ゴールドマンサックスがSoftBankを救済するために17億5000万ドルを融資することに合意:SoftBank はその資金を使ってWeWorkを救済
採算の取れない赤字企業のWeWorkを救済するために多額の資金をつぎ込んでいるSoftBankを、ゴールドマンサックスが救済することに合意したとブルームバーグが報じた。三菱UFJ銀行がSoftBankへの追加融資を拒否したと報じられる中、自社もWeWorkに多額の投資を行っているゴールドマンサックスは、SoftBankを救済することで自社を助けることにもなるため、追加融資を行うことに合意したようだ。
SoftBankがWeWorkを救済するために提供する資金供給パッケージの一部として、50億ドルの追加出資を行うことを約束しているが、ゴールドマンサックスはその第1ステップとして17億5000万ドルのクレジットライン(与信枠)を提供する調整を行っていると、本案件に詳しい複数の人物からの情報としてブルームバーグは報じている。
この新たなクレジットラインは、合計で約11億ドル分の既存の資金供給パッケージと置き換えられ、既存の信用状において担保として利用されている現金を解放するよう設計されている。
多額の資金を注ぎ込む救済策が発表されたことで、WeWorkの社債価格は11月末ごろから上昇に転じている。TRACEのデータによると、今週月曜時点で、WeWorkの社債価格は1ドルあたり4セント上昇し、80.75セントをつけている。
今回、ゴールドマンサックスが提供する融資で特筆すべきなのは、SoftBankが借り手(負債主)として記載され、WeWorkはその共同負債主(co-borrower)として記載される予定であるということだ。
ゴールドマンサックスによる融資が導入されてから、残る33億ドル分の資金供給パッケージが調達され、SoftBankによるWeWork救済計画は完了することになると情報源のうちの一人は語っている。しかし、この資金供給パッケージの第2ステップでどの銀行が主幹事を務めるかは明らかになっていない。
しかし現在のところ、アメリカの金融当局を含めて多くの人々が、そもそもなぜWeWorkでこのような投資の大失敗が起きたのか、元CEOであるアダム・ニューマン氏からの説明を求めている。
WeWorkの元CEOアダム・ニューマン氏に対し、当局が私的金融取引の疑いで捜査を開始:ロイター紙が報じる
また、とあるベテラン投資家は、ゴールドマンサックスが、これ以上、WeWorkへの投資で評価損を出さないためにこの巨額の救済を行っているように見えると指摘している。
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