1000ゲノム・プロジェクトが新型コロナウィルスに感染しやすい種族別リストを公表:日本人と中国人が最もリスクが高いという結果に
1000ゲノム・プロジェクト(1000 Genomes Project)が、武漢ウィルス(COVID-19)に感染しやすい種族(遺伝子グループ)別リストを公表した(冒頭の画像)。このリストには、「ACE2細胞がより高い比率であることと関連する6つの遺伝的変異の平均:rs233575 {A}, rs714205 {G}, rs1978124 {C}, rs879922 {G}, rs2048683 {G}, rs1877752 {C}」と説明されている。
「ACE2」については、昨日ここでも次のように報じた:
別のコロナウィルスであるSARSがヒトに感染する一つの方法は、ACE2と呼ばれる酵素を使って人体に付着することを研究者たちはつきとめている。ACE2はいくつかの臓器で作られる「機能的受容体」である。(その臓器というのは、口腔粘膜・鼻粘膜、鼻咽頭、肺、胃、小腸、大腸、リンパ節、胸腺、骨髄、脾臓、肝臓、腎臓、そして脳。)
ACE2は、「人体において、肺および小腸の上皮組織に大量に存在している。このことが、SARSコロナウィルスが体内に侵入する経路を提供している可能性がある」。また、感染経路として、「動脈・静脈内皮細胞、および動脈平滑筋細胞(心臓を含む)」でも感染が起きていたことが観察されている。
この事実は、ACE2酵素の濃度が他の人種よりも高いアジア人(1000ゲノム・プロジェクトに依る)が、より顕著な影響を受ける可能性があると疑う人たちが現れ始めている。体内でのACE2酵素の生成が最も少ないのはヨーロッパ人種である。そのため、新型コロナウィルスに感染したヨーロッパ人種の多くが無症状の「スーパー・スプレッダー」になっている。横浜沖に停泊しているダイアモンド・プリンセスの乗客レベッカ・フレイジャーさんも、そんなスーパー・スプレッダーの1人である。
1000ゲノム・プロジェクトが発表した冒頭のリストを以下に日本語訳した。今後、新型コロナウィルスが世界に伝染した際、重症化する患者や死者が多い地域が果たしてこのリスト通りであるかそれとも異なっているか、この「仮説」が正しいか改めて確認する必要がある。
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