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ロックダウンで経済低迷でも株価高騰の理由|米連銀は世界に「買いシグナル」を送り、労働統計局は失業率データを過少報告

ロックダウンで経済低迷でも株価高騰の理由|米連銀は世界に「買いシグナル」を送り、労働統計局は失業率データを過少報告

Screenshot via Bloomberg TV

 

自宅待機命令が出され経済が大打撃を受けているにもかかわらず、アメリカの株式市場は上昇ラリーを続けている。S&P500種指数は、年初来わずか約3.5%の下落水準まで回復し、NASDAQについては年初来プラスに転じている。失業率が急上昇し、コロナ災禍の出口がまだ見えない中、なぜ株式市場はこうも楽観的に上昇を続けているのだろうか?

 

■ 労働統計局の「ミス」

 

6月5日(金曜)、米労働統計局(BLS)は5月10日〜5月16日に行われたサーベイ調査に基づき雇用統計データを発表し、1ヶ月間としては過去最大にあたる34万5000件の新規雇用が創出されたと報告した。このニュースを受けて、コロナ災禍による経済的打撃から想定よりも急速に経済がV字回復していると受け取られ、株式市場は爆上げした。

 

 

全米の非農業部門雇用者数(合計)

 

しかし労働統計局が発表したこのデータは純粋に奇妙であり、史上最も政治に忖度した報告であると指摘されている。

 

米労働統計局は、独自の出生死亡モデルを使って生の賃金データを調整し、新規に創出された雇用件数と失われた雇用件数の見積値を算出している。この出生死亡モデルによると、全米のほとんどの地域がいまだにロックダウンされていた5月、新規事業が立ち上げられたため史上最大となる34万5000件もの新規雇用が創出された。これは、ロックダウンにより4月中に閉鎖されたビジネス(4月の出生死亡モデルによるとマイナス55万30000件の雇用喪失)のうち、60%以上の雇用が5月に回復したということを意味する。

 

5月中も全米のほとんどの地域で自宅待機命令が出されていたにもかかわらず、前月に失われた雇用の60%以上が回復したというのは明らかに現実と乖離している。実際、米労働統計局は自らデータに「誤判別エラー」があったと認め、失業率は当初発表されたものより最大3%高いと発表した

 

米労働統計局は発表した声明の中で次のように説明している:

 

・・・就業中と判別されていたが、実際は離職中であった就労者もかなりの数存在していた。3月と4月の状況と同様に、世帯調査を行うインタビュー要員らは、コロナウイルスに関係して事業が閉鎖されたため、雇用されているが離職中の人々については、一時的な解雇により失業中と判別するよう指導を受けていた。しかし、そうした就労者の全員がそのように判別されていないのは明らかである

 

もし就業中と記録されたが実際は「他の理由」により離職中であった就労者たち(典型的な5月のデータで他の理由により離職中の人数を超える余剰分)が、一時的解雇により失業中と判別されていたとすれば、最終的な失業率は、報告されたものよりも約3%上昇していただろう(非季節調整済ベースで)。

 

このようにエラーを認めており、発表した統計データを修正するのかと思いきや、労働統計局は次のように発表している:

 

労働統計局と国勢調査局は、なぜこの誤判別エラーが引き続き起きてしまったのか調査中であり、この問題に対処するために追加の手順を取っている。・・・

 

しかし、通常のやり方通り、世帯調査からのデータは記録された通り認められる。データの完全性を維持するため、サーベイ調査結果を再判別するための特別な措置は取らない

 

明らかに失業率データに3%もの調査エラーがあったにもかかわらず、「データの完全性を維持するため」と言う理由で修正は行われていない。3%のエラーとは、すなわち、490万人もの失業者が就業者としてカウントされていることを意味する。労働統計局は、失業率を13.3%と発表したが、実際は16%以上ということである。

 

株式市場も、労働統計局によるこの調査エラーを株価に反映することを拒否しているようだ。

 

 

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『連銀は買いシグナルを世界に発信』

 

 

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