ロスチャイルド家は今の銀行危機が起きるわずか数週間前に投資銀行ロスチャイルド・アンド・コーを非公開化する計画を発表——全株主に19%のプレミアムを支払い株式の非公開化を急ぐ
シリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー・バンク、そしてクレディ・スイスと、銀行が次々と破綻する現在の銀行危機が起きる数週間前に、ロスチャイルド家は自らの投資銀行ロスチャイルド・アンド・コーを非公開化する計画を発表していた。
今年2月7日、日本経済新聞はフィナンシャル・タイムズ(FT)紙の報道を次のように伝えていた:
欧州の金融財閥ロスチャイルド家は、所有する投資銀行ロスチャイルド・アンド・コーの株式非公開化を計画している。国際金融界屈指の名門として知られる同社の企業価値を37億ユーロ(約5300億円)とする計画だ。
パリ上場の同社株式の38.9%、議決権の47.5%を保有するロスチャイルド家の持ち株会社コンコルディアは6日、株式買い取りのための資金調達について金融機関や投資家と協議中であることを明らかにした…
そして2月14日、『フォーチュン』誌は次のように伝えている(太字強調はBonaFidr):
高級ブランド大手シャネルのオーナーを含むフランスの3大富豪一族は、ロスチャイルド・アンド・コーに出資し、その名を冠したフランスの銀行を非公開化するための支援を行う。
月曜日に発表した声明によると、ダッソー家、プジョー家、ヴェルトハイマー家、そしてイタリアのジャンマリア・ジュリアーニが、ロスチャイルド家の持ち株会社コンコルディアによる1株当たり48.0ユーロの提案を支援する見込み。この株価は歴史ある当該企業に対する評価額は約37億ユーロとすることを反映したもの。 また、以前、ロスチャイルド・アンド・コーがモレル一族の金融会社と合併した際に同行の株主となっていたモレル一族や、他のロスチャイルド一族のメンバーらも彼らに加わる予定。
この銀行の前身は、1815年のワーテルローの戦いでナポレオンに勝利したウェリントン公爵に資金を提供した銀行で、今月初めにこの取引の概要を発表した。ロスチャイルド・アンド・コーを非公開化するために同行に投資するこれら一族は、フランス資本主義界で最も有名な一族たちである。ダッソー家は防衛と航空、プジョー家は自動車製造、そしてヴェルトハイマー家はツイードスーツとナンバー5の香水で有名な高級ブランドにそれぞれ根ざしている。
マネージング・パートナーのフランソワ・ペロールは記者団との電話会談で次のように語っている。
「彼らは、会社の発展に対する信念を私たちと共有しています。これらの一族は、それぞれ異なる理由でロスチャイルド家と信頼関係を築いています」。
コンコルディアは、同銀行の事業にはもはや公開株式市場からの資金調達は必要ないと主張しており、今回の措置は、ロスチャイルド家がパリに拠点を置く同企業への支配を強固にするためのさらなる活動であると主張している。声明によると、この取引を支援する「志を同じくする」投資家は、8年間(資金を)動かせないことになる。
ロスチャイルド・アンド・カンパニーは、財務アドバイザリー業務が収益の大半を占めているが、資産運用部門やマーチャント・バンキング業務も展開している。2018年から、7代目の御曹司であるアレクサンドル・ド・ロートシルトが率いるこの銀行は、米国で事業を拡大しており、ディールアドバイザリー市場の低迷の多くを回避することができたことで、昨年のM&A件数で業界6位となっている。
このオファー内容を確認するのに合わせて、同銀行はアナリストの予想を上回る通期純利益を発表した。
今後、同銀行は外部成長ではなく、しばしば歩みの遅い有機的成長という手法に注力することを継続するとペロル氏は述べている。
コンコルディアによると、1株当たりの価格は、2月3日の終値にプラスされた19%のプレミアムを反映しているという。コンコルディアはすでに同社の株式の38.9%、議決権の47.5%を保有している。ロスチャイルドの株式は、この計画が発表されて以来、47ユーロに近い価格で取引されている。
ペロル氏によると、8月末に実施される可能性のある上場廃止後、コンコルディアは同銀行の資本の約55%、長期投資家は約35%、同銀行のパートナーは約10%を保有することになるという。
(以下省略)
BonaFidrをフォロー【訳】「ロスチャイルド家は今の銀行危機が起きるわずか数週間前に、全株主に28%のボーナスを支払って彼らの投資銀行を可能な限り早急に非公開化していた。メディアはそのことに全く言及していない」
興味深い