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米国の大統領選挙に介入しようとしているのはロシア政府ではなく連銀だとロン・ポール元議員

米国大統領選挙に2回出馬経験のあるロン・ポール元議員が、自身が運営する非営利機関である「ロン・ポール・インスティチュート(Ron Paul Institute)」のサイト上に論説を発表した

ロン・ポール元議員については、昨日の記事でも紹介している:

 

経済の大崩壊と米連銀そのものの崩壊をロン・ポール元議員が予言

 

 

 

以下はロン・ポール氏の論説を翻訳したものである:

 

米国憲法は、連邦政府が中央銀行を設立することを決して認めていない。ハイパー・インフレの時代を生きた米国の建国者たちは、政府が自由に紙幣を印刷できる権限を持つべきではないと理解していた。しかし米国建国の当初から、縁故主義の中央銀行を創設する野望は根強いものであった。

 

事実、連邦準備制度(通称Fed)を創設する以前、米国で永続的な中央銀行を創設しようとする試みは2度あった。幸運にも、最初の中央銀行であるThe First Bankを設立する憲章は1811年に失効し、2つ目の中央銀行はアンドリュー・ジャクソン大統領が1833年に閉鎖した。

 

しかし、不幸にも、3度目の試みは成功し、連邦準備制度は憲法に違反して1913年に創設された(*)。それ以来、アメリカ国民は、腐敗し不道徳な財政制度の下で生活している。連邦準備制度は、かつて存在したことがない巨大政府を作り出すことに資金提供してきた(紙幣の)印刷機である。エンドレスに生活保護へ支給したりエンドレスに軍事費へ支出している状況は、ともに、連邦準備制度によって可能なものとなっている。米国の権力者たちが望むものなら何に対しても、連邦準備制度は紙幣を印刷することができる。そのため、憲法に則った、権力に限りがある政府を求める私たちにとって、使える手段はほとんどない状況である。

 

連邦準備制度は「独立機関である」と主張するプロパガンダにも関わらず、それは常に深い政治的意図にまみれた機関である。連邦準備制度は、政府が作り上げ、政府の政治任用によって指名された人々が運営する独占体であるため、いわゆる「独立機関」というのはフィクションにしかすぎない。むしろ、米国連邦議会が成立させた設置法によって連邦準備制度を設立させた。つまり、連邦議会が法律によって連邦準備制度を廃止することも可能である。

 

先週、連邦準備制度の「独立性」という仮面は激しく攻撃を受けた。皮肉にも、連邦準備制度は何より「独立機関である」と世界に広く発言したのは、元ニューヨーク連銀議長のビル・ダッドリー氏である。ダッドリー氏は、次のように声明で発表した:「トランプ氏が再選することは、議論の余地なく米国および世界経済にとって脅威である。財政政策のゴールがベストな長期的経済成果を達成するということであるなら、連邦準備制度のメンバーは2020年の選挙結果にいかに彼らの意思決定が影響をもたらすかということを考えるべきである」。

 

連邦準備制度の財政政策を利用して、米国大統領選挙の結果を左右しようとするダッドリー氏の脅迫は、これ以上ないほど顕著なタイミングで飛び出してきた。結局、2年以上にもわたって、アメリカ人はロシア政府が米国選挙に介入したとする創作話に関する報道攻めに遭った。にも関わらず、連邦準備制度の幹部がまさに全く同じように選挙介入しようと脅迫している。しかも、今回は本物の選挙介入だ。

 

それが大手メディアであろうと、CIA、FBI、連邦準備制度であろうと、より多くのアメリカ人たちは米国のディープ・ステート(訳者注:裏で政治を操るエリート資本家たち)が存在し、彼らの利益は一般国民の自由とは全く無関係であることに気が付き始めている。実際、我々の自由を、ディープ・ステートは排除してしまいたいと思っている。

 

私は、連邦準備制度は監査される必要があり、なるべく早く廃止される必要があると強く確信している。

 

アメリカの建国者たちは、完璧ではなかった。彼らは、私たちと同じように過ちを犯しうる人間であった。しかし、彼らは、自由に関して驚くべきほどの理解をしていた。彼らは、(無限に紙幣を)印刷できる機械を持つ政府の下では、自由は存在し得ないということを理解していた。健全なマネーと自由は手を取り合う存在である。もし我々が自由を謳歌したいならば、我々は連邦準備制度を監査し、それを廃止しなければいけない!

 

 

(*)連邦準備制度を構成する各連邦準備銀行は、設置法はあるものの、政府機関ではなくむしろ民間企業であり、その株式は民間銀行が保有している。つまり、連銀の所有者は民間銀行である。

 

アメリカ中央銀行に当たる連邦準備制度の構造

出典:https://www.federalreserve.gov/aboutthefed/structure-federal-reserve-system.htm

 

セントルイス連銀の公式サイトでは、連邦準備銀行(連銀)を次のように説明している

 

(訳)連邦準備銀行は、連邦政府の一部ではなく、連邦議会の法律があるため存在している。連邦準備銀行の目的は公共に奉仕するためである。ということは、連銀は私的機関なのか、それとも公的機関なのか?

 

回答はその両方である。連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board of Governor)は独立した政府機関であるが、連邦準備銀行(Federal Reserve Banks)は民間企業のようなものとして設立されている。会員である民間銀行は、連邦準備銀行の株式を保有し、配当金を受け取っている。この株式を保有することには、営利目的企業の普通株の保有者に与えられるような支配権や財務的利害は付随していない。この(連銀の)株式を売却することやこれを元にローンを借り入れることは許されていない。会員である民間銀行は、各連銀の理事会メンバー9名のうち6名を指名する。

 

(原文)The Federal Reserve Banks are not a part of the federal government, but they exist because of an act of Congress. Their purpose is to serve the public. So is the Fed private or public? 

The answer is both. While the Board of Governors is an independent government agency, the Federal Reserve Banks are set up like private corporations. Member banks hold stock in the Federal Reserve Banks and earn dividends. Holding this stock does not carry with it the control and financial interest given to holders of common stock in for-profit organizations. The stock may not be sold or pledged as collateral for loans. Member banks also appoint six of the nine members of each Bank’s board of directors. 

Photo via https://www.stlouisfed.org/in-plain-english/who-owns-the-federal-reserve-banks

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