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ソフトバンクGがイスラエルの諜報機関モサドの元長官をビジョン・ファンドの顧問に採用——イスラエルのサイバー・セキュリティー関連スタートアップ企業へ投資を拡大予定

元モサド長官、ヨッシ・コーエン氏(右)Photo: Haim Zach, GPO

ソフトバンクGは、イスラエルの諜報機関モサドの元長官であるヨッシ・コーエン(Yossi Cohen)氏をアドバイザー(顧問)として採用したと、8月25日(水曜)にNikkei Asiaが報じた。ソフトバンクGは、「コーエン氏が諜報機関を率いていた時代に培った幅広い人脈を活用して、有望なテクノロジー企業を発掘する」としている。

 

ソフトバンクGのビジョン・ファンド(Vision Fund)は、イスラエルのサイバー・セキュリティ分野のスタートアップ企業へさらなる投資を検討している。

 

イスラエルの新興サイバー・セキュリティ企業の多くは、元軍人らとのつながりを持っている。

 

チャイナ共産党が国内企業に対してこれまでにない規制強化を行う中、ビジョン・ファンドが保有していた多くのチャイナ上場企業の株価が急落したことを受けて、イスラエルへの転換が行われている。

 

ソフトバンクGは、コーエン氏の中東での経験を活かして、より多くの投資家を募りたいとも考えている。

 

ビジョン・ファンドはすでにイスラエルで投資を開始しており、IoTのスタートアップ企業「Wiliot」に出資している。Wiliot社は、「電池の代わりに周囲の周波エネルギーで動作する」センサータグを製造している。この製品はすでに出荷され、医薬品業界や小売物流などの分野で使用されているとNikkei Asiaは伝えている。

 

ビジョン・ファンドからの投資を受けた別のイスラエル企業には、AIベースの顔認識技術を開発しているAnyVision社がある。

 

Wiliot社はソフトバンクGから2億ドル、AnyVision社は2億3500万ドルを調達している。

 

ビジョン・ファンドは、eToro社が今年NASDAQに上場する際に、「特別買収目的会社(SPAC)」を通じてeToroへの投資を購入することも検討している。

 

チャイナのライドシェア企業「Didi」が米国での新規株式公開(IPO)を行った数日後に、チャイナ政府は同社に対する規制当局の調査を開始した。このチャイナ当局による調査開始を受けて、ビジョン・ファンドはDidiへの投資で40億ドルの損失を計上している。

 

イスラエルは、元軍人が立ち上げるサイバー・セキュリティ関連の新興企業の宝庫となっている。また、イスラエルでは自動車技術への取り組みも盛んであり、Mobileye社のような新興企業には自動車メーカーからの投資も盛んに集まっている。

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