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北京が都市封鎖。中国以外の患者数は「氷山の一角」とWHO事務局長。免疫力が弱い患者は免疫不全を起こし重症化。潜伏期間は最大24日。武漢の感染者致死率は最大5%

北京も一部封鎖。中国以外の患者数は「氷山の一角」とWHO議長。免疫力が弱い患者は免疫不全を起こし重症化。潜伏期間は最大17日。武漢の感染者致死率は5%。

武漢肺炎の公式データ感染者数マップ(Screenshot via Coronavirus 2019-nCoV Global Cases by Johns Hopkins CSSE)

【新型コロナウィルス最新情報】

  • 中国政府は日曜、新たに97名が死亡したと発表。合計死者数は910名
  • 北京が一部都市封鎖
  • 武漢で感染者の治療にあたっていた医師で自身も感染した人物が、免疫力が弱い感染者の致死率は最高で5%とインタビューに答える。また、免疫力が弱い患者は免疫不全を起こし多臓器不全などで重症化し、発症から3週間目が分かれ目と語る。
  • 中国人科学者たちは、14日間の隔離では不十分と語る。少なくとも1人の患者は17日間発症しなかった事例が確認されている。(更新:その後、Caixinが潜伏期間は最大24日報道
  • WHOのテドロス事務局長は、中国以外の世界各地で発生している感染者について、「我々は氷山の一角を目撃しているだけに過ぎないのかもしれない」と発言。
  • WHOは中国の10の省を感染の「ホット・スポット」と指定。
  • 香港で春節に火鍋を囲んだ一家9人が感染。
  • 英国は「スーパースプレッダー」と疑われる人物と接点がある4人の新規感染者を確認。英国の他、スペインシンガポールでも新たな感染者が確認される。
  • シンセン当局は世界で半数のiPhoneを生産するフォックスコンの工場の操業を停止しないと発表していたが、一転して操業再開を許可しない決定を下すとロイターが報じる
  • 春節が開けるも数百万人の中国人は感染を恐れて出勤していない。
  • 台湾、フィリピン、日本の3カ国から入国を拒否されていたクルーズ船ウェスターダムが、今週木曜タイに接岸予定であるとCNNが報じる。(2月10日更新:その後、タイ政府がこのクルーズ船の入港を改めて拒否したとニューヨークタイムズが報道。このクルーズ船の乗客らには新型コロナウィルスの感染者は確認されていない。後2日でこのクルーズ船は食糧などが枯渇すると報じられている。)
  • 民泊サービスAirbnbは、少なくとも2月末まで北京の予約を全て停止措置。「予約がキャンセルされた旅行者には返金と支援を行う」と発表。
  • ソフトバンクのビジョンファンドが出資する共有オフィス企業WeWorkの会長が、中国国内で展開する100箇所の賃貸オフィスを一時閉鎖するとCNBCで語る。
  • 長い間姿を見せていなかった習近平が、北京市内の住宅街を訪問する様子が国営テレビで放送される。

新型コロナウィルスの大流行は中国の首都、北京にも到達している。GNewsの報道によると、中国政府は国内80都市を封鎖している。そして月曜、北京当局も住宅地の封鎖を発表した。

【訳】ついに北京も一部都市封鎖された。全てのコミュニティーが「閉鎖モデル」の管理下に。

* * *

武漢大学中南病院で救急医療科のディレクターとして、感染者の治療にあたっていたペン・ジヨン医師がCaixin Global紙のインタビューに答えている。ペン医師は自身も新型コロナウィルスに感染し、現在ICUで治療を受けている。

ペン医師が最初に新型コロナウィルスの感染者を診断したのは今年1月6日。複数の病院から断られた患者が大学病院の緊急救命室に運び込まれてきたという。この時、すでにこの感染者の症状は重症化し呼吸困難に陥っていたため、一目見て新型コロナウィルスの患者であると直感したという(筆者注:つまり、ペン医師は1月6日時点で新型コロナウィルスの「噂」を知っていたということになる。)この時、医師としての長年の経験から、すでにヒトからヒトへの感染の可能性が高いことを認識していたとペン医師はインタビューの中で語っている。

発症から3週間目が生死を分けるようだと同医師は語っている。免疫力が強い患者は数週間で回復し始めるが、そうではない患者は2週間目で病状が悪化する傾向にあるという。

発症から2週間目で病状が悪化しているような患者には大胆な医療措置が必要になってくる。このグループの患者の致死率は4〜5%のようだとペン医師は言う。ペン医師は日中12時間の勤務シフトをこなした後、夜はこの感染症について研究し、観察結果を論文にまとめあげている(ペン医師の論文については本サイトでもここで報じている)。

ペン医師の観察結果によると、新型コロナウィルスは発症してから呼吸器困難に陥るまで3週間という傾向にある。軽度の初期症状から悪化するのに約1週間かかるのが通常であるという。軽度の症状には様々なものが含まれ、体力の低下、息切れ、そして中には発熱する人もいるが、熱のない感染者もいるという。しかしペン医師が観察した138名の患者で、この第1ステージに最も共通した症状は発熱(69.6%)、咳(59.4%)、筋肉の痛み(34.8%)、呼吸困難(31.2%)であった。そしてまれな症状として、頭痛、めまい、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐があるという。

そして感染から第2週目に入ると、突然、症状が悪化する患者が出てくる。この第2ステージまでに患者は病院で治療を受ける必要があるという。持病のある高齢者は合併症を引き起こす可能性があり、中には人工呼吸器が必要になる場合もある。他の臓器が機能を失い始めると、症状は深刻化する。免疫力の強い患者であればこの第2ステージで症状は改善に向かい、徐々に回復する。そのため2週目が運命の分かれ目になるという。

第3週目は、患者の生死を分けることになる。この段階で重症患者でも、リンパ球(一種の白血球)の値を上げる治療を受けて免疫システムに改善が見られる人たちは、回復しているという。しかしリンパ球のレベルが回復せず免疫システムが壊滅状態の患者たちは、多臓器不全を引き起こし死に至る。

症状が深刻化する感染者にとって、新型コロナウィルスは患者の免疫システムへ最も深刻な攻撃をしかけるとペン医師は語っている。リンパ球の数が減少し、肺へのダメージが発生し、呼吸しづらい症状に陥る。症状が深刻化した患者の多くが窒息死している。その他の患者たちは、免疫システムが不全となった結果、臓器に合併症を引き起こし多臓器不全で亡くなっている

ペン医師が観察した患者の3分の1は体全体に炎症が起きている。若者に限らず高齢の患者にもこの症状は見られた。これは高サイトカイン血症(サイトカインストーム)のメカニズムであり、これが多臓器不全へと発展し、そして突然死を引き起こすことがある。症状が急速に進展するいくつかの事例では、体全体の炎症から命にかかわる重篤な状態に進行するまで2、3日しかかかっていない

抗エイズウイルス(HIV)薬とインフルエンザ薬(タミフル)を併用して投与された患者の症状が改善したことについて質問されると、ペン医師は次のように答えている。現時点で新型コロナウィルス(2019-nCoV)にターゲットを絞った薬は存在しない。既存の薬で改善する患者も中にはいるだろうが、その薬が全員の患者に効き目があるわけではない。薬の効果は、それぞれの患者の症状の深刻度や、個人の健康状態にも左右される。

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これまで中国政府を称賛し、新コロナウィルスの深刻さを過小評価してきたWHOのテドロス事務局長が、一転して事態のさらなる悪化を警告する発言を行なっているとロイターが報じた。以下はテドロス事務局長自身によるその発言内容のツイート。

【訳】中国への渡航歴がない人々から2019nCoVが感染拡大しているという憂慮すべき事例がいくつか発生している。中国以外の国々で少数の事例が特定されているということは、さらなる感染の拡大を意味している可能性がある。つまり、我々は氷山の一角を見ているに過ぎないのかもしれない。

テドロス事務局長は、WHOが中国の10の省を新型コロナウィルスの「ホットスポット」である可能性がある場所としてモニタリングを行なっているとも語っている。

しかし今後、テドロス事務局長は、1月22日に新型コロナウィルスの感染拡大について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」として宣言することを延期した責任が問われそうだ。

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中国政府による公式データの信頼性は低く、早く正確な数字が公表されることが待ち望まれる中、米国に亡命している中国人実業家の郭文貴(中国政府のスパイであるという報道もある)は、武漢市からリークされた情報として、150万人の中国人が感染し、死者数は多くて5万人であること、そして中国政府の役人たちが事実を隠蔽するために遺体を火葬していると先週末の日曜に語っている。

https://twitter.com/DarrenPlymouth/status/1226494771117666305

【訳】150万人の中国人がコロナウィルスに感染している。

5万人が火葬された。

中国政府が遺体を火葬にしているという情報はこれが初めてではない。Epoch Timesの記者の1人が、武漢市上空だけ二酸化硫黄の濃度が異常に高いことを写真付きで指摘している。二酸化硫黄は、有機物(動物など)を焼却すると生成される化学物質。

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中国国外でも、新型コロナウィルスはパンデミックの様相を呈し始めている。最近シンガポールに渡航しそこでウィルスに感染したイギリス人が、休暇先のフレンチ・アルプスのスキーリゾート地で少なくとも6人を感染させている。西欧での感染拡大を恐れたイギリス政府とフランス政府は、このイギリス人と接触した人全員を追跡するのに奔走している。両政府は、このイギリス人(氏名は公表されていない)が「スーパー・スプレッダー」である可能性を懸念している。

イギリスでは、武漢から戻ってきた自国民の一部をアロウパーク(Arrowe Park)の施設で隔離しているが、ウィルスに感染した1人がそこから脱出しようと試みている。香港でも強制隔離施設から2人が脱出したとの報道があり、警察が指名手配している。

この事件を契機に、イギリス政府は強制的に人々を隔離する新たな権限が付与されている。中国から救出されたイギリス人は全員、政府が選定した施設で14日間隔離されることに合意する契約書に署名している。また、イギリスのLCCであるEasyJetは、月曜、同社のフライトに最近搭乗した1人の乗客に、新型コロナウィルスに感染している診断が下されたことを確認した。同社は、イングランド公衆衛生局がこのフライトに登場していたその他の乗客に連絡を取っていると語っている。

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ソフトバンクのビジョンファンドが出資するシェア・オフィス企業WeWorkの会長マルセロ・クラウアー氏が、中国国内で展開する100箇所の賃貸オフィスを一時閉鎖すると米国時間の月曜朝、CNBCで語った。(WeWorkについては昨年、本サイトで詳しく報じている。)

歴史的なIPOの失敗により運転資金が枯渇しかかるという窮地に陥っている同社にとって、特にオフィスの占有率が低く売り上げが伸び悩んでいた中国市場で、新型コロナウィルスがビジネス不振の言い訳になりそうだ。もしくは、これがきっかけでWeWorkの会社そのものの再建が失敗するかもしれない。

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ニューヨークタイムズ紙が「習はどこにいるのか?(Where’s Xi?)」と題する記事を掲載した翌日、ようやく習近平が公の場にマスクをつけた姿で登場した。国営放送のCCTVが、習近平が北京市内の住宅地を訪問する様子を短時間放送した。

【訳】動画:中国の習近平主席は、月曜午後、北京市内で新型コロナウィルスによる肺炎の予防と管理に関する作業を視察した。習は、前線での作業状況を知るためにチャオヤン地区のコミュニティーで住民と役人を訪問した。

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