ミシガン州知事誘拐未遂事件を「阻止」したFBI特別捜査官が逮捕・起訴されFBIを解雇される——知事誘拐計画にFBI捜査官らが関与していた疑惑が深まる最中
ミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事(民主党)の誘拐計画を阻止したとされるFBI特別捜査官のリチャード・トラスク(39歳)がFBIを解雇されたとデトロイト・ニュースが9月11日(土曜)に報じた。
リチャード・トラスクがFBIを解雇された理由は、性乱行パーティーに参加した後、自身の妻の頭をナイトテーブルに叩きつけ、彼女を窒息させた容疑で今年7月に自宅で逮捕され、起訴されたため。トラスク容疑者は、ウィットマー知事の誘拐未遂事件に関して、法廷で証言するなどして捜査の表舞台に立っていた。
しかし、トラスク容疑者はトランプ大統領(当時)を「douchebag(他人を侮辱する下品な言葉)」と呼ぶなどしていた過去の複数のSNS投稿が表面化したため、FBIはトラスクを証人から外していた。
捜査を主導したFBI特別捜査官が解雇されたニュースは、ウィットマー知事誘拐計画に仕込まれた、少なくとも十数人の秘密の情報提供者(インフォーマント)の信憑性に、新たな打撃を与えるものとなっている。FBIが仕込んだこれら情報提供者の中には、実際に誘拐計画を立案し、この誘拐グループの副司令官になった人物がいると報じられている。
また、今年3月には、FBIがこの知事誘拐の陰謀に潜入工作するのを支援した情報提供者を、検察が起訴したとデトロイト・ニュースが報じている。
10月12日には5人の誘拐犯が裁判にかけられる予定。しかし、被告人たちは、政府が自分たちをはめたと主張している。FBI捜査官は、報酬を受け取ってFBIに協力していた秘密の情報提供者に(法廷で)嘘をつくよう指示した他、この人物がFBIとの間でやりとりしたメッセージを削除し、無実の第三者を事件に巻き込むよう指示したと、被告人の1人の弁護人は主張している。
ウィットマー知事誘拐未遂事件では、誰がFBI捜査官なのか、誰が秘密の情報提供者なのか、そして誰が本物の過激派なのかの境界線が曖昧なまま、嘘が繰り返されており、知事誘拐という陰謀の主犯は誰なのかがごまかされ続けている。
この過激派とされる人物たちの中で、タイ・ガービン(25歳)は、今回の知事誘拐計画という陰謀に対して唯一、有罪を認め、6年3ヶ月の懲役刑を言い渡されている。
一方、妻への暴行容疑で起訴されたリチャード・トラスク元FBI特別捜査官は、有罪となれば10年の懲役刑を科せられる。
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