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SVB銀行の破綻で“第2次世界大恐慌”の開始を伝えるゴングが鳴る——「FRBに残された時間は48時間」しかし1929年来の大恐慌を意図的に起こすことがFRBの計画か?

Photo via Flickr

【アップデート情報】米国時間の3月12日(日曜)夕、FRBは声明を発表した

米国の企業や家計を支援するため、銀行がすべての預金者のニーズに応える能力を確保できるよう、対象となる預金取扱機関に追加資金を提供することを発表しました。 この措置は、銀行システムの預金保護能力を強化し、経済への継続的な資金供給と信用供与を保証するものです

 

さらに、米財務省、連邦預金保険公社(FDIC)、そしてFRBは共同声明を発表し、これら3つの機関が特別な措置を講じることができる条件である「システミックリスク」を理由に、SVBの全ての預金者を救済すると発表した。これにより、通常であればFDICの保険対象ではない25万ドル以上の預金も保証される。

 

3月12日(日曜)、「システミックリスク」を理由にニューヨーク州当局に閉鎖され破綻したニューヨークの銀行シグネチャー・バンクの預金者も、同様に救済される。

 

ただし、SVBの債権者や株式保有者は救済されない見込み。

 

これでFRBの利上げサイクルは終わりを迎え、また市場流動性を高めるための新たな大規模資金の注入が始まる。わずか4日前、パウエルFRB議長は、議会で50bpsの利上げが可能だと発言したばかり。しかし4.75%の金利にさえ市場は耐えられず、破綻した銀行を救済するために税金を使うことになった。

 

* * *

 

米国時間3月10日(金曜)に発生したシリコンバレー・バンク(SVB)の破綻で、世界経済とグローバル金融システムに大きな亀裂が入った――

 

2月1日に「売れ」と一言ツイートしていた伝説の投資家、マイケル・ビュリー氏は、SVBの破綻を受けて次のように投稿している(この投稿は280万回以上の閲覧数):

【訳】次は、現代版の「ワールドコム」(*)が出てくる。辛抱(=時間の問題)。

(*ワールドコムは、2002年夏、全米史上最大規模の不正会計が発覚し破綻した大手長距離通信事業者。2008年に経営破綻した投資銀行のリーマン・ブラザーズに抜かれるまで、アメリカ合衆国史上最大の経営破綻だった。)

 

マイケル・ビュリー氏はまた、「現代版のエンロンが今日見つかった可能性がある」と発言したことも報じられている。総合エネルギー取引とITビジネスを行っていた米国のエンロンもまた、2001年10月に巨額の粉飾決算事件が発覚し同年12月に破綻した。

 

さらに2008年のワシントン・ミューチュアル(WaMu)破綻以来、米国史上2番目の規模の銀行破綻となったSVBを「リーマンショック2.0」と喩えたり、次のように分析するアナリストもいる:

ドットコム・バブル2.0+SVB破綻=2023年市場暴落&第2次世界大恐慌

これまで何年にもわたって、FRBの金融政策はいずれ破綻する、と批判してきた非主流派エコノミストのピーター・シフ氏は、次のようにコメントしている(太字強調はBonaFidr):

【訳】米国の銀行システムは、2008よりもはるかに大きな崩壊の危機に瀕しています。各銀行は、超低金利の長期債を保有しています。彼らは短期の国債に対抗できません。より高い利回りを求める預金者が大量に預金を引き出すと、銀行の破綻が相次ぐでしょう。

しかし、2008年の「世界金融危機」は、実は解決されずくすぶり続けてきたとの指摘もある。

【訳】忘れてはならないのは、2008年の危機は決して解決されていなかったということです。日本式の高コストな債務/インフレによって、危機は塗り替えられ、先送りされただけだった。米国は、詐欺的な金融機関、ずさんな管理の金融機関(あるいはその両方)を救済したため、状況は悪化した。金融危機と暴落は、インフレをあっという間に一掃してしまうことができる。

SVBのCEOは、2月27日に360万ドル分の保有株(11%)を売却していた。またCFOは保有株の32%、CMOは同28%を売却していたことが判明している。さらに、破綻が決定的となった10日(金曜)、SVBは一部の社員に年間ボーナスを支払っていたと、複数の情報源からの話として報じられている

 

また、SVBの最高総務責任者(CAO)、ジョセフ・ジェンティール氏は、2007年にSVBに入行する前、リーマンブラザーズでCFOを務めていたことが報じられている

 

SVBは、「詐欺的な金融機関、ずさんな管理の金融機関・・・その両方」だった可能性が高い。

 

SVB破綻に潜むシステミック・リスク

 

FDICが保証する預金は全体の3%未満

アメリカ連邦預金保険公社(FDIC)は、1口座あたり最大25万ドル約3370万円)まで銀行預金を保証している。3月10日、そのFDICはSVBの経営権を取得し、「すべての被保険預金者は、遅くとも月曜の午前中には被保険預金に完全にアクセスできるようになる」と発表している。

 

しかし、FDICが保証する上限の25万ドル未満の預金者はSVBの顧客の3%以下でしかないフォーブス誌は指摘する。つまり、100%の預金が戻ってくる顧客は全体の3%未満しかおらず、シリコンバレーのベンチャー企業を多く顧客に抱えていたSVBは、その97%の顧客の預金が戻ってくる可能性は低い。同社HPによるとベンチャーキャピタルが支援するハイテクおよびヘルスケア関連企業のうち、昨年時点で取引所に上場しているそうした全ての新興企業の44%に、SVBは資金を提供していた。

 

全米で16番目の規模を誇っていたSVBは、昨年12月末時点で資産規模は2090億ドル、預金残高は1750億ドル以上であった。この1750億ドルのうち、1515億ドルが無保険であり、保証対象外となっている。この1515億ドルが一瞬にして霧消した可能性が高い。

 

SVBに少なくとも1000万ドル(13億円以上)を預け入れていたテック企業FarmboxRXのアシュリー・ターナーCEOは、破綻のニュース聞き慌てて担当バンカーに電話をかけ「私の人生で最悪の18時間」を過ごしていると語っている

 

 シリコンバレーのIT新興企業に迫る大量解雇の波

アーリーステージのスタートアップ企業(新興企業)に投資を行っているY Combinatorのギャリー・タンCEOは、私たちが見ているのは、技術系スタートアップ企業にとって「絶滅レベルの出来事」だと言う:

【スレッドの訳】

米国のスタートアップ企業には、SVBに銀行口座を持っている企業が何千とあり、その多くがSVB *にしか*口座を持っていない。1口座あたり25万ドル(の預金保証)では、長くはもたないだろう。

 

これらの新興企業にとって1番の喫緊の課題は、*給与*である――給与を支払うことができなければ、人を働かせることはできません。

 

これは、大量解雇を意味します。

 

FDICが管財手続きを終えて資金を放出する前に、何千ものスタートアップが死んでしまうことを意味するのかもしれない

 

私が聞いたところでは、BREXのようなプロバイダーからベンチャーデットの選択肢が出されようとしているようですが、今後数週間のうちにアメリカのすべてのスタートアップ企業が大量閉鎖することを避けるためには、*多くの*オプションが必要になるでしょう。

 

これは、スタートアップ企業にとって「絶滅レベルの出来事」であり、スタートアップ企業とイノベーションを10年以上遅らせることになるでしょう。

 地方銀行に波及する「取り付け騒ぎ」

しかしSVB破綻で影響を受けるのはスタートアップ業界だけではない。全米の地方銀行株は軒並み下落しており、複数の地方銀行ではSVBと同様の「取り付け騒ぎ」が起きているシグネチャー・バンク、ファースト・リパブリック・バンク、ウェスタン・アライアンス・バンクなどの地方銀行の株価は金曜に10%以上値を下げた。

 

ファースト・リパブリック・バンクは、金曜の取引開始後すぐに-28%暴落した。すでに預金を引き出そうと「取り付け騒ぎ」が起きているファースト・リパブリック・バンク、ウェスタン・アライアンス・バンクは、SVB破綻のパニックを沈めようと、彼らには十分な資金流動性があり、預金資産は安全と発表したことが報じられている

3月10日(ロイター)米国の金融機関ファースト・リパブリック・バンク(FRC.N)とウェスタン・アライアンス(WAL.N)10日、彼らの流動性と預金は堅調を維持していると発表した。問題に見舞われたSVBフィナンシャル・グループ(SIVB.O)(新興企業に特化した銀行)からのリスク波及を懸念する投資家を落ち着かせることが目的。

 

これら3行の株価は20%~60%下落し、それにより取引停止や再開を繰り返すという不安定な取引となった。

しかし、金融専門ニュースサイトのMarketWatchは、「SVBファイナンシャル・グループの破綻を受け、暴落に見舞われる可能性のある銀行10行」を発表している。その中にファースト・リパブリック・バンクは含まれているが、ウェスタン・アライアンス・バンクは入っていない。MarketWatchは、FRBが進める金利上昇にSVBが対応できなかったように、「これら10銀行には同様の赤信号が点滅している」としている。

 

そしてロサンゼルスの高級住宅街「ブレントウッド」では、預金を引き出そうと、雨の中長蛇の列ができている。

【訳】ロサンゼルスのブレントウッド40年以上いるが、ここで銀行の取り付け騒ぎが起きたのを見たことがない―これはファースト・リパブリック・バンクの支店での出来事。雨の中で佇む人たち

 「ビッグ4」の大手銀行もクラッシュ?

しかし「大きすぎて潰せない(Too Big To Fail」ことで悪名高いJPモルガン・チェース銀行やウェルズ・ファーゴ銀行は、3月10日(金曜)に株価が上昇しているただし、アナリストたちがバンク・オブ・アメリカについては「3月にクラッシュするようなバイブス」と警告したことで、この日株価を下げている。バンク・オブ・アメリカは、「ビッグ4」と呼ばれる大手銀行の中でも「含み損(unrealized loss)」が突出している

 

以下は、FDIC保険加入している全金融機関がかかえる純評価損益(含み損):

 

また、大規模な金融機関が破綻する前に「買いだ」と吹聴し、これまで予想を大きく外すことで悪名高いジム・クレイマー氏が、今度は「JPモルガンは(堅牢な)要塞だ」とツイートしたことで、逆にJPモルガンにも取り付け騒ぎが波及すると指摘する声もある。「チキンゲーム」である株式市場に、疑心暗鬼が広がっている。

【訳】Meme Sergeant Spliff: 銀行取り付け騒ぎが確定

Jim Cramer: JPモルガンは(堅牢な)要塞だ

 暗号通貨業界にも余波

さらに、SVB破綻は暗号通貨業界にも波及している。先述のエコノミスト、ピーター・シフ氏は次のように指摘している:

【訳】第2位の規模の#ステーブルコイン(*)である#USDCは、もはや安定したものではありません。米ドルからペッグ (裏付け)が外れ、現在91セントで取引されています。その準備金の一部は、#SVBの保険外口座に保管されていました。これから倒壊しようとしている多くのドミノのうちの1つに過ぎない。(FRB議長の)パウエルは政策転換しないということに、私は3倍にした挑戦状をたたきつける。

(*ステーブルコインとは、「ボラティリティの大きいビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)とは異なり、ステーブルコインは米ドルや円などの法定通貨を裏付資産として発行され、安定した価値を維持するように設計されている」。出典

 

 ミューチュアル・ファンドの最大手の米バンガードはSVB株を10.85%保有

SVBファイナンシャル・グループの株を保有するトップ10のミューチュアル・ファンドのうち、最大となる10.85%を保有しているのが最大手の米バンガードである。ブラック・ロックは保有率5.18%の第3位。こうしたミューチュアル・ファンドを通してSVB株に投資した個人投資家の資産は、FDICの保険対象外である。

 

 英国と欧州にも飛び火

カリフォルニア州で起きたSVB破綻は、一夜にして国際的な問題となり、英国や欧州連合の金融機関が保有するポートフォリオから、300億ポンド (約4兆8750億円)近い資金が消失した。そしてイングランド銀行は、SVBとつながりがある英国企業の預金保護を行うため、SVB英国部門の破産手続きの代行に踏み切ったと報じられている

 

イングランド銀行がSVBに関して発表した声明:

また、SVBが破綻する前日の3月9日、すでに経営難に陥っているクレディ・スイスは、米証券取引所(SEC)からの指摘を受けて、2022年の年次報告書の発表を遅らせることが報じられた。クレディ・スイスにとって、SVB破綻が「最後の一撃」となるのか、市場は疑心暗鬼で見ている。

 

「次は誰だ?」

 

■3月13日(月曜)のニューヨーク証券取引所は大暴落?

米国時間の3月13日(月曜)は、マージンコール(追証)により大暴落すると危惧されている。

 

インターネットテレビ接続機器メーカー「Roku(ロク)」は、保有する全ての現金のうち26%(4億8700万ドル)をSVBに預け入れていたことを公表したところ、時間外取引で株価が下落している

【訳】株価速報:Rokuが時間外取引で下落。総現金の26%がSVBに預けられていたことが明らかになった後

 

2008年の暴落、またはそれ以上の悪夢を、月曜日(3月13日)に見ることになるのか?

3月10日(金曜)夜、Roku以外にも、Rocket Lab、RobloxがSVBに現金を預けていたことを明らかにしている。

【訳】月曜(3月13日)は面白いことになるだろう・・・日曜日(12日)と月曜日(13日)の早朝に、いつもの顔ぶれたちから多くの声明が出されるだろう🤨

 

上で崩れるジェンガ=銀行システム

下しか見ていない女性=イエレン財務長官

 

■ SVBの破綻直前、主要指標は42年ぶりの警告アラートを鳴らしていた

景気後退の主要指標は、投資家に42年ぶりの警告を強く発していた。

3月7日(火曜)、10年債の利回りは2年債の利回りを103bp1.03%ポイント)下回り、逆転した2年債と10年債の利回りの差がさらに広がった。このような動きは、過去8回の米国の景気後退の前に必ず起こっている

つまり、今の時点で、19819月以来」最も大きな利回りの逆転現象が起きている。

金融政策に敏感な米国2年債利回り(US2Y)と米国10年債利回り(US10Y)のスプレッドは、取引序盤のパウエル連銀議長の上院での証言を受けて、債券市場の投資家が長期金利上昇を織り込み、19819月以来最も大きな逆転となった。

そして6ヶ月物の国債利回りも重大な警告シグナルを発していた。

【訳】6ヶ月物の国債利回りがS&P500の利回りを上回りそうな勢い。

そしてパウエル連銀議長が「インフレ退治」を名目に金利を上昇させ続けることで、米国政府が支払わなくてはいけない米国債の利払い(借金)が「垂直」に高騰しそうな勢いである。

 

以下は、ロサンゼルスを拠点にするミューチュアル・ファンドDoubleLine Capitalの共同創業者、ジェフリー・ガンドラック氏が投資家向けに最近発表したグラフ。

【訳】ガンドラックの発言:「これは垂直の直線になるだろう」

 

グラフタイトル:米国政府による利払い額が急騰

赤線(米国政府の利払い額)の説明:「米国の財政赤字が1兆ドル増加し、金利が4%にとどまる場合の米国の利払い金額予測

エドワード・ダウド氏は、米国政府はその借金(利子に利子がつく複利)を「完済することは絶対に不可能です。必ずデフォルトします」と予見している

 

トマス・マッシ下院議員(共和党)は、FRBによる量的緩和は「経済にとって毒」と指摘するが、その数少ない正論は無視され続けている。

【訳】FRBは、貨幣を刷ることによって5兆ドルの負債を調達した。その結果、貨幣の価値が希釈され、インフレを引き起こしている。無からからお金を刷ることは、経済にとって毒である。

 

トマス・マッシ下院議員 2023年2月27日

お金を刷ることは、経済にとって毒である

そして、マネーサプライ(通貨供給量)が正式に縮小し始めた

【訳】警告:マネーサプライは正式に縮小し始めた。📉

 

このような事態は、過去150年間で4回しか起きていない。

 

その都度、2桁の失業率を伴った大恐慌が後に続いて起きている。😬

【訳】7)今、FRBは「量的引き締め(QT)」を行っている。

 

このQTが、2023年にマネーサプライを縮小させる原因になっている。

 

誰もが利上げに注目している。しかし、彼らが注目すべきは、QT/マネーサプライだ。

 

「米国政府に残された時間は今週末の約48時間」

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