米国で「エドワード・スノーデン以来最大」の機密文書漏洩——ウクライナの戦争計画から、チャイナ、中東、太平洋地域、テロ関連に至るまで100件以上
米国政府は、エドワード・スノーデン以来おそらく最悪の機密情報漏えいに直面している。ウクライナ、チャイナ、中東、太平洋地域、そしてテロリズムに関連する100件以上の機密文書が、ツイッターとテレグラム上で現在公開されているようだとニューヨークタイムズが4月6日(木曜)に報じた(有料記事)。
先週木曜、ホワイトハウス当局者は、ウクライナに関連する極秘のブリーフィング文書がソーシャルメディアに投稿されたことを調査していると語っていた。
しかしその翌日となる4月7日(金曜)、さらに新たな機密文書がリークされた。
英テレグラフ紙は4月8日(土曜)次のように伝えている:
元英国軍情報機関上級将校のフィリップ・イングラム氏は、今回の情報漏洩は「非常に重大」であり、深刻な損害を与える可能性があると述べた。
さらに彼は次のように言う:
「これは最高レベルの機密の取り扱いに失敗したことを示している。これらはトップシークレット、あるいはトップシークレット以上のものだ。これらは、合同参謀本部、あるいは大統領レベルの米国の上級意思決定者のための日々のブリーフィング文書だ。
もしそれが本物なら、米国は非常に深刻な問題を抱えることになる。エドワード・スノーデン以来、最大の問題だ」。
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一部の文書には、“NOFORN”(外国籍の人物には公開不可能)と表示されているものもあり、これはアメリカが機密情報を共有する同盟国のファイブ・アイズであるオーストラリア、英国、カナダ、ニュージーランドとでさえ共有したくない非常に高度な情報(インテリジェンス)に使用することが限定されている。
また他の文書は、“ORCON”、つまり発信者管理型と呼ばれるものであり、誰が閲覧することができるか、どの部分が複製され拡散されているかについて、その情報(インテリジェンス)を提供した機関が完全に管理することを意味する。
CIAの広報担当者は、CIAもこの(機密情報のSNS)投稿を把握しており、その事実関係を調べていると語ったものの、(漏洩した文書の)情報源についてはコメントしなかった。
米国政府は、機密扱いの軍事・諜報文書を次々と公開している人物を特定しようと躍起になっている。政府内外の情報筋がロイターに語ったところによると、当初の予想では、1人のアメリカ人によるリークではないかとの見方が中心となっている。
国防総省の報道官は、4月9日(日曜)に発表した声明で「我々はこの問題を司法省に照会し、司法省は犯罪捜査を開始した」と述べている。
NBCニュースは、同テレビ局が調査した漏洩文書のほとんどが「米軍の統合参謀本部が作成したブリーフィング・スライドと思われ、米国の様々な諜報機関から得た情報に言及している」と報じている。
最初にリークされた地図や文書はウクライナ戦争に関連するものだった。次に金曜には、ウクライナだけでなく、チャイナ、アフリカ、中東にも関連する新しい文書が公開された。
特に金曜にリークされた文書では、ウクライナのソビエト時代の強固な防空システム(これまでロシア軍の航空機の侵入を最小限に抑えてきた)が、今後数週間で弾薬を使い果たす可能性があることが示唆されている。
▼この文書では、戦闘機や一部の爆撃機に対するウクライナの防空機能の89%を担うミサイルが、5月上旬までに枯渇する可能性があると予測している。
(Image via New York Times)
別の文書(CIAのインテリジェンス・アップデートとされるもの)は、イスラエルのモサドがネタニヤフ首相の最高裁改革構想に反対する抗議活動を支援したと記している。ネタニヤフ首相は、この主張は「真実ではなく、何の根拠もない」と語っている。
さらに、米国政府はイスラエルだけでなく同盟国の韓国に対してもスパイ活動を行っていることを示唆する文書もリークされた。韓国の当局者たちは、アメリカの備蓄を補充するために砲弾をアメリカに渡すよう要請されると、それがウクライナに送られてしまうのではないかということを懸念して警戒していることが内部の協議で明らかになったと、ある1件の報告書は記している。
リークされた文書の題目が多岐にわたることから、これら文書をリークしている情報源は米国であると指摘する声が多い。
アメリカ国防総省の元職員マイケル・マルロイ氏はロイターに対し、「これら文書の多くが米国の手の内にしかなかったことから、現在の焦点は、これが米国によるリークであるということだ」と語っている。電子的なダウンロードではなく、今回のリークのほとんど全てが、紙文書を撮影した写真という形で行われているようである。
(Images via The Grayzone)
マイケル・マルロイ氏は、さらに別のインタビューでニューヨークタイムズに次のように語っている:
これらの多くは文書を撮影した写真であったことから、ウクライナ、米国、NATOの取り組みにダメージを与えたいと願う何者かによって行われた意図的なリークだったようです。
ロシアの軍事力の状態を評価する文書など、リークされた文書の多くが電子的な盗聴から得られた情報を引用している。こうした情報源がリークされたことで、各国がセキュリティ・ホールを修正し、今後、米国のスパイ活動にとっては痛手となることが予想される。
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