【新たな内部文書】Dr.ファウチは議会で虚偽答弁を行なったことが公開された文書で裏付けられる——NIHは武漢でMERSのキメラ・ウイルスを研究開発するためにも資金提供していた
アメリカ国立アレルギー感染病研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は、7月に行われた上院議会の公聴会で、ランド・ポール議員(ケンタッキー州選出・共和党)に向かって、「嘘をついている人がいるとすればそれはあなただ!」と金切り声をあげた。武漢の研究所で行われていた、コロナウイルスがヒトに感染する能力を高めるための「機能獲得研究(Gain-of-Function)」に出資していたのはファウチ所長だと、ポール議員から非難されたことに腹を立てての反応だった。しかしファウチ所長は、証拠を示すことなく、非難を受けている研究は厳密には機能獲得研究の定義に当てはまらないと主張したことでこの話題は下火になっていた。
しかし、左派ニュースサイトThe Interceptが国立衛生研究所(NIH)に対して行なった情報開示請求訴訟により、新たに公開された文書(ここやここ)から、ファウチ所長が出資していたニューヨークの非営利団体「エコヘルス・アライアンス」(ピーター・ダザック氏が代表)は、SARSをベースにしたコロナウイルスのキメラ体を作るために間違いなく機能獲得研究を行っていたことが判明した。彼らは、実験室で生み出したそのキメラ体がヒトの細胞に感染することも確認していた。
以下は公開された文書からの抜粋:
【訳】.+++++++この(研究助成金)授与には、「米保健社会福祉省(HHS)パンデミックの可能性を高める病原体に関わる研究提案について資金提供の決定を導くためのフレームワーク (DHHS P3CO Framework)」の対象となる研究を支援するための資金は含まれていない。したがって:○目的1:野生動物から人獣共通感染症の可能性が高いウイルスの特定、特徴付け、流出リスクのランク付けを行うために、SARSに類似したキメラのコウモリ・コロナウイルスの構築はSHC014またはセンザンコウ・コロナウイルスの分子クローンをベースにし、そしてキメラのMERS-CoVの構築はHKU5株をベースにする。
【訳】我々のリバース・ジェネティクス・システムを用いて、我々はキメラ・ウイルスを構築し、そしてコンピュータ内での配列から完全長の組換えSARSr-CoVを再構築した。3つのSARSr-CoV完全長分離株と2つのキメラ・ウイルスはすべて、Vero E6細胞およびhACE2、ハクビシン、コウモリのACE2を発現するHela細胞で効率よく複製したが、ACE2を持たない細胞(24, 61, 98)では複製しなかった。我々は、SARS-CoV逆遺伝システム(72)を用いて、SARS-CoV Sから10%の配列分岐を持つSHC014 Sタンパク質を発現する、マウスに適応したSARS-CoVバックボーンを持つキメラ・ウイルスを作製した。
この研究の証拠は、すでに発表されている複数の研究で指摘されていたが、今回新たに開示された内部文書は、実際に何が起こっていたのかを明らかにする重要なパズルの1ピースとなっている。
Covid-19の起源を調査している「U.S. Right To Know(米国知る権利)」のエグゼクティブ・ディレクター、ゲイリー・ラスキン氏は、開示された内部文書について次のようにコメントしている:
これは、現在のパンデミックにつながった可能性のある、リスクの高い研究のロードマップ(計画表)です。
また、ラトガース大学化学学部のリチャード・H・エブライト教授は次のように指摘している:
NIHが武漢ウイルス研究所(WIV)での機能獲得研究や潜在的なパンデミック病原体の強化を支援していないという、NIHのフランシス・コリンズ所長とNIAIDのアンソニー・ファウチ所長の主張が真実ではないことが、この文書で明らかになった。
つまり、ファウチ所長は、機能獲得研究に研究助成金を提供していないと述べた時、連邦議会に対して虚偽答弁を行なったということになる。議会に対する虚偽答弁は犯罪である。
7月に行われた議会公聴会の動画:
https://twitter.com/therecount/status/1417500993193975809
【訳】「ポール上院議員、あなたは自分が何を話しているのかわかっていません」。
ー ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州選出・共和党)から、武漢の研究所での機能獲得研究について議会に嘘をついたと非難された時のDr.ファウチ。
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「もしここで嘘がついている人がいるとすれば、上院議員、それはあなただ」。
ーDr.ファウチからランド・ポール上院議員(ケンタッキー州選出・共和党)への発言
エブライト教授は、The Interceptによる報道について、9月6日(月曜)夜、次のようにツイッターに連続投稿している:
https://twitter.com/R_H_Ebright/status/1435053506474377218
【訳】「<新たに公開された>文書には、武漢ウイルス研究所で米国が資金提供したコロナウイルス研究の詳細が記載されている・・The Interceptは、チャイナのこの研究所でエコヘルス・アライアンスが行った研究の詳細を示す900ページ以上の文書を入手した・・」
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「今回の大量の文書には、NIAIDから資金提供を受けた未公開の2つの助成金提案書や、パンデミックの起源に対する関心が高まる中で詮索を受けてきたエコヘルス・アライアンスの研究に関するプロジェクトのアップデート情報などが含まれている」。
(太字強調はBonaFidr)
今回新たに公開された文書は、NIH/NIAIDからの研究助成金が、武漢で行われた新型キメラのSARS関連コロナウイルスの構築を支援していたことを裏付けている。さらに、そのキメラ・コロナウイルスは、あるコロナウイルスのスパイク遺伝子と別のコロナウイルスの遺伝子情報を組み合わせたものであり、その結果生み出されたウイルスはヒトの細胞に感染することが確認されていたことも裏付けている。
【訳】ウィルス株の優先順位付け:予想される100-200株の新型SARSr-CoV株と、合計約600株のCoV株のうち、以下のようなS遺伝子に基づいて、我々はさらなる特性評価のために優先順位をつけて選別を行う:i) SHC014、WIV1、SARS-CoVとは異なる多様性の範囲が10~25%である、ii) ヒト/コウモリの受容体を使用する可能性のあるウイルスS RBDを持つ、iii) クレード(分岐群)IとIIの株の間で遺伝子流動を示す組換えキメラ・スパイクを持つ、iv) ヒトの受容体を利用できるスパイクRBDを選択して侵入する可能性がある、コウモリのACE2またはDPP4受容体がある(SARSs-CoVのS RBDドメインに結合するヒト/コウモリACE2分子にある15/18の保存残基は、3/18の保存部位よりも効率的な受容体である可能性が高い)。
これら文書は、この研究の結果、実験室で作られた新型SARS関連コロナウイルスが、ヒトの受容体を細胞上に表示するよう操作されたマウス(「ヒト化マウス」)にも感染することを明らかにしている。
さらにこれら文書では、実験室で作られた新型SARS関連コロナウイルスのうち、これまで公開されていなかったものが、元となった当初のウイルスよりもヒト化マウスに対する病原性が高かったことが初めて明らかにされている。
つまり、この研究により生み出されたキメラ・ウイルスは、病原性が高まることが合理的に予想されただけでなく、実際に病原性が高まったことが実証されていた。
また、武漢では、あるMERS関連コロナウイルスのスパイク遺伝子と別のMERS関連コロナウイルスの遺伝子情報を組み合わせた新型キメラMERS関連コロナウイルスの構築も行われ、その研究にもNIH/NIAIDの資金が提供されていたことが今回の文書から明らかになっている。
これら内部文書は、NIHのフランシス・コリンズ所長とNIAIDのアンソニー・ファウチ所長が、NIHは武漢ウイルス研究所(WIV)での機能獲得研究や潜在的なパンデミック病原体の強化に対する支援は行なっていないと主張していることが事実に反することを突きつけている。
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