ニュースレター登録

Loading

オールドメディアが伝えない海外のニュース

ホワイトハウスは職員全員にマスクを常に着用するよう命令|80%のアメリカ人がマスクをつければ90%以上の感染者数が減少するという最新の研究成果をカリフォルニア大学バークレー校の教授が発表

ホワイトハウスは職員全員にマスクを常に着用するよう命令|80%のアメリカ人がマスクをつければ90%以上の感染者数が減少するという最新の研究成果も

Photo via Flickr

 

トランプ大統領とマーク・メドウズ首席補佐官は、通称「ウェストウィング」と呼ばれるホワイトハウス西棟(大統領執務室や秘書室などがある)で勤務する全職員に対して、自身のデスクにいる時以外は常にマスクを着用するよう命じるメモを発表した。これをウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じた

 

トランプ大統領とペンス副大統領は、これまでに彼ら自身が公の場でマスクを着用していないことが大きく指摘されており、今回の命令はそうした批判の声に応える形となっている。

 

しかしこのマスク着用命令が出される直接的なきっかけとなったのは、先週、ホワイトハウスで勤務する2人の職員に、新型コロナウイルス(武漢ウイルス)の検査で陽性結果が出たことだ。そのうちの1人がペンス副大統領の補佐官であったため、ペンス副大統領は隔離場所で勤務すると発表している。特にペンス副大統領は、メイヨ・クリニックを訪問した際にマスクを着用し忘れていたことが長い間批判されている。

 

トランプ大統領は、彼の補佐官たちが大統領の安全を最優先にすることを怠ったという主旨の理由で「激怒した」と報じられている。

 

アメリカの主流の報道機関は、トランプ大統領のことを「無謀にもマスクをつけることを拒否している人物」という印象を与える報道を行なっており、彼を批判する人たちはトランプ大統領が一般の人々を混乱させる手本になっていると語っている。(しかしアメリカでは、マスクの効果に関して矛盾する研究結果が発表されていること、そして当初、マスクは病人のみが着用すべきであるという勧告が行われたことが、一般の人々を混乱させる原因を作ったとみるべきだろう。)

 

そしてなにより、欧米では文化的に予防のためにマスクをつけるという習慣がなく、政治的指導者たちがマスクをすることに武漢ウイルスの予防効果があるかもしれないと発表するまで、一般の人々の間にはマスクをすることを頑なに受け入れようとしない風潮が根強かった。

 

しかし、トランプ大統領は、これまでに公職の仕事をする際にマスクをつけることは「適切ではない」と考えていると語っている。

 

私が各国の大統領、首相、指導者、王族などと面会するときにマスクをつけるというのは・・・私がそうしている姿を想像することができない。

 

 

トランプ大統領の数人の補佐官たちは、WSJ紙に対して、トランプ大統領が今後もマスクをつけることはないだろうと語っている。

 

 

* * *

 

 

一方、80%のアメリカ人がマスクをつければ、(自宅待機を命令しなくても)武漢ウイルスの感染者数は90%減少するだろうという最新の研究結果が発表されている。これをVanity Fair が報じている

 

カリフォルニア大学バークレー校のコンピュータ科学者であるデ・カイ教授は、香港大学と共同研究を行なった。彼らの研究によると、お手製マスクでも、医療用マスクでも、はたまたスカーフやバンダナを使ってでも、全員「マスク」をするべきであるという結論を導いている。

 

カイ教授は、『masksim simulator』と呼ばれるコンピュータ・シミュレーション・モデルを構築した。このモデルは、疫学者たちが利用している洗練された複数のモデルを活用している。これら疫学者たちが使っているモデルは、SARSやエボラ、COVID-19ウイルスなどの様々な病原体によって引き起こされる感染拡大を追跡するために利用されている。そして、カイ教授のチームが開発したコンピュータ・モデルは、様々な感染率という条件下で、マスクを着用することの効果をシミュレーションしている。このモデルには、感染者が日常行為の全てを中断して、ビタミンDを生成するためにビーチに日光浴に行く、といった予測不能な人間行動といった「ランダムネス」が組み込まれている。また、カイ教授のチームは、マスクの品質が様々であり、コロナウイルスを含んだ飛沫の防御能力に違いがあるといった独自の媒介変数も組み込んでいる。

 

 

masksimのサイトと合わせて、彼の研究チームは研究論文を発表している。この論文は、彼らのモデルを詳細に説明している他、マスク必要派が正しいことを示す証拠が増え続けている中、masksimの予測がそうした証拠を裏付けていることを説明している。

 

masksimの協力者で、パリにあるL’Ecole de Guerre Economiqueの講師、エコノミスト、そしてサイバーセキュリティの専門家であるガイ・フィリッペ・ゴールドスタイン氏は次のように語っている:

 

「現在、マスクをつけることについて最も重要なことは、治療法やワクチンが開発されるまで我々が待つ間、人々が外出することを許可し、ビジネスを一部再開させながら感染者曲線を平らにするためには、ソーシャル・ディスタンシングと合わせてそれ(マスクをつけること)が効果あるということだ」。

 

バンダービルド大学で感染症の専門家であるウィリアム・シャフナー氏は、どんなモデルにもそれがベースとしている想定以上には優れた結果を出さないという限界がある一方、このモデルは「非常に綿密なモデルでありよくできている」と語っている。シャフナー氏はカイ教授たちの研究チームの論文を査読している:

 

「これは、他のほとんどの感染症専門家たちや私が提唱している考えを裏付けている。それはつまり、マスクがとても重要ということだ」。Vanity Fair

 

研究成果を説明するデ・カイ教授の動画:

 

 

 

BonaFidrをフォロー

執筆者

コメントを残す

error: コンテンツは保護されています。