米国政府がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館を72時間以内に即時閉鎖するよう命令|同総領事館では文書が大量に燃やされ消防と警察が駆けつける騒ぎに
米国現地時間の7月21日(火曜)夜、テキサス州ヒューストンにあるチャイナの総領事館で文書が燃えているとの通報を受け、ヒューストン市警と消防隊員が駆けつける事件が発生していた。
チャイナ総領事館の隣のビルから撮影された動画:
https://twitter.com/KPRC2Tulsi/status/1285772143788261376
【訳】この動画は、ヒューストンのチャイナ総領事館の隣に住む視聴者から私たちに提供された。この動画には、総領事館ビルの中庭で起きている火災と騒ぎを映している。
https://twitter.com/PorterMedium/status/1285760701555003393
【訳】速報:ヒューストン市警は、ヒューストンにあるチャイナ総領事館の中庭で文書が燃やされているという通報に対応している。現場には、警察と消防が大量に駆けつけている。
https://twitter.com/zerosum24/status/1285770534194688001
【訳】ヒューストンの地元メディアは、所在地3417 Montrose Boulevardにあるチャイナの総領事館の中庭で文書が燃えていると報道。
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地元メディアがこの火災の速報を流すと、人々の間では様々な憶測を呼んでいた。しかし一夜開け、ヒューストンのチャイナ総領事館で文書が燃やされている理由はすぐに判明した。
米国政府は、チャイナに対して、ヒューストンにある同国の総領事館を即刻閉鎖するよう命じたという。その閉鎖理由は、米国の知的財産とデータを保護する必要があるためとウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が現地時間の翌朝7月22日(水曜)午前6時過ぎに報じた。
この米国政府によるチャイナ領事館閉鎖命令のニュースが報じられると、世界の株式市場には激震が走っている。米国によるこの閉鎖命令は、米中関係の緊張を一気に高めると報じられている。チャイナ政府は、この閉鎖命令が乱暴な国際法違反であると非難している。チャイナ政府の広報官たちは、米国政府の決断を理不尽で前例のない決定だと一斉に非難している。
WSJ紙によると、アメリカ政府によるこの命令は昨日の7月21日(火曜)に発表されたという。中共政府外交部の汪文斌(ワン・ウェンビン)報道官は、北京で行われた定例記者会見の席で、この命令が「かつてない深刻化」を示しており、「米国側からの一方的な政治的挑発」であると語った。さらに、「チャイナは、米国に対して即刻この誤った判断を撤回するよう強く要請する。さもなくば、チャイナは合法的で必要な対応を取るだろう」とも語った。
チャイナ国営メディアである環球時報の英語版Global Timesの編集長は、次のツイートを投稿した:
The US asked China to close Consulate General in Houston in 72 hours. This is a crazy move.
— Hu Xijin 胡锡进 (@HuXijin_GT) July 22, 2020
【訳】米国は、チャイナに対してヒューストンにある総領事館を72時間以内に閉鎖するよう要請した。これはクレイジーな行動だ。
米国務省の報道官であるモーガン・オータガス氏は、具体的に何がきっかけとなりアメリカ政府がこの閉鎖命令を下すことにしたかについて言及を避けつつ、次のように語った:
トランプ大統領は、米中関係において公平性と互恵主義を強く要求している。・・・
アメリカ合衆国は、中華人民共和国による不公平な取引慣行、アメリカ人の仕事を盗む行為、そしてその他の甚だしい行為を容認してこなかったように、中華人民共和国が我々の主権を侵害すること、そして我々の国民を脅迫することに容赦しないつもりである。
現時点では、米国政府が明らかにしている正式な詳細情報は非常に限定的となっている。
昨日には、米司法省が、チャイナ政府と関係する中国籍のハッカー2人を、米国企業から何億ドルもの価値がある企業秘密や知的財産をハッキングで盗み出した罪で起訴したというニュースが報じられていた。
【追加情報】
共和党のマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)は、さっそく次のツイートを投稿している:
#China’s Houston consulate is a massive spy center, forcing it to close is long overdue.
— Marco Rubio (@marcorubio) July 22, 2020
【訳】チャイナのヒューストン領事館は、巨大なスパイ・センターだ。それを強制閉鎖するのは長年の懸案だった。
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