【スクープ報道】ハンター・バイデンは副大統領の父親ジョー・バイデンをブリズマ社の重役に紹介していた|決定的証拠eメールをNYポスト紙が入手
アメリカの主流メディアは、上院国土安全保障政府問題委員会が先月末に発表した調査報告書をほぼ無視し、「報道しない自由」を行使している。この報告書は、ジョー・バイデンの息子であるハンターが、ウクライナ、チャイナ、そしてロシアの企業と行ってきた金融取引が潜在的に「金融犯罪、対スパイ活動、そして強要行為という懸念」を生み出していると指摘しており、組織売春・人身売買から贈収賄に至るまで潜在的な犯罪行為が行われたと警告している。
トランプ大統領を弾劾裁判にかけるために、伝聞情報を使って内部告発をさせるなど、あらゆる手段を使ってウクライナ/ロシアゲート疑惑の追及を行っていたアダム・シフ下院議員(カリフォルニア州選出・民主党)は、この調査報告書が公開されたのと同じ日、報告書をまとめた共和党の上院議員たちに対して、「同じロシアからのデマ情報を広げようとしている」と批判していた。
それから3週間後の10月14日(水曜)、ニューヨークポスト紙は、ハンター・バイデンとブリズマ社との間でやり取りされたeメールをスクープ報道した。アダム・シフ議員はこの決定的な証拠についてどのような「批判」を行うのだろうか。
ニューヨークポスト紙はFBIが収集した証拠資料を基にこのスクープ報道を行ったが、これら証拠資料はこれまでどのメディアも報じていない新情報となっている。そしてこの新証拠は、ハンター・バイデンが当時副大統領であった自分の父親を、汚職の温床であるウクライナのエネルギー企業、ブリズマ社の重役に紹介していたことを暴露していると同紙は報じている。
ニューヨークポスト紙が報じたeメールは、過去のジョー・バイデンによる発言に新たな見方を示すものとなっている。ジョー・バイデンは、公開の場で、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領に無理やりビクトール・ショーキン検事総長を解任させたことを自慢げに語っている様子が動画撮影されている(以下がその動画)。
(バイデン親子に関するウクライナ汚職疑惑については、ここやここ、ここなどで詳しく報じている。)
この動画の中で、ジョー・バイデンは、米国からの10億ドルの政府資金援助を停止することを盾にとり、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領にショーキン検事総長を解任させることに成功したと自慢している。ショーキン検事総長はブリズマ社の経営層と取締役会に対する捜査を主導していたと報じられている。その取締役会には、ハンター・バイデンと彼の元ビジネス・パートナーであるデボン・アーチャーも名前を連ねていた。(デボン・アーチャーは、最近、証券詐欺で有罪判決を受けている。)
ジョー・バイデンは、ショーキン検事総長を解任させることにした自身の判断に、このブリズマ社への捜査が影響を与えたことを否定している。また、ジョー・バイデンは、息子がブリズマ社の取締役に就任して高額の報酬を受け取っていたことについて、一切何も知らないと繰り返し話している。
2019年10月にCBSイブニング・ニュースに出演した際、ジョー・バイデンは次のように語っていたとNYポスト紙は報じている:
「私は、自身の仕事や、彼ら、息子や娘の仕事について一切話し合ったことはない。私が自分の仕事について彼らと話し合ったことがない理由は、彼らが私の職務の場(つまり公務)をわきまえているからだ。それが全てだ。彼らは自己判断しなければいけない」。
また、ジョー・バイデンの広報担当女性は、2015年12月にNYタイムズ紙に送った声明の中で次のように記していた:
「ハンター・バイデンは一民間人であると同時に弁護士である。元副大統領(ジョー・バイデン)は、特定の企業を支援もしていなければ、この企業とも一切の関与はない」。
しかし新たにNYポスト紙が報じたeメールは、ジョー・バイデンがショーキン検事総長を解任させる1年弱前、つまりブリズマ社へのウクライナ検察の捜査を握り潰す1年弱前に、ハンター・バイデンが父親であるジョー・バイデンをブリズマ社の重役の一人に紹介していた証拠をつきつけている。ジョー・バイデンがブリズマ社の重役と面会していたことは、同社取締役会へのアドバイザーであるヴァディム・ポザースキー氏とハンター・バイデンとの間でやり取りされたeメールの中で言及されている。2015年4月17日に送信されたこのeメールの中で、ポザースキー氏はハンター・バイデンに対して彼の父親を紹介してくれたことに謝意を示している。以下の画像がそのeメールである。
(Screenshot via New York Post)
【訳】件名:お会いしてコーヒーでもどうでしょうか?
親愛なるハンターへ、私をワシントンDCにご招待いただき、そしてあなたのお父上と面会して彼と時間を共に過ごす機会を与えていただきお礼を申し上げます。実に名誉で喜ばしいことでした。昨晩、あなたと私の間でお話したとおり、本日、コーヒーを軽く飲むためにお会いできると嬉しいです。どうでしょうか?私が空港に向かう途中で、あなたのオフィスに正午かそれより前にお伺いすることが可能です。
敬具
V
iPhoneから送信
また別のeメールは、政治家の御曹司であるハンターがいかに「あなたの影響力を行使して」ブリズマ社を助けることができるかと、ポザースキー氏(ブリズマ社でナンバー3の重役と考えられている)が彼に尋ねていたことも明らかにしている。
これらの証拠は、「私は、自身の仕事や、彼ら、息子や娘の仕事について一切話し合ったことはない」というジョー・バイデンの主張を根底から崩すものである。ハンター・バイデンは、ウクライナだけでなくチャイナとも多数のビジネス取引を行っていることが知られている。
ハンター・バイデンがブリズマ社の取締役会に就任した直後となる2014年5月12日付けのeメールでは、ブリズマ社を助けるためにハンター・バイデンの「政治力」を使うようポザースキー氏が彼にプレッシャーをかけようとしていたことが示されている。そのeメールの件名には「緊急の問題」と記されており、ポロシェンコ大統領統治下のウクライナ検察官たちが同社に対して「ゆすり行為」を行おうとしていることが言及されている。ポザースキー氏によると、ウクライナの検察官僚たちは男性「NZ」にアプローチしてきたという。NYポスト紙は、この「NZ」という男性がブリズマ社の創業者であるミコラ・ズロチェフスキー氏(Mykola Zlochevsky)であることを特定している。ミコラ(Mykola)という名前は、英語にするとニコラス(Nicholas)となり、そのイニシャルはNZとなる。
この「NZ」と呼ばれる男性が検察官僚たちの脅し(ゆすり)を拒絶すると、彼らは「1件もしくはそれ以上の公判前訴訟」といった「具体的な行動」を起こしてきたとポザースキー氏は記している。
そしてこのeメールの中で、ポザースキー氏は次のように記している:
「政治的な動機からの行動だと我々は考えているこの事態を止めるために、どのようにあなた方の影響力を使ってメッセージ/シグナル等を発信できるかについて至急ご意見を聞かせていただく必要がある」。
以下がそのeメールである:
【訳】
From: ヴァディム・ポザースキー
件名:緊急の問題
日付:2014年5月12日 8:29AM
To:デボン・アーチャー;ハンター・バイデン
親愛なるハンターとデボンへ、
コモ湖を訪問中に行った我々の会話と、その後さらに行った我々のディスカッションのフォローアップとして、以下の状況をあなた方にお伝えしておきたい。
過去に様々な場面で指摘していた通り、(ウクライナで)新たに権力の座についた者たちは、NZに対してかなり強引にアプローチしてきており、彼から現金を奪う目的で非公式に言い寄ってきている。当初は、スボボダ党(訳者注:「スボボダ」はウクライナ語で「自由」の意味。同国最大の党)および内務省の代理人たちがアプローチしてきた。こうした、いわゆる非公式の「コミュニケーション」は、必然的にブラックメール(脅し)を伴っている:もし我々が協力、つまり現金を渡さなければ、NZが持つ天然ガス生産事業は停止や破壊されるだろう・・・(以下省略)
このeメールが送信されたタイミングにも注目すべきである。ブリズマ社の取締役会にハンター・バイデンが加わるという発表が行われたのは、まさにこのeメールが送信されたのと同じ時期だった。
このeメールは、ブリズマ社が抱える訴訟問題(つまり検察からの脅し)を解決するために同社はハンター・バイデンを取締役として迎え入れたことを示す最新の証拠となっている。同社は、ハンター・バイデンが彼の父親であるジョー・バイデン副大統領(当時)に働きかけることで、ウクライナ検察官たちからのこうした「ゆすり行為」からブリズマ社を守ることができると考えていた可能性が高い。
今回NYポスト紙がスクープ報道したeメールは、ハンター・バイデン本人のパソコンから入手したものであるという。ハード・ドライブには、eメールのほかにも写真が保存されており、NYポスト紙はそれら写真のいくつかをあわせて掲載している(以下)。
Photos via New York Post
NYポスト紙によると、このパソコンはジョー・バイデン一家の地元であるデラウェア州のパソコン機器修理店に預けられたものであるという。しかしこのパソコンの修理が終わっても、誰も受け取りに来なかった。そこで修理店のオーナーは、このパソコンのハードドライブに何が保存されているか確かめ、そしてその内容をコピーし、それをルーディー・ジュリアーニ元NY市長とつながりがある弁護士に提供したという。NYポスト紙は先週末ジュリアーニ氏からこれらデータを受け取ったと報じている。言うまでもなく、ジュリアーニ元NY市長は、現在、トランプ大統領の個人弁護士を務めており、バイデン一族のウクライナ汚職疑惑について調査を進めている。
おそらく、アメリカの主流メディアはこのスクープ・ニュースを隠蔽しようとし、また「報道しない自由」を行使するだろう。
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