フィリピン証券取引所が「追って通知があるまで」株式市場を閉鎖すると発表:イタリアとスペインの証券取引所はさらに空売りを禁止
2週間にわたって大暴落を続ける世界の株式市場では、どの国の証券取引所が最初に閉鎖するだろうかとトレーダーたちの間で噂となっていた。その回答が今日明らかとなった。フィリピンのドゥテルテ大統領が、同国の中心地であるルソン島(人口6000万人)を1ヶ月間、全島封鎖すると発表したことを受けて、フィリピン証券取引所(Philippine Stock Exchange: PSE)は、「追って通知があるまで」証券取引を停止すると発表した。
フィリピン証券取引所のCOOであるロエル・レフラン氏は、次のように語っている:
大規模な交通機関の停止と民間セクターにおける業務停止に加えて、政府が自宅待機を命じたことで、我々は当分の間、取引とクリアリング&決済業務を停止せざるを得ない状況となった。
フィリピン証券取引所での株価は、昨年11月の高値から3分の1以上、下落している。
次に閉鎖される証券取引所はどこか?
イタリア全土が封鎖されていることを理由にイタリア証券取引所も一時閉鎖されるのではないかという噂について、月曜早朝、イタリア証券取引所のラファエル・ジェルサルミCEOはその噂を否定している。ただし、証券取引所を今後一時的に閉鎖する可能性について、理論的にはありえると語ったとAnsaが報じている。ただし、それは各国政府の総意によるとも語っている。
「グローバルなレベルで決断が下されれば、それ(一時閉鎖)はありえるが、その決断を下すのは我々ではない」とジェルサルミCEOは語っている。
奇しくも本日月曜、イタリア政府とスペイン政府は、さらに空売りを禁止すると発表した。
スペインの金融規制当局CNVMは、月曜、明日から少なくとも4月17日まで最終的なネットのポジションとして空売りとなるようなスペイン銘柄の取引を新たに開始したり積み増すことを禁止した。取引が代用有価証券の預け入れにより保証されていたとしても、空売りを行うことを禁止する。「現在の状況が続けば、3ヶ月を超えない範囲でこの禁止期間は延期されることもありえる」と声明は記している。
この発表が行われたのとほぼ同時刻に、イタリアの規制当局Consobもまた、ミラノ証券取引所で新たに24時間の空売り禁止措置を導入すると発表した。新型コロナウィルスが蔓延する同国で株価の下落が止まないための緊急措置。この禁止措置は、火曜の取引に限定して20名柄が対象となる。先週金曜、85名柄に対して行われた空売り禁止措置に続くもの。
イタリアの金融規制当局Consobは、EUの既存のルールが定める範囲内において、今後さらに長期的に空売りを禁止する規制を導入することを可能にする手続きに入ったとも発表している。
フィリピンとは異なり、イタリアとスペインの両国はいまだに株式市場の運営を続けているが、両国でますます感染者が増えていることを考えると、イタリアとスペインでも証券取引所を無期限閉鎖することになるのは時間の問題かもしれない。
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