務していた。Washington Examiner

この内部告発者は、元CIA長官のジョン・ブレナン(反トランプで有名な人物)の元でも勤務した経験があるほか、トランプが大統領選挙に出馬した際、ウクライナの前政権の関係者たちからトランプに関する醜聞を聞き出すために民主党全国委員会(DNC)の諜報員と協力していたことが明るみになっている。こうした「利害関係」や彼の民主党にどっぷり染まった党派色が報じられ、この内部告発者との議会証言に向けた交渉は中断してしまっていると、保守系メディアのWashington Examinerが報じた。1人目の内部告発者(エリック・シアラメラ)に情報提供したとされる人物が、その後、2人目の内部告発者として声を上げたが、この人物とも議会証言に向けた議論は全く行われていないとWashington Examinerは報じている。

現職のCIA職員であるシアラメラ氏は、トランプ大統領が政治的圧力を使って、バイデン親子に関する汚職捜査をウクライナ政府に強要しようとしただけではなく、2016年にヒラリー・クリントンが大統領選挙に立候補していた際に、ヒラリー陣営に有利に働くようウクライナが選挙介入を行なっていたとされる疑惑や、民主党全国委員会のメール・サーバに対して行われたハッキング事件についても捜査するよう依頼したと内部告発している。

しかし今週木曜、7月25日の電話会議に参加していた国家安全保障会議(NSC)のトップ、ティム・モリソン氏(元シニア・ディレクター)は議会証言を行い、その会談の中で違法なことは何も目撃していないと語っている

国家安全保障会議(NSC)のトップ、ティム・モリソン氏

ティム・モリソン氏がこのように証言すると、内部告発者の2人は突然、議会証言することに躊躇しはじめたようだ。Washington Examinerに情報を提供した人物は次のように語っている:

当初の内部告発者2名はどちらも、上院もしくは下院情報委員会で証言したり出廷するよう召喚されるという兆候はない。これら委員会と彼らの弁護団との間で、さらなる継続した議論は行われていない。

つまり、民主党が多数派の下院は、党派色があらわなCIA職員が伝聞情報を元に行った内部告発を根拠にトランプ大統領を弾劾しようとしており、しかもその内部告発者や彼の情報源となった人物は議会証言を(今のところ)行わないということになる。

木曜、下院議会はトランプの弾劾手続きに関する枠組みを確立するための議決案を可決した。それは、遅ればせながら共和党議員が証人を召喚する権限を付与している。しかしそれは(下院情報委員会議長の)アダム・シフ議員と同委員会に所属するその他の民主党議員が同意した場合のみという条件付きである。

元の内部通報者である2名の弁護士であるマーク・ザイード氏とアンドリュー・バカジ氏は、弁護団は匿名性が確約される限り、連邦議員たちに協力する意思があるとWashington Examinerに対して語った。「我々は、我々のクライアントたちの匿名性が適切に保護されることが確約される限り、連邦監視委員会のいかなる要請にも協力することにコミットしているという姿勢は変わらない」とザイード氏は語っている。

水曜、ザイード氏とバカジ氏は、RealClearInvestigations が報じた内容から33歳のCIAキャリア分析官で、国家安全保障会議(NSC)の元ウクライナ専門ディレクターであるエリック・シアラメラ氏がこの内部告発者であるかに関して、Washington Examinerに対して肯定も否定も行うことを拒否している。Washington Examiner

9月、下院情報委員会のアダム・シフ議長は、この内部告発者が「我々の委員会で証言する意思がある」と語っていた。(シフ議長は、シアラメラ氏が内部告発を行う前から連絡を取り合っていたことや、シアラメラ氏の2名の部下を雇っていたことなどに関して虚偽の発言を行なっている。ウクライナ疑惑の発端となった「内部告発」は、民主党議員らによる自作自演の可能性がある。)

以下はシフ議長が9月に行ったツイート:

【訳】内部告発者の弁護団は、彼らのクライアントが私たちの委員会で証言する意思があると伝えてきた。また、どのように証言するかに関して、中央情報局長官代理からのガイダンスを要請している。

我々は弁護団と密に連携を取っており、早ければ今週にも内部告発者による証言が聞けることを楽しみにしている。

しかし、シアラメラ氏が現職のCIA職員であることや、バイデン氏との関係が報じられると、シフ議長はこのツイートの発言内容を撤回している。10月13日、シフ議員はこれまでの論調を変更し、「我々の今現在の最重要な関心事は、その人物(内部告発者)が確実に保護されるようにすることだ」と述べている。

【訳】ウクライナとの電話会談に関する内部告発者の弁護士たちは、この諜報機関の職員の身元に関する憶測について新たな声明を発表。

一方、下院がトランプを弾劾する場合(その可能性は非常に高い)、次のボールは上院に投げられることになる。上院は、強制的に裁判を開く見込みである。共和党が多数派を占める上院は、そこで様々な文書やその他の証拠を召喚することができるだけでなく、シアラメラ氏やバイデン親子などを強制的に証人喚問できる。しかも、それは2020年大統領選挙が佳境に向かうタイミングでこうした権力を行使することができる。

民主党から立候補しているバイデン元副大統領は、弾劾手続きが長引くほど、そして共和党が多数派を占める上院が彼や彼の息子を証人喚問する事態となれば、彼が(そしてその他の民主党候補者が)選挙に勝つ可能性はさらに低くなるだろう。ウクライナ疑惑に端を発した大統領の弾劾は、そうした政治駆け引きが相まって、今後さらなる紆余曲折が起きることが想像できる。アメリカ政治は、テレビ・ドラマや映画さながらの「政治ショー」となっている。

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