【続報】カナダの生物研究所から警察に連行された2人の中華系科学者は、致死性の高いエボラとヘニパウイルスを武漢ウイルス研究所へ発送|カナダ政府は彼らの連行理由についていまだ情報開示を拒否
先月ここで報じたニュース『武漢研究所からの要請でエボラとヘニパウイルスを発送したカナダ人科学者2名は今も捜査対象』について、カナダの公共放送CBCが6月14日(日曜)に続報を伝えている。
5月20日付けの本サイト記事では以下のように報じていた:
カナダでトップクラスの感染症研究所である『カナダ国立微生物学研究所(National Microbiology Laboratory)』で有名研究者であったシングオ・チュー(Xiangguo Qiu)氏は、エボラ・ウイルスへの効果的治療法と当時目された手法を共同開発し、世界中から称賛されたことがある人物。しかし、彼女とその生物学者である夫ケッディン・チェン(Keding Cheng)氏は、昨年7月、同研究所から警察に連行されている。現在、この2人は同研究所から除籍されている。
しかしそれから約1年が経過した現在も、捜査はまだ終了していない。この2人の研究者を雇用していたカナダの公衆衛生当局は、この2人が関わっている案件が、チャイナの武漢と別の接点があったことを公表している。
カナダ公衆衛生当局の広報官エリック・モリセッティ氏は、この2人が2019年3月にチャイナに発送したエボラとヘニパウイルスの検体は、武漢ウイルス研究所からの要請を受けて行われていたことを明らかにした。
『カナダ国立微生物学研究所(National Microbiology Laboratory)』は、カナダ国内で唯一、安全基準が最高の「レベル4」の研究施設である。昨年、カナダ連邦警察隊によってこの研究所から連行されたのは、シングオ・チュー(Xiangguo Qiu)氏とその夫ケッディン・チェン(Keding Cheng)氏に加えて、彼女の研究チームに所属していた複数のチャイニーズの学生も含まれている。
CBCの取材に対して、オタワ大学の法学部教授であり、また疫学者でもあるアミール・アタラン教授は次のように答えている:
カナダの中でセキュリティー・レベルが最高の研究所から、カナダ連邦警察隊によって連行された研究者がいるが、その連行理由についてカナダ政府は開示を拒んでいる。諜報機関も沈黙を貫いている。しかし我々が把握していることは、彼女が連行される前に、地球上で最も致死性が高い複数の種類のウイルス、しかもそれらの変種を、チャイナの研究所に発送していたことだ。そのチャイナの研究所では危険な機能獲得型実験が行われており、こうしたウイルスの変種は遺伝的多様性を極限まで増すことにつながり、チャイナの研究者たちはこうしたウイルスを利用することで実験を極限まで引き出すことができる。しかも、そこ(研究所)は人民解放軍と関連がある。・・・
これは疑わしく、警戒すべきことであり、命に関わる可能性がある。
オタワ大学のアミール・アタラン教授
Photo via CBC
自然界にある病原体を、実験室でより致死性を高めたり感染力を高めるよう変異を起こさせることを「機能獲得型実験」と呼ぶが、カナダではこの機能獲得型実験を行っていない。このことについて、アタラン教授は次のようにCBCに語っている:
武漢研究所はそれを行っており、そして我々は彼らにエボラとヘニパウイルスを提供してしまった。天才でなくとも、これが賢明な決断ではないことは理解できる。
カナダ政府がこうした遺伝物質を(チャイナと)共有してしまったことを目にして、私は非常に悲しい。
さらにCBCは次のように報じている:
アタラン教授は、シングオ・チュー(Xiangguo Qiu)がチャイナにこれらウイルスを発送する手続きを開始してから3ヶ月後の2018年12月に、最初に発表されたエボラに関する研究を指摘している。この研究には、カナダ国立微生物学研究所とマニトバ大学の研究者たちが関わっていた。
この研究の筆頭著者であるフアレイ・ワン(Hualei Wang)は、北京にある軍事医療研究所であるAcademy of Military Medical Sciences(軍事医学アカデミー)と関係がある。
これらは全て、COVID-19を発症させる新型コロナウイルス、カナダの微生物学研究所、そして武漢にある研究所とをリンクさせる陰謀論へとつながっている。
CBCの報道によると、カナダ連邦警察隊とカナダ公衆衛生庁 (Public Health Agency of Canada)は、カナダから武漢ウイルス研究所へ発送されたウイルス検体とCOVID-19との間には関係性はないと繰り返し否定している。
今回新たに公表された文書によると、カナダから武漢ウイルス研究所に発送されたウイルス株は以下である(約15 ml)。採取・発見された場所ごとに名前がつけられたエボラウイルスとヘニパウイルスの複数種。
- Ebola Makona (3種類の変種)
- Mayinga
- Kikwit
- Ivory Coast
- Bundibugyo
- Sudan Boniface
- Sudan Gulu
- MA-Ebov
- GP-Ebov
- GP-Sudan
- Hendra
- Nipah Malaysia
- Nipah Bangladesh
公開された文書には、これらウイルス検体を発送するまでに行われた連絡のやり取りについても含まれており、ウイルスの梱包の仕方についてのやり取りや、発送前に梱包した小包を滅菌していなかったことも明らかとなっている。さらに、カナダ国立微生物学研究所のマシュー・ギルモア所長が、首都オタワにいる彼の上司たちに対して、この小包の中身、送付先、そして発送を申請する書類に不備がないかについて懸念を示していたことも明らかとなっている。
カナダ政府により新たに公開された文書
Photo via CBC News
1件のメールの中で、マシュー・ギルモア(所長)は、「保存と利用に関する包括的な『保証』」ではなく、研究試料提供契約書(Material Transfer Agreement)が必要であると記している。
同氏は特別病原体部門チーフであるデービッド・サフロネツに次のように質問している:「あなたがこのグループを信頼していると知って安心した。我々は彼らとどのようにして関係を持つようになったのか?」
サフロネツの回答:「彼らは、チュー(Qiu)博士と共同研究を行なっているため、我々に資料を要請しているのです。」–CBC
CBCは、これらウイルスの発送を準備していた人物が、当初、不適切な梱包方法を予定していたとも報じている。受け取り側の武漢ウイルス研究所がその梱包方法のミスに気付き指摘したため、この梱包ミスは回避されていた。
先述のアタラン教授は次のように語っている:
梱包ミスが回避できた唯一の理由は、チャイナ側が彼ら(カナダ側)に対して、「それは間違いではないか?」とメッセージを送っていたからだ。もしそのメッセージが送られていなければ、(カナダ側の)科学者たちは、人を死に至らすウイルスをいくつか含んだ検体を不適切に梱包してエア・カナダの航空便で発送していただろう。それはほぼ起こりかけていた。
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