株式市場は4月に再びパニック売りが起き3月の底値を割るだろう:DoubleLineのCEO、ガンドラック氏が予測
ロサンゼルスを拠点にする投資会社DoubleLineのCEO、ジェフリー・ガンドラック氏が、3月31日にクライアント向けウェブ・セミナーを開き株式市場の今後の見通しを語った。
ガンドラック氏は、昨年11月の時点ですでにヘリコプター・マネーの到来を予想していた。
DoubleLineは2週間前にもウェブ・セミナーを開いていたが、市場の変化が激しいためその時に発表した内容はすでに古くなっており、そのため同社としては初めて1ヶ月間に2度目のウェブ・セミナーを行うことにしたという。
アメリカの投資業界では、「クアドルプル・ウィッチング・デー(*)」であった3月20日に記録した安値が、現在の相場サイクルにおける底値か否かについて様々な意見が飛び交っている。
(*)アメリカの株式市場で、(1)ストック・オプション、(2)株式先物取引、(3)株価指数オプション取引、(4)個別株オプション取引の4つの取引が一斉に期限を迎える日を指す。(出典:Investpedia.com)
ガンドラック氏は、今回のセミナーの中でその立場を鮮明にし、次のように語った:
4月の間に、再びパニック感情に似たことが起きるだろうと私は考えている。
その理由は、4月に経済的な不確実性がさらに高まるためだという。
また、ガンドラック氏は株式市場が最近つけた高値にまで戻ることは長い間ないだろうとも語った。
アメリカの株式市場は、10年以上前につけた高値にまでいまだ戻っていない日本、欧州、そして新興経済国の株式市場のようになるだろうと同氏は予想している。特に、アメリカの株式市場は、日銀による「バズーカ砲(金融緩和)」のたびに日経平均株価が辿った道を追いかけることになる可能性を示唆した。
以下のグラフは、今回ガンドラック氏が行ったセミナーのプレゼンテーション資料の1ページである。
現在のS&P 500指数 vs. 2000年のナスダック総合指数および1989年の日経平均株価
(オレンジ色の線が現在のS&P 500指数。青い線が2000年のナスダック総合指数、紫の線が1989年の日経平均株価。)
ガンドラック氏は次のように述べ、アメリカの経済が回復するにはかなりの時間がかかるだろうと語った:
以前よりも良い状況に我々はいずれ戻るだろうが、それは2020年1月の状態にV字回復するということではない。
ウェブ・セミナーの中で、さらに次のように語っている:
- 現在の経済は「恐慌」に類似している
- 米国経済がV字回復するだろうという予測は楽観的すぎる
- 米国の経済・金融刺激策は、おそらく10兆ドルに達するだろう。これは現在のレベルからそれほどかけ離れてはいない
- 失業率は10%にまで高まるだろう
- 米国の借金が膨れ上がるにつれてドル安になるだろう
以下は今回のセミナーのプレゼンテーション資料である。
454223605-3-31-2020-Two-Sinks-FINAL-Unlocked by bonafidr.com on Scribd
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