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アリババのジャック・マー氏、1年以内に「逮捕」か「失踪」の運命?

中国のオンライン・ショップ最大手アリババ、その創設者で会長であったジャック・マー氏は、昨年、1年後に引退することを表明していた。その約束通り、今週火曜、ジャック・マー氏は退任した。後任にはダニエル・ザング氏がCEOに就任した。

マー氏の退任は、アリババの創設20周年のタイミングであった。中国の大手IT企業のトップが辞任するのは彼が初めてとなる。そのため、アリババという企業だけではなく、中国のIT業界にとって大きな節目の出来事だ

 

マー氏(55歳)は、中国で最も資産を持つ富豪。彼は、ルーム・シェアしていたアパートの一室でアリババを創業し、4620億ドルの大企業に育て上げた。

 

もともと教師であったマー氏は、中国共産党を礼賛する愛国者としても知られる。昨年、彼は自分が中国共産党の党員であることを公表した。また、ダボス会議の常連であったことから、中国を代表するビジネス界のリーダーという地位を確立した。

 

しかし、アリババを引退したマー氏の将来を憂う人がいる。

 

アメリカのヘッジ・ファンド・マネジャーのカイル・バス氏は、中国専門家としても知られ、また中国共産党を舌鋒鋭く批判することでも知られている。昨日、彼は自身のツイッターで、マー氏の辞任は引退ではないのではないかと疑っており、1年前に自ら辞任を発表し、その予言通り引退するというのは仕組まれすぎていると疑念を投げかけている。

 

 

 

(訳)規則正しいジャック・マーは、彼の職位から強制的に引きずり下ろされ、彼の保有株式は剥奪され(同じ住所の「5人の匿名の個人」に譲渡され)、1年以内にいずれ投獄されるか「失踪」する可能性がある。これは、習近平と王岐山が、どんな中国人でも権力を持ちすぎた人を処遇するやり方だ。

 

 

バス氏がどこからこの情報を得たのかは不明であるが、「これは、習近平と王岐山が、どんな中国人でも権力を持ちすぎた人を処遇するやり方だ」という見解は興味深い。中国の有名女優が突然失踪し、その後、脱税の罪を認めて解放され、約146億円の支払いが命じられたことは記憶に新しい。

 

もしバス氏のツイートが真実ならば、中国市場の信頼性はさらに海外投資家の間で失墜することになる。中国政府は、最近、中国国内の株式市場および債券市場に、海外の投資家が投資できる金額の上限を上げたばかり。

 

これまでジャック・マー氏はダボス会議に定期的に参加し、西側メディアにも頻繁に登場していた(最近は、テスラのイーロン・マスク氏とともに将来のAIに関する討論会に参加している。)

 

 

 

 

西側でも有名人のジャック・マー氏が、今後、メディアに登場しなくなるのは、西側のメディアも見逃さないだろう。

 

アリババは、数年前、ニューヨーク市場でIPOを果たし、最低でも218億ドルの資金を調達し史上最高額と言われている。

 

アリババの投資家は、マー氏の引退を平然と受け入れているようだ。同社の株価は、年初来9.4%上昇している。

 

マー氏が後任のザング氏に託した事業計画は壮大だ。2036年までにマー氏はアリババ経済圏が1億件の仕事を生み出し、1000万社の有益なビジネスを支援し、世界中の20億人の利用者にサービス提供するという目標を掲げている。現在の利用者数は約6億5400万人。同社はまた、今年、同社サイト上で総額1兆ドル分の商品を販売することを目標にしている。昨年は8530億ドル分の商品を販売している。

 

一方、マー氏は、公式コメントの中で中国共産党への忠誠を表明しており、たとえ米中貿易戦争が何十年と長引こうとも、中国共産党は決して米国に屈しない姿勢と辛抱強さを持っていると礼賛している。

 

しかし、中国一の大富豪が、このような歯の浮くような共産党への美辞麗句を公式コメントで語るというのは、強いグループのボスに腹を見せて服従を誓っているような行為だ。つまりその裏返しは、マー氏は中国共産党が何をするかわからないため、大げさに忠誠を誓うような発言を繰り返していると考えるのが自然だ。

 

中国共産党は、億万長者となった中国人を、根拠が疑われる脱税や収賄の罪で逮捕・投獄してきた過去がある。マー氏も、周囲の大富豪たちが次々と逮捕されていくのを見て恐怖を感じていてもおかしくない。

 

カイル・バス氏ならずとも、今後のマー氏がたどる運命が心配だ。

 

Photo courtesy of Next Shark

 

 

 

 

 

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