チャイナ国内でも中継された米副大統領テレビ討論会、中共政府はペンス副大統領の発言部分を遮断
今週水曜に行われたアメリカの副大統領テレビ討論会は、チャイナ国営メディアでも放送された。しかしマイク・ペンス副大統領とカマラ・ハリス上院議員が直接対決したこの討論会で、テーマが対チャイナ政策に変わった瞬間、ペンス副大統領の発言部分だけが放送中断される現象が起きた。
アメリカ国内では何らトラブルなく中継されたため、ペンス副大統領が中共政府を批判するのをチャイナの一般民衆が視聴することがないようにチャイナの国営メディアが意図的に放送の一時中断を行ったのは明らかだ。チャイナ国内では検閲され放送されなかった場面では、ペンス副大統領は新型コロナ災禍について「チャイナが責められるべき」と語っている。
これを最初に報じたのは、カナダGlobe and Mail紙の北京駐在員であるネイサン・バンダークリップ氏。
バンダークリップ氏は、テレビ討論会の進行役が対チャイナ政策について言及した瞬間、北京で映し出されたテレビ画面を写真に撮影しツイッターに投稿した。
China censored Pence’s comments on China. Signal returned when Harris began talking again. pic.twitter.com/0VEMAqDA95
— Nathan VanderKlippe (@nvanderklippe) October 8, 2020
【訳】チャイナは、ペンスによるチャイナについてのコメントを検閲した。ハリスが話し始めると信号が元に戻った。
(太字強調は訳者)
ペンス副大統領の発言を中断した画面には、英語と北京語で「信号がありません。お待ちください」というメッセージが表示され、技術的なトラブルで放送が中断しているような印象を与えている。
チャイナ政府が検閲したテレビ討論会の場面では、進行役のスーザン・ペイジが「あなた方のチャイナとの基本的な関係はどのようなものか、説明していただけますか?」と質問している。中共政府がペンス副大統領の回答を検閲する意図があったことは明白だ。ペンス副大統領はこの質問に次のように回答した:
「チャイナとWHOは、アメリカ国民に対して誠実ではなかった。彼らは、新型コロナウイルスについての情報を収集するために、我々の職員たちがチャイナに立ち入ることを2月中旬まで許可しなかった」。
ペンス副大統領の次にハリス上院議員が回答する場面になると、チャイナ国内で中断されていた放送は復旧した。ハリス上院議員はこの質問に次のように回答している:
「トランプ政権のチャイナに対する態度とアプローチの仕方によって、アメリカ人の命が失われ、アメリカの仕事が失われ、そしてアメリカの地位が失われる結果を招いている」。
保守系メディアでは、ハリス上院議員がこの質問に正面から答えず避けたと批判されている。具体的な理由は示さず、ハリス上院議員はトランプ大統領がオバマ政権が実現した「業績」を全て無効にすることに「奇妙な執着心」を持っていると非難した。
That’s because when asked whether China is an enemy or adversary, Kamala Harris completely dodged the question. https://t.co/ZLw4lajmRL
— Alana Mastrangelo (@ARmastrangelo) October 8, 2020
【訳】(ハリスが話し始めると信号が回復した理由は)なぜなら、チャイナが敵国かそれとも競争相手かと質問された際、カマラ・ハリスはこの質問を完全に避けたからだ。
今回の一件で、中共政府がトランプ陣営とバイデン陣営のどちらに大統領選挙に勝って欲しいと考えているかが明白となっている。
第2回目の大統領選挙テレビ討論会はキャンセルされる見込みだが、もし第3回目のテレビ討論会でトランプ大統領とバイデン候補が外交政策について討論することになる場合、中共政府がその場面をテレビ中継することはおそらくないだろう。
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