英国公衆衛生庁は今年に入ってインフルエンザ患者が一人も検出されていないと発表・・・米国もインフルエンザ患者数が過去最低を記録 果たしてその原因は?
英国公衆衛生庁(PHE)は、今年に入ってインフルエンザの感染者が一人も検出されていないと発表した。これを受けて、ある大学教授は、冬の間、インフルエンザによる死亡者数を「ゼロ」に抑えるためにマスク着用が継続されるべきだと語っている。しかし、果たしてインフルエンザの患者数が低いのはマスクのおかげなのだろうか?
英国のIndependent紙は次のように報じている:
社会的な制限が敷かれたことで、コロナウイルスの感染率が抑えられ、それにインフルエンザ・ワクチンの接種率が上昇したことが合わさって、感染率を押し下げる要因となっている。
英国公衆衛生庁(PHE)のラボが1月第1週目から検査を行なった68万5243件の検体から、インフルエンザの感染は1件も見つからなかった。
クリスティーナ・ペイゲル教授は、新型コロナウイルス(武漢ウイルス)と闘うために導入された対策のいくつかが、インフルエンザの感染対策にも効果を発揮した可能性があると推察している。さらにペイゲル教授は次のように語っている:
私たちは、インフルエンザによる死者数を限りなくゼロに下げることができます。・・・人々に(毎冬、公共交通機関や混み合った場所で)マスク着用を呼びかける価値があります。
しかし、他の公衆衛生の専門家たちの中には、インフルエンザの感染者数がこれほど劇的に低い理由は、インフルエンザ感染者数が誤ってCOVID-19(新型コロナ)感染者とカウントされているからであると指摘する人たちがいる。
先月、世界トップレベルの疫学者であるナット・ウィットコウスキー氏は、「インフルエンザの大部分がCOVID-19と改名されている」と断言している。
米CDCによると、昨年9月〜12月19日の週までのインフルエンザ陽性反応の累積結果は、わずか0.2%だった。その前年同期は8.7%だった。
ロックフェラー大学で「生物統計学、伝染病学、研究設計」部門の元責任者を務めたウィットコウスキー氏は、これは多くのインフルエンザ感染者が、誤って新型コロナウイルスの感染例としてカウントされているためであると語っている:
かなり多くのインフルエンザ感染者が、COVID-19症状はあるがSARS RNA検査を受けていない人たちに該当する「COVID-19と思われる」カテゴリーに含められている可能性がある。(インフルエンザの症状は、COVID-19に間違われることがある。)
昨年4月に英国統計局が発表したデータもまた、インフルエンザと肺炎による死者数が、新型コロナの3倍であったことを示していた。
当時、BBCは次のように報じていた:
インフルエンザと肺炎による死者数(3万2000人以上)は、今年起きている新型コロナによる死者数の合計より3倍多い。
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一方、米国でもインフルエンザの感染者数が過去最低を記録したと、2月24日にNBC/AP通信が報じている。
通常であれば、2月にインフルエンザ・シーズンのピークを迎えるが、今年はインフルエンザ・ウイルスが全米から姿を消したようだとNBC/AP通信は報じている。
しかしオールドメディアであり左派メディアのNBC/AP通信は、インフルエンザが誤って新型コロナ感染ケースとしてカウントされている可能性には一切触れず、マスクの着用やソーシャルディスタンス、バーチャル授業をその要因として挙げている。
さらに、別の可能性として次ようなものがあると報じている:
新型コロナウイルスは、秋から冬にかけて一般的となるインフルエンザやその他のウイルスを無理やり押しのけている。科学者はその背後にあるメカニズムを完全には理解していないが、ある特定のインフルエンザ・ウイルス株が他の株よりも優勢となる際に見られるパターンと一致していると、ミシガン大学でインフルエンザが専門のアーノルド・モント博士は語っている。
しかしNBC/AP通信も今季の事態が異常であることを認めている:
長い間、インフルエンザが全米で最大の感染病の脅威であったことを考えると、この数字は驚愕である。近年では、年間入院患者数のうち60万〜80万件、そして死者数のうち5万〜6万人が、インフルエンザが原因となっていた。
これほど「驚愕」なまでに、インフルエンザの感染者数が世界的に減っているのはなぜだろう?
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