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武漢ウイルスから回復した人の中には抗体が作られず「再発」する人たちがいると研究者たちが発表:欧米各国は抗体を持つ人たちに「免疫パスポート」を発行することを検討

武漢ウイルスから回復した人の中には抗体が全く作られず「再発」する人たちがいると研究者たちが発表:欧米各国は抗体を持つ人たちに「免疫パスポート」を発行することを検討

Screenshot via YouTube

初期の頃から、武漢ウイルスに感染し一度回復した人たちの中には、再発するケースがあると複数のメディアが報じてきた。(ただし、こうしたケースの中には症状が「回復」してもウイルスが完全に体内から排出・消滅したわけではなく、ウイルスが「休眠」していただけと疑われるケースがある。)

■ 回復した3分の1の患者たちは有効なレベルの抗体を生んでいない:上海のケース

科学者たちによる研究が進むにつれて、さらに多くの「再発ケース」が報じられるようになっている。

上海にある復旦大学の研究者チームは、COVID-19感染症から回復した患者たちの中で驚くほど多くの人たちが、血中にこのウイルスに対する抗体を全く持っていない、もしくは低レベルしか持っていないことを発見したとサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙が報じた。これが意味することは、一度武漢ウイルスに感染し回復した人たちの中でかなりの数の人たちが再感染のリスクにさらされているということである。

復旦大学の研究者チームは、復旦大学上海医学院から退院した175名の患者たちの血液サンプルを検査し、そのうち3分の1近くの人たちは予想よりも低い「500以下」という抗体レベルであることを発見している。何人かのケースでは、抗体が全く検出されなかった。抗体レベルが500以下の場合、ウイルスの再感染を防ぐことが十分ではない可能性がある。

査読前の論文が投稿されるMedrxiv.orgに今週月曜に投稿された論文の中で、この研究チームは次のように記している:

約30%の患者たちが、COVID-19に感染した後、高力価の中和抗体を作り出せなかった。ただし、これら患者たちの病気の発症期間は他の患者たちと同じ程度であった。・・・

これら患者たちが再発もしくは再感染してしまうという高リスクにさらされているかについて、さらなる研究で明らかにされるべきである。

この研究論文はまだ他の研究者たちにより査読を受けていないが、COVID-19感染症から回復した患者たちの抗体レベルを組織的に研究した世界初の事例となっている。

対象となった患者たちは全員、軽い症状しか発症しておらず、最近回復した人たちとなっている。そして血中の抗体レベルが低い人たちのほとんどが若年層である。研究者たちは、集中治療室に収容された重症患者をこの調査対象から除外している。その理由は、そうした患者たちの多くが、すでに献血された血漿から取り出された他人の抗体を投与されているためである。

また、この研究チームは、年齢が上がるとともに抗体レベルも上昇していることを発見している。60歳〜85歳の患者グループには、15歳〜39歳の患者グループで検出された抗体レベルの3倍以上が確認されている。

抗体レベルが低いということは、「集団免疫」に影響を与えることになる可能性がある。(集団免疫については後半で詳しく紹介する。)

この研究チームのリーダーであるフアン・ジンジェ教授は、今週火曜、次のように語っている:

これは我々が最前線で得た臨床観察である。これが集団免疫にどういった意味を持つのかについては、世界の他の地域から得られるさらなるデータを必要とする。・・・

ワクチン開発者たちは、こうした患者たちに特別な注意を払う必要がある可能性がある。

抗体レベルが低い、もしくは全く検出されなかった患者たちには、発熱や咳といった典型的なCOVID-19感染症の症状が現れていたという。しかし、体内のT細胞やサイトカインといった他の免疫システムがウイルスを攻撃したために、症状が回復している可能性がある。抗体がほとんど作られない患者たちがどのように症状を回復しているかについては、未だ不明となっている。

たとえワクチンが開発されても、こうした特徴を持つ人たちの体内では有効な抗体レベルを生まない可能性があり、その場合ワクチンが効かないということになる。

この研究者たちは、COVID-19の抗体が、2003年に発生したSARSウイルス(武漢ウイルスの遠縁にあたるウイルス)とも結合しうることを発見している。しかしSARSウイルスと結合しても、細胞内でSARSウイルスが増殖することを押さえ込むことはできないため、2種類以上のコロナウイルスに効果があるワクチンを同時に開発できる可能性は低い。

このウイルスがどのように種を超えて動物からヒトへ感染したかについて、いまだ原因がわかっていない。また、COVID-19感染症で亡くなる人がいる一方で、このウイルスに感染しても無症状の人たちがいる原因についてもわかっていない。武漢ウイルスについては、いまだわからないことが多すぎる。

中共政府の上級科学顧問であるワン・チェン教授は、今週月曜、国営メディアに次のように語っており、チャイナ国内でも勝利宣言を行うことは時期尚早であることを認めている:

これ(武漢ウイルス)が季節性インフルエンザやB型肝炎のような慢性疾患になるのか、またはSARSのように突然消滅するのか、誰が予想できるだろうか?

■ 回復しても再発するケースが発生:韓国のケース

そして今週、韓国ソウルの研究者たちによっても憂慮すべき症例が報告された。韓国CDC(KCDC)によると、韓国内で武漢ウイルスの症状から回復した数人のケースにおいて、症状が「再発」したことが確認されたという。The Straits Timesが報じた。こうした患者の体内からは、ウイルスが完全に排除されず「休眠」しており、それが何らかの理由で再活性化した可能性が疑われている。

韓国内で「回復」した患者のうち51人が、検査の結果ふたたび陽性反応が出たと韓国CDCが記者会見で発表した。こうした再発症した患者たちは、症状が回復し隔離措置が解かれてから間も無くして再び陽性反応となっていることから、再びウイルスに感染する時間はほとんどなかったと考えられている。そのため、再感染したのではなく、体内で休眠状態となっていたウイルスが再活性化した可能性のほうが高いと疑われていると、韓国CDC(KCDC)のジェオン・ウンキョン長官は語っている。

「我々は、原因は再発という可能性のほうに比重を置いているが、この件について総合的な研究を行っている最中である。患者が治療を受けている期間中、ある日には陰性という反応が出たのに、別の日には陽性という結果が出るというケースが多くある」とジェオン氏は語った。24時間の間隔を開けて2度検査し、両方とも陰性であった患者は完治したと判断されている。

■ 集団免疫と「抗体証明書」の発行を計画している欧米諸国

欧米諸国では、武漢ウイルスに一度感染し抗体を備えている人たちに、「抗体証明書」となる政府発行の「特別パスポート」を発行し、彼らから順に普通の社会・経済生活を取り戻してもらう検討が行われていると報じられている。

こうした計画は、最初に英国が議論を開始したとニューヨークタイムズ紙が報じている。すでに武漢ウイルスに感染し体内に抗体を持った英国人たちに「免疫パスポート」を発行し、通常の経済活動を再開してもらうことを選択肢の一つとして検討しているという。

英国政府の記者会見の中で、マット・ハンコック保健大臣は次のように語っている:

(免疫証明書は)我々が実施することになる重要な事項である。我々はそれについて検討しているが、この病気に罹患することで得られる免疫に関する科学的見地からして、まだ時期尚早である。・・・

この計画について明確に語るには、科学的観点からしてまだ時期が早すぎる。それが実行可能性あることを私は望んでいるが、それをまだ実施することができない理由は、科学がまだ十分追いついていないためである。

以下はハンコック保健大臣がこの発表を行っている記者会見の動画:

ボリス・ジョンソン首相付き広報官も、この「免疫パスポート」をどのように実現することができるかについて精査していると語った。

ハンコック保健大臣は、体内にウイルスもしくは抗体があることをチェックするための血液検査キットを開発中であると語っている。

ドイツでもまた、このウイルスに対する抗体を持った人たちに抗体パスポートを発行し、彼らが職場復帰することを許可することが可能かについて、科学者たちが研究を進めている。

イタリアでは、東北部ベネト州の保守系の州知事が、このウイルスに対する抗体を持っている人たちに免疫パスポートを発行する提案を行っている。イタリアのマッテオ・レンツィ元首相は、ウイルスに感染していない人たちが日常生活を取り戻すために発行されるこうした証明書のことを、「Covid Pass」と呼んでいる。

こうした「免疫パスポート」については、先週アメリカの政治家たちの間でも議論に取り上げられており、下院民主党幹部会のマイク・スチュアート議長は、救急隊と医療従事者に対して「免疫証明書」を発行するようテネシー州のビル・リー知事に呼びかけている。スチュアート議長は、すでに抗体を持っている救急隊員たちがウイルス対策の最前線に配置されるべきであると語っている。

このように、欧米諸国の政府・政治家の間では「免疫パスポート」や「免疫証明書」という考えが広まってきており、この流れが世界に広がることが考えられる。

マイクロ・ソフト創業者のビル・ゲイツ氏も、3月24日にTED Talksのキュレーターであるクリス・アンダーソン氏が行った50分間のインタビューの中で「免疫証明書」について語っている。

以下の動画の34:14から、ゲイツ氏は次のように語っている:

最終的に我々が行わなければいけなくなるのは、誰が回復し、誰がワクチン摂取を受けているかを示す証明書だ。・・・

・・・悲しいことではあるが、封じ込めにまだ成功していない国々があるような世界で、人が自由に移動するというような事態は避けたいと思うだろう。

人々がある地点から別のある地点の間を往復したり動き回るという自由を完全には阻止したくはない。

そのため、最終的には、世界が再び扉を開けることを支援する、こうしたデジタル免疫証明書が作られるだろう。

本サイトで何度も紹介しているヘッジファンドのビル・アクマン氏も、次のようなツイートを行っている:

【訳】私はますます楽観的になっている。ニューヨークでは感染者数がピークに達しているように見える。全米のほとんどが封鎖されている。ハイドロクロリクイン(訳者注:トランプ大統領が武漢ウイルスの治療に効果があると発表したマラリア治療薬)と抗生物質が効き目があるようだ。無症状の感染率は当初予想されたよりも最大50倍かそれ以上であることを示す証拠が増えている。

もしこれが真実であれば、この感染症の重症度と致死率は予想されたよりもずっと低いことになる。そして我々は予想されたよりも早く集団免疫に近づく可能性がある。非常に精度の高い抗体テストが生産・流通を拡大しており、それがこの疑問に対して明確な回答を(望むべくは早急に)してくれることになる。

しかし、こうした希望をかなえるには、回復した患者の一部に十分な抗体が作られない原因、そして一度回復した患者が再発する原因などを解明する必要がある。

【追加情報】

The Epoch Timesは、以下の動画でチャイナの軍医のコメントを紹介しており、回復した患者であっても他人を感染し続ける場合があると警鐘を鳴らしている。またこのウイルスに対する有効なワクチンを作ることはできないとも語っている。特に武漢で広まった第1世代のウイルスは毒性が強く、感染した人の3分の1から半数が死亡したと語っている。

果たしてこの軍医の証言が真実であるか、世界の科学者コミュニティーによる検証を待たなければいけない。

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