米・国立アレルギー感染病研究所(NIAID)の職員の約半数しか新型コロナ・ワクチンを接種していない——アンソニー・ファウチ所長が連邦議会の公聴会で認める
米・国立アレルギー感染病研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、彼がトップを務める同連邦政府機関の職員のうち、約40%がいまだに新型コロナ・ワクチンの接種を受けていないと語った。同じ公聴会の席上で、米・食品医薬品局(FDA)の生物製品評価研究センター(CBER)所長も、FDA職員のワクチン接種率は同程度であると回答した。FDAは新型コロナ・ワクチンの緊急利用許可を承認している政府機関。
連邦上院議会の公聴会で、リチャード・バー上院議員(ノースカロライナ州選出・共和党)は、国立アレルギー感染病研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長、FDAの生物製品評価研究センター(CBER)のピーター・マークス所長、そしてアメリカ疾病管理予防センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長に対して、彼らが務める各連邦政府機関の職員の間における新型コロナ・ワクチンの接種率について質問した。
この公聴会の様子を撮影した動画:
Senator Burr asked Fauci, Peter Marks from the FDA, and @CDCDirector what percentage of their own employees are vaccinated.
— Phil Kerpen (@kerpen) May 14, 2021
Fauci probably a bit more than half, around 60%.
Marks said about the same.
Walensky dodged the question. pic.twitter.com/zoeZXZeCWM
【訳】バー上院議員は、ファウチ、FDAのピーター・マークス、そしてアメリカ疾病管理予防センター(CDC)所長に対して、彼ら自身の職員たちの何%がワクチン接種を受けているかと質問した。
ファウチ(NIAID所長)は、おそらく半数以上、約60%(と回答)。
マークス(FDAのCBER所長)は、大体同じと回答。
ワレンスキー(CDC所長)は質問を巧妙に避けた。
ファウチ所長は次のように回答している:
上院議員、私は100%の確信があるわけではありませんが、おそらく半数以上だと思います。おそらく60%くらいでしょう。
マークス所長もまた、正確な数字は言えないが、ファウチ所長の返事と「おそらく同じ範囲内です」とバー上院議員に答えている。
さらにマークス所長は、FDAの職員たちは、彼らの職場でワクチン接種を受けている人たちもいれば、彼らの勤務場所以外の施設でワクチン接種を受けている人たちもいると語っている。
この3人の中でCDCのワレンスキー所長だけがバー上院議員の質問に答えず、次のようにお茶を濁している:
(CDCの職員たちは)自分たちのワクチン接種状況について(職場に)報告すべきかどうかを選択制にしています。・・・
連邦政府は、それ(接種状況の報告)を義務化していないため、私たちは(職員のワクチン接種率について)把握していません。
米・行政予算管理局(OMB)は、各連邦政府機関によってワクチン供給にばらつきがあることについて、Federal News Networkの取材に次のように回答している:
(国防総省や退役軍人省など)ごく一部の連邦政府機関だけ(が政府職員たちに直接ワクチンを供給している)。
大半の政府機関の職員たちは、(彼らが居住する)州や地方自治体が定めた優先順位に従って、州や地方自治体を通じて予防接種を受けている。
全米の地域によっては、使われず残ったワクチン在庫が増えていると報じられている。
一方、米軍を見てみると、海兵隊は4月23日時点で約9万3500人の海兵隊員が新型コロナ・ワクチンを接種しているが、5万2900人の海兵隊員はワクチン接種を拒否している。拒否率は約36%。4月9日時点の報道では、海兵隊員の間のワクチン接種拒否率は38.9%だった。
4月30日に出演した朝の情報番組“Today”の中で、ジョー・バイデンは軍人たちのワクチン接種を強制する可能性があると発言している:
わからない。それ(強制的なワクチン接種)は軍に任せるつもりだ。
私が(軍人に対するワクチン接種の強制を)するつもりがないと言っているわけではない。彼らのより多くがワクチン接種を受けるようになると思う。軍隊では、他の軍人と密になるため、ワクチン接種を義務付けるかどうかは難しい判断になると思う。
早速、軍はワクチン接種を受けていない兵士たちへの圧力を強めている。フォート・キャンベルのJP・マクギー少将は、ワクチン接種を拒否する兵士たちに対して、この夏の休暇中の帰省や旅行に制限が加えられる可能性があると今月発表している。
ジョー・バイデンもまた、ワクチン接種を受けない国民に対して圧力とも取れる発言を繰り返している:
The rule is now simple: get vaccinated or wear a mask until you do.
— President Biden (@POTUS) May 13, 2021
The choice is yours.
【訳】現在のルールはシンプルだ:ワクチン接種を受けるか、さもなくばあなたたちがそうするまでマスクをつけ続けろ。
選ぶのはあなたたちだ。
さらにジョー・バイデンは、今後、公共の場でマスクを着用している人たちは「反ワクチン派」とみなされると示唆するような発言も行っている。
Pres. Biden: If you see someone in a mask, "please treat them with kindness and respect."
— ABC News (@ABC) May 13, 2021
"We've had too much conflict, too much bitterness, too much anger, too much politicization of this issue…Let's put it to rest." https://t.co/JnOdGRIaZy pic.twitter.com/bI0Y1AYkaI
【訳】バイデン大統領:もしあなたがマスクをつけている人を見かけたら、「彼らを優しさと敬意を持って接してあげてください」。
「私たちは、この(マスク)問題について、あまりにも多くの対立、憎しみ、怒りを生み、そして政治問題化してきた・・・これに区切りをつけよう」。
ワクチンの接種率を高めるため、地方政府も様々な「アメとムチ」を考案している。最近報じられた新政策で話題となっているのは、オハイオ州である。同州でワクチン接種を受けた人は、毎週、1人に100万ドル(約1億円)が当たる宝くじ券がもらえる政策を始めたと、地元テレビ局のWLWTが5月12日(水曜)に報じている。このインセンティブ政策は5週間にわたって行われ、合計5人にそれぞれ100万ドルずつの「賞金」が与えられる。
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