米連銀はアジアから還流するドル紙幣を検疫すると発表:紙幣に付着した新型コロナウィルスで感染が広がることを懸念
中国政府はウィルスに汚染されている可能性がある人民元紙幣を「検疫」するということが先月報じられたが、アジアで流通してから米国に還流するドル紙幣に新型コロナウィルスが付着している可能性があるため、米連銀も同様の措置をとるとロイターが報じた。
連銀の広報担当者は金曜、「アジアから本国に送還されるドル紙幣を米国の金融システムに再流通させる前に検疫する」ことを開始したと語った。この新たな施策は、ウィルスが米国内で感染を広げることを制限するための「予防措置」。
同広報担当者は、米国内に12ある連邦準備銀行がアジアから還流するマネー・サプライを管理する支援を行い、米国内の市中に再びドル紙幣を流通させる前に最大10日間の検疫を行うと語った。
ドル紙幣を具体的にどのように殺菌するかについての情報は公表されなかった。新型コロナウィルス(武漢コロナウィルス)の感染が広がる以前から、ニューヨーク大学が2014年に行った調査で、ドル紙幣に3000種類のバクテリアが付着していることが確認されていた。それだけドル紙幣が広く流通しており、様々な人の手に触れていることを表している。
また、世界保健機構(WHO)は、月曜、新型コロナウィルスは紙幣に付着した状態で生き延びることができると警告を発したとデイリー・テレグラフ紙が報じた。そのため、紙幣が媒介となり市中感染や世界への感染が拡大する可能性がある。汚染された紙幣に触れることで感染するリスクを削減するために、WHOは感染が拡大する各国の国民に対して可能であればデジタル通貨を利用するよう推奨している。
過去の研究で、新型コロナウィルスは物の表面で最長9日間、生存できることが発見されている。
声明の中で、WHOの広報官は紙幣が「バクテリアやウィルスを運搬できる」とするイングランド銀行が行った研究に言及しており、人々に手洗いを呼びかけている。また他の複数の研究ではアメリカの1ドル紙幣の90%にバクテリアが付着していることを示しているほか、スイスで行われた研究ではスイス・フラン紙幣の表面でウィルスが何日間も生存していたことを発見している。
今週WHOが行った警告は、先月から中国国内の銀行に預入される現金を市場に再流通させる前に1週間検疫し、紫外線の光で紙幣を殺菌すると発表した中国人民銀行に追随する動きである。
WHOはテレグラフ紙を通して次のように警告している:
「紙幣は頻繁に人の手を介するため、あらゆる種類のバクテリアやウィルスが付着しうることがわかっている」と広報官はテレグラフ紙に語った。
「紙幣を触った後は、その手で顔を触れることを避け、手を洗うことを推奨する。可能であれば、感染リスクを下げるために非接触型の決済システムを利用することを勧める」。
中国をはじめとする「グローバリスト」の代弁者であるWHOが、この機会にデジタル通貨を推進する旗振り役を積極的に担っているというのは驚きではない。ボーダーレスな世界を推進するグローバリストたちは、「キャッシュレス社会」を何年にもわたって広げようとしてきたが、北欧のスカンジナビア半島国以外では大きな成功を収めてこなかった。スウェーデンでは短期間で実質的なキャッシュレス社会が完成したが、デジタル通貨だけに頼るという決済システムでは経済活動に様々な障害をもたらしている。
パンデミックの発生により、奇しくもグローバリストが推進してきたキャッシュレス社会が1、2年で一気に普及しそうな気配だ。
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