カリフォルニア州で発生した2020年の大規模山火事1件は、殺人事件の遺体を隠蔽しようとした放火犯が原因と当局が発表
2020年に北カリフォルニアで発生した大規模な山火事1件で、2人が死亡した。この山火事は、カリフォルニア州で史上最大規模の一つとなった。しかしこの山火事は、自らが殺害した女性の遺体を隠蔽しようと放火した犯人が原因だったと政府当局が発表した。ロサンゼルスタイムズ紙が4月29日(木曜)に報じ、USA Todayなどその他複数のメディアが4月30日(金曜)に後追い報道した。
カリフォルニア州ソラノ郡保安官事務所がこの火災について8ヶ月に及ぶ捜査を行った結果、ビクトール・セリテノ(29歳)が4月28日(水曜)に再逮捕された。
昨年の8月18日、ベリーサ湖の近辺で発生した「マークレイ・ファイヤー」(山火事につけられた名称)で、ダグラス・マイさん(82歳)とレオン・ボーンさん(64歳)が亡くなった。
この1ヶ月後にビクトール・セリテノは逮捕され、9月2日に同じ湖の近くで焼死体として発見されたプリシラ・カストロさん(32歳)を死亡させた容疑で、保釈金なしで拘留されていた。
プリシラ・カストロさん
(Photo published to Facebook by the Vacaville Police Department on Sept. 11, 2020.)
ビクトール・セリテノ容疑者は彼女の殺害について無罪を主張している。
当局によると、カストロさんは8月16日、セリテノ容疑者とデートをした後、自宅に戻らず行方不明になっていた。
2人はオンラインの出会い系アプリで知り合った。
保安官事務所とカリフォルニア州森林保護防火局(CalFire)による捜査の結果、この火災は放火であると結論づけられ、死亡者は正式に殺人事件とみなされている。
マークレイ・ファイヤーは、発生から数日以内に「ヘネシー・ファイヤー」(別の場所で発生した山火事)と合流し、最終的にはカリフォルニア州で史上5番目の規模である「LNUライトニング・コンプレックス・ファイヤー」の一部となった。
ソラノ郡のトム・フェラーラ保安官は水曜日の記者会見で、「8ヶ月に及ぶ広範な捜査に基づき、我々はセリテノがこの犯罪を隠蔽するために意図的にマークレイ・ファイヤーを起こしたと考えています」と語った。
今後、ビクトール・セリテノ容疑者は、カストロさんに対する殺人罪に加えて、特別な状況下における2件の殺人罪と、緊急事態宣言が発令中に放火を行ったことを含む複数の放火罪にも問われることになる。
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日本でも、昨年発生したカリフォルニア州の山火事は「気候変動」や「地球温暖化」のせいであるや、それらが山火事を悪化させているという報道が大々的に行われたが、これは誤報や誇張である可能性が強まっている。
【BBC News | Japan(2020年9月25日)】カリフォルニアの山火事、「気候変動で加速」 科学者が警告
【日本経済新聞(2020年9月29日)】カリフォルニア州の山火事、ワイン産地ナパバレーにも
山火事の原因をめぐっては、気候変動が原因と指摘するニューサム州知事と、土地管理が主な原因だと主張するトランプ大統領の対立にも発展している。英イースト・アングリア大学のマシュー・ジョーンズ博士らは「気候変動が米西部に以前より高温で乾燥した天候をもたらし、山火事リスクが格段に増している」との調査結果をまとめた。
【MIT Technology Review(2020年9月7日)】カリフォルニア州でまた山火事が多発、気候変動の影響は?カリフォルニア州全体で落雷による数百件の山火事が発生し、多くの住民が避難を余儀なくされている。異常気象の原因が地球温暖化であることはほぼ間違いない。
【GIZMODO(2020年10月11日)】カリフォルニアの山火事、現代史に残る最初の「ギガファイア」に
こうした異常な規模の山火事は、地球温暖化が進むにつれてさらに続発するリスクがあります。
【AFP通信(2020年9月12日)】【図解】なぜ気候変動が山火事を悪化させるのか
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