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スイス政府はチャイナの工作員を自由に入国させる秘密協定を結んでいた=ガーディアン紙が報道

習近平と握手をするスイスのドリス・ロイトハルト連邦大統領 (撮影日2017年1月16日:撮影場所スイス・ベルン:Photo via Reuters)

スイスとチャイナの間で秘密裏に結ばれた裏協定の詳細が、今週リークされた。この秘密協定は、チャイナの「スパイ」が、スイス国民の税金を使ってスイスに入国することを許可している。この秘密協定は2015年に締結され、現在、更新を迎えている。同協定は、「チャイナの工作員たちがスイス国内を移動し、スイス当局が国外退去させたいと思っているチャイナ国籍の容疑者たちに面接を行う条件について定めている」と、12月9日(水曜)に英国のガーディアン紙が報じた

 

この秘密協定は、スイス政府から発表されたことは一度もなく、今年8月になるまで公的にその存在が認められることもなかったとガーディアン紙は報じている。これは、「スイスが諸外国と結んでいることが広く知られている50以上の協定(国外退去者に付き添う要員をその国から派遣してもらう協定)とはかなり異なる。事実、この協定はあまりに秘密とされていたため、スイスの国会や外務委員会ですらその存在を知らなかった」と同紙は報じている。

 

アジアに特化した人権キャンペーン組織である「Safeguard Defenders(意味:保護条項の擁護者)」が、最初に元の文書を翻訳し、「異常なまでの秘密主義の約束」が行われていたことを明らかにしている。

 

具体的な事例として、スイス政府は、彼らの2週間の「ミッション」のためにチャイナの専門家を自国に呼ぶ必要があった。チャイナ政府は、スイスの要請を受けて工作員たちを派遣した。これらチャイナの工作員たちは「公式な資格のないまま」スイスへの入国が許可され、スイス政府もまた彼らの身元を極秘にした。これら工作員たちが、その後スイス政府のためにまとめた報告書もまた、極秘扱いとされた。

 

二国間で結ばれたこの秘密協定には、チャイナの工作員たちがスイス当局と共同で行う活動以外について、チャイナの工作員らを監視する規定は含まれていなかったとガーディアン紙は記している。先ほどの「Safeguard Defenders」のピーター・ダーリン所長は次のように声明の中で語っている:

この2週間に彼ら(チャイナの工作員)が行ったことは全く監視されていなかった。そのようなことが許可されているという事実は、異例のことである・・・もしこのことが秘密にされたままであったならば、他の政府は知り得なかったということを意味する。

 

米国のセトン・ホール大学・法学部のマーガレット・ルイス教授は、この協定がチャイナにとって「極端に有利」であると指摘している:

スイスにいる不法滞在者といった(重要度の)低いレベルの人のために、中華人民共和国が役人を派遣までするということであるのなら、これ(この協定)は奇妙であると私には思える。この(チャイナの役人を派遣までするという)動機は、(国外退去の対象となっている)人物たちが、中共政府にとって利益のある人たちである可能性が高いということだ。

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