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オールドメディアが伝えない海外のニュース

米国の中堅銀行連合がFDICに2年間の預金保証を求める——預金者の半数が預金を引き出せば全米186の銀行が破綻するリスクがある=論文

Photo via Flickr

米国の中堅銀行連合は、金融規制当局の連邦預金保険公社(FDIC)に対し、今後2年間、すべての預金にFDIC保険を適用するよう要請した。この保証は、銀行へのこれ以上の大規模な取り付け騒ぎと資金流出を避けるために必要であると主張している。ブルームバーグが3月19日(日曜)に報じた

 

ブルームバーグによると、アメリカ中堅銀行連合(Mid-Size Bank Coalition of America)はFDICへ提出した書簡の中で次のように記している:

そうすれば、より規模の小さい銀行からの預金流出を直ちに止め、銀行セクターを安定させ、そしてさらなる銀行破綻の可能性を大幅に減らすことができる。

一方、全米史上で2番目と3番目の規模となった銀行破綻が発生したばかりの米国で、さらに186の銀行が「破綻の危機に瀕している」と報じられている。

 

USA Todayは3月19日、次のように伝えている:

今月上旬のシリコンバレー銀行の破綻に続き、たとえ預金者の半数であっても彼らが資金を引き出すことになれば、さらに186の銀行が破綻する危険性があることが、新しい研究で明らかになった。

 

これは、インフレを抑えるためのFRBによる積極的な利上げが、国債や住宅ローン担保証券などの銀行資産の価値を低下させているためである。

 

「最近、銀行の資産価値が下落していることは、無保険預金者の資金逃避(取り付け騒ぎ)に対する米国の銀行システムの脆弱性を非常に大きくした」と、Social Science Research Networkに掲載された最近の論文の中で経済学者らは記している。

そして伝説の投資家マイケル・ビュリー氏は、米国の銀行をマッピングしたグラフを投稿し、「これは良いチャート/ガイド」とコメントしている。グラフの右上にSIVB(シリコンバレー銀行)、そして中央上にSBNY(シグネチャー銀行)が突出していることがわかる。

横軸:「普通株式等Tier1(CET1)に占める「含み損」の比率%

縦軸:「全預金額に占める25万ドル以上の預金(無保険預金)の比率%

 

【グラフに使われている証券コード一覧】

sbny = シグネチャー銀行

sivb = シリコンバレー銀行

frc = ファーストリパブリック銀行

cma= コメリカ銀行

usb= USバンコープ

wfc= ウェルズファーゴ

bac = バンク・オブ・アメリカ

key = キーコープ銀行

ftib= フィフス・サード・バンク

hbin= ハンティントン・バンクシェアーズ・インコーポレイテッド

tfc= トゥルーイスト・ファイナンシャル・コーポレーション

pacw= パックウェスト・バンコープ

rf= リージョンズ・ファイナンシャル・コーポレーション

 

今後、米国ではインフレがさらに加速することを指摘するツイート:

【訳】最近の銀行問題は、米国経済がいかにマクロ経済不均衡の三重苦に直面しているかを私たちに思い知らせる:

 

▪️1940年代の債務問題

▪️1990年代後半の投機環境

▪️1970年代のインフレ問題

 

歴史上、この3つの問題が一度に起こったことはない。

金融問題が再燃すると、FRBは常に金融抑圧に走り、インフレを歴史的水準よりも高く上昇させてしまう。

 

(グラフ)債務、バリュエーション、およびインフレ

米国政府の債務残高(対GDP)=98%

S&P500のCAPEレシオ(*)99%

米国消費者物価指数(対前年差)88%

(*)「CAPEレシオCyclically Adjusted Price Earnings Ratio)は、ノーベル経済学賞受賞者の米エール大学ロバート・シラー教授が考案した株価の割高感を測る投資指標でPER(株価収益率)の一種」。(出典

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